孤高の人(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.10
  • (339)
  • (324)
  • (197)
  • (19)
  • (4)
本棚登録 : 2710
感想 : 239
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101122038

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『八甲田山死の彷徨』と『剣岳<点の記>』が面白かったので、それよりもレビュー評価の高い新田次郎作品ということでこちらに手を出してみたが、肩透かしを食らった。

    戦略、戦術、葛藤、心情の機微、が細やかに綴られ、世界観・空気感が香るような文章を好むからだからだろうか。また、登山に興味はあるが、登山家に興味はないからだろうか。好きな本には何らかの形で共鳴する要素があるが、全く共鳴できなかった。理屈で探せば自分との共通点はたくさんあげられそうなのにもかかわらず。

    駄作だとは思わないが、残念ながら自分には合わないため今後面白いと感じるとも思えないので、下巻は読まない。

  • 本作品は山岳小説の大家である新田次郎氏が「加藤文太郎」という登山家に焦点を当てた山岳小説である。そこに描かれているのは外山三郎ら庇護する者や影山ら乱す者との人間ドラマであるとともに、大正から昭和へと変わる不穏な雰囲気、関東大震災や5.15事件の軍国化、共産主義の暗躍といった出来事である。「単独行の加藤文太郎」の気骨がどうやって生まれ形成されていったか、新田次郎の詳細な調査と創作が入り交じり「加藤文太郎」に色を与えている。

    ひとつだけ疑問は山に興味が薄かった加藤氏がどうしてヒマラヤに執着するようになったのか。作品内でのきっかけや動機が薄弱のような気がする。もう少し詳述が欲しかったように思う。

  • 山好きなら一度は手に取ったことがあるはず。登山者のバイブルと言っても過言ではない1冊。主人公の加藤文太郎が単独行のこだわる理由がわかります。

  • 研修生時代は話が重く、なかなか読み進められなかったが、北アルプス、八ヶ岳と山の世界が広がっていくとぐいぐい進んだ。自分が歩いた表銀座や八ヶ岳のルートを思い浮かべながら読むのが楽しい。加藤ほどぶっ飛んでないけど、なぜ一人で山に挑むのか、山に登るとは考えさせられる。下巻が楽しみ。

  • 漫画の原作である本作だが、漫画とは時代背景がことなる。漫画はストーリーは踏襲しているが現代版にアレンジした作品。しかし、原作でも十分楽しむことが出来る。孤高であるがために捨てなければならないことが、一人旅をしていたころを思い出した。続きは気になる。

  • 感想は下巻で。

  • 2017/09/04
    39

  • 新潮文庫の2014選抜だそうで、書店に平積みの本書を手に取った。山岳小説のロングセラーで、タイトルだけは知っていた。実在した加藤文太郎の山行と、第二次大戦に突入しようとする暗い時代に、会社の人間関係や女性への思いを織り交ぜた濃い小説だった。不器用なまでに人付き合いの苦手な加藤に腹立たしい思いも感じたが、書名どおり孤独を友とする人の性なのだろうとも思った。上巻の最後に「もし、この契約を破った場合は、山はお前の生命について責任が持てない」という加藤の中の単独行のなかの独白が、その後の結末に暗い影を落としている。

  • 2017/07/04

  • 下巻にわくわく

全239件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

新田次郎
一九一二年、長野県上諏訪生まれ。無線電信講習所(現在の電気通信大学)を卒業後、中央気象台に就職し、富士山測候所勤務等を経験する。五六年『強力伝』で直木賞を受賞。『縦走路』『孤高の人』『八甲田山死の彷徨』など山岳小説の分野を拓く。次いで歴史小説にも力を注ぎ、七四年『武田信玄』等で吉川英治文学賞を受ける。八〇年、死去。その遺志により新田次郎文学賞が設けられた。

「2022年 『まぼろしの軍師 新田次郎歴史短篇選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

新田次郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
奥田 英朗
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×