孤高の人〈上〉 (新潮文庫)

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著者 : 新田次郎
  • 新潮社 (1973年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (503ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101122038

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孤高の人〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 加藤文太郎は不器用で強靭で愛情深かった。
    新田次郎は単なる山岳小説にせず、職場と山行の両立、家庭を持ちながら雪山に向かう葛藤などをていねいに描いた。
    深みのある、すばらしい物語だった。
    上下巻の長編にもかかわらず、新田次郎の無駄のないストーリーテリングにより退屈しなかった。ときに、ずいぶん駆け足な展開だなと思うこともあった。それでもこのページ数になった。
    加藤文太郎にまつわる話をもっと読んでいきたいと思った。

  •  正直、前半の造船所研修時代の話しは私には退屈で最後まで読み切れないかもしれないと思いながら読み進めていた。でも、加藤が山に登り始めると俄然面白くなった。特に冬山に登る様子は、その寒さや孤独、厳しさがひしひしと伝わってくる。生きるもののいない真冬の山の奥で吹雪に耐えながら一人でビバークする加藤を想像すると、部屋の温度が下がったように背中が寒く感じられてくる。そこまで読むと加藤の登山スタイルや性格を伝えるには造船所研修時代の話が必要だったことがわかる。何者にも屈せず自分を信じて行動する加藤の人柄が当時の時代状況とともに語られている。

     常に冷静で研究熱心で用意周到な加藤はなんだか昔読んだ大藪春彦のハードボイルドの主人公のように見えてきた。

  • 六甲と北アルプスという個人的にとても身近な山が舞台ということもあり、主人公の加藤文太郎にとても親近感を覚える。登山中の風景描写が非常に緻密で美しくかつ厳しく、加えて、神戸での日常生活の中に描かれる主人公の葛藤と成長がまたリアリティに満ちている。すごい小説だ。

  • 新田次郎初読。上下巻完結。
    孤高の登山家の話です。

    コミックスを先に読んでいて、コミックスも面白かったのですが、原作は静けさの中に唸るような深みがあって面白かった。

    通常、複数で行動するのが常の登山で、一人でいくつもの山を踏破した孤高の登山家。
    彼がどのように山に出会い、生きたのか、上下巻を通してじっくり描かれます。
    ずっと一人で山に向き合ってきた人が、初めて誰かと山に登る時。
    とても面白かったです。

  • 地元の英雄、加藤文太郎のお話。
    浜坂、観音山、宇都野神社など懐かしい場所が沢山でてきました。
    ほんと加藤文太郎ってすごい人です。
    山に興味を持つことができる1冊。
    下巻を早くよみたい。

  • 稀代の登山家、加藤文太郎を主人公にした物語。

    登山において単独行を貫くのは、なぜなのか。
    周囲からは変人としてみられる描写が散見される。

    しかし、そこにおいても、付和雷同しない。
    そういった意味でも、「孤高の人」なのだろうか。

    出身地は浜坂だか、そこで泳ぐのが好きだったという。
    海好きの人が山好きになるという対比は、とても不思議だ。
    海の人間が山に魅せられるのはなぜなのだろう。

  • 寡黙で、ひたすら山を登る加藤文太郎。
    加藤文太郎は、何を求め山に登り続けるんだろう。。。
    裏切りや社会から逃げてるわけではないが、
    登山をすることで自分を保っているのかもしれない。

    私も単独登山をしたことがあるけど、
    そんな時、人は「自分探し?」というけど
    それは違うんだよな〜。
    加藤文太郎の気持ちが少しわかる気がします。

    読み応えあります。
    下巻に突入!

  • 1人で山登りをする方にとって、まさに孤高の人。主人公の人物像が「いかにも変人」ぽく描かれていますが、実際はそこまででも無かったらしいという噂です。ただ、工夫して、下準備をして、実行に移し、改善していく、いかにも理系っぽい人だなぁと思います。
    とりあえず下巻まで突貫で読んで再読する予定!

  • すごい、としか言いようがない。
    単独行、は怖いけれどこの小説を見て、やってみようと思ってやった(笑)
    流石、山岳小説の第一位作品☆

  • 加藤文太郎を描く山岳小説。
    著者は新田次郎だが、加藤文太郎本人が書いたようなリアリティのある文章。

  • 単独行の加藤文太郎。昭和初期、富裕層の人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々をひとり疾風のように踏破していった彼の生涯を描く。なぜ山に登るのか。本当の優しさとは、本当の強さとは何か。様々なことを読者に訴えかけてくれる名作である。登山が好きな人はもちろん、そうでない人にも是非お勧めしたい作品。

  • 再読。
    内容、ほとんど忘れてたことを再認識。新田次郎は一時期にまとめて読んだせいか、いろんな小説の内容をごっちゃにして覚えてる感じが。

    いい小説なんだけどラストがつらすぎ。

    あと最後知ってて読むと、白と桃色を意図的に各所で対置している感じが面白い。こういうところはいかにも新田次郎らしい。

  • エベレスト登頂を目指し、日本アルプスの山々を単独行を続ける加藤文太郎。決して孤独が好きなわけではない。人恋しく感じる時もあり、自分の想いを上手に表現できない不器用さと頑固さが孤独にしている。しかし、それが誰も成し得たことのなかった単独行を成功させる強い意志にもなっている。日常の生活に登山のトレーニングを取り入れ、通勤にもルックザックに石を積めて歩いて通ったり、5日絶食したりと山に懸ける想いに凄みを感じる。登山の描写も正に自分が登っているのではないかと錯覚する程に鮮明ですばらしい。下巻が楽しみ

  • 大正から昭和の登山家・加藤文太郎の小説。
    山に対してあまりにもストイックだ。周囲に何と言われようとぶれない加藤の姿勢が素晴らしい。
    本当は人とコミニケーション取りたいけど、思っていること違う表情になってしまい、がっくりしている様子が、なんとなく微笑ましい。
    しかし、山にいるときだけ、人と話したいというのは少し傲慢だ。

    わりと読みやすいは、一文が短いからだろうか。

  • 大正から昭和にかけて実在した登山家・加藤文太郎の伝記とも言える小説。新田次郎作品を読んだのは『強力伝』に続き2作目だが、登場人物の心の葛藤や、情景描写がぐいぐい自分に入り込んできて、一気に読了した。冬登山への心構えの参考にもなるので、ブームに乗って登る人達にぜひ読んでもらいたい作品だ。

  • 昭和初期、どこの山岳会にも属さず装備も自分で準備し、単独登山をする加藤文太郎。
    口下手で人と接するのも苦手な加藤は山を登りながら人との繋がりを思い巡らせる。

  • この頃山岳ブームだそうで。
    山登りは興味はあるけれども根性の無いことには自信のある自分には無理だろうと挑戦したことがありません。なので山岳小説を読んでみることにしました。

    孤高の人とはまたよくつけられたタイトルだなあ。
    口下手で人間付き合いが下手な加藤さんですがこの本を読むとその分親しく付き合った方とは心からの付き合いをされていたのではないか、そんなことを思いました。
    それにしても。生まれたばかりの子供と新婚の奥さんを置いて気の進まない登山に向かったとありますがそこはちょっとよく書きすぎではないかな、と。
    生きて帰ることが一番大切なんだ、と悟った時に遭難とは人生とは皮肉なものだなあと思いました。

    面白かったです。

  • うーん、
    おもしろいけど
    山ってどうなのよ?
    が知りたいときは
    これじゃないのがいいね。

  • 何かをしたいなら
    自分と対話し
    鍛えなければ成せないのだ


    ・・・おまけ・・・
    ずっと単独で山を登っていた加藤文太郎は
    宮本健(実在:吉田富久)と最後の山行で
    パーティを組んだため死んだ

    と描かれているが
    実際は違うらしい

    加藤文太郎は
    命を落とした「北鎌尾根」山行の前に
    「前穂高岳北尾根」山行で
    吉田富久とパーティを組んでいる

    加藤文太郎著の
    単独行(http://www.aozora.gr.jp/cards/000245/files/1330_21437.html
    の中には
    「前穂高岳北尾根では吉田氏の足を引っ張った」
    と描かれているらしい

  • 漫画から先に読んだけど、登場人物やセリフなど、程良くリンクしていてよかった。

    加藤文太郎の変わっていく様子にはまった。

  • 峠へ行った後、何か山岳小説を読みたくなって読んだ本。
    個人的に加藤の不器用な生き方には、感情移入しやすかった。
    また何度かじっくり読みたいと、思えた本です。

  • 今も語り継がれる伝説の登山家「加藤 文太郎」。
    単独行は加藤文太郎というアルピニストを抜きには語ることが出来ない。

  • うーん、いまいち感情移入出来ないな・・・。

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孤高の人〈上〉 (新潮文庫)の作品紹介

昭和初期、ヒマラヤ征服の夢を秘め、限られた裕福な人々だけのものであった登山界に、社会人登山家としての道を開拓しながら日本アルプスの山々を、ひとり疾風のように踏破していった"単独行の加藤文太郎"。その強烈な意志と個性により、仕事においても独力で道を切り開き、高等小学校卒業の学歴で造船技師にまで昇格した加藤文太郎の、交錯する愛と孤独の青春を描く長編。

孤高の人〈上〉 (新潮文庫)のKindle版

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