沈黙 (新潮文庫)

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  • 724レビュー
著者 : 遠藤周作
  • ¥ 594
  • 新潮社 (1981年10月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101123158

沈黙 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 今さらながらの遠藤周作。

    沈黙の題の意味を知らずに読み進めた。
    初めの方でどういうことかわかったけど、
    こんな重いテーマとは思わなかったので。

    設定は江戸時代なんだろうけど、
    これは時代劇とも違う。

    自分が死んでもいいと思っているのに、
    その代わり
    ほかの同士の命をいとも簡単に取られるという悲劇。

    黒澤明の映画を見ているようだった。

    幕府側の言い分もわかる・・


    内容、テーマが今風の本ではない。
    だから読んで良かったと思う。

  • 17世紀のキリスト教が弾圧されていた江戸時代において、ポルトガルから長崎に渡ってきた司教の話。
    生きる希望を現実世界では見出せない人々にとって最後の拠り所となるのが宗教の機能の一つと思っているが、それを根本から揺さぶるような内容。
    要所要所で主人公が神に語りかける言葉や、先に渡った師匠である司教と出会ったときの会話、そして最後に主人公が決断したときの思いは、神という存在や宗教の存在を考えさせられる。
    日本の大多数の人が、人生で生きるか死ぬかという問題に直面することはないから時代だからこそ、歴史を振り返る意味も含めて読んでおきたい一冊です。
    「主よ、なぜあなたは黙っているのですか」
    キリスト教徒ではないけど、この一言が今も胸に残る。

  • 誰の沈黙かと思ったら。すごいテーマを扱うな。

  • “沈黙”とは、神の沈黙のことだった。

  • 共感した。というか自分の考えが補強された。

  • 重厚。宗教家としては、自分への弾圧よりも目の前で信徒が弾圧される方がよっぽど辛いのであろう。再三再四イノウエや通詞から指摘される「神の沈黙」が最後まで重くのしかかっていた。

  • 神の沈黙を前にして、遠藤周作が、なおもキリスト者でいられたのはなぜだろう?

  • 強烈でした。これからの人生、ふとパードレのことが頭によぎりそう

  • 迫害される信徒達に対して、主はなぜ沈黙し続けているのか。仮にそんな主人公の宗教的な葛藤に共感出来なくとも、エンタメとして読むのを止められないタイプの小説。
    司祭達の恐るべき敵として存在する奉行井上筑後守の不気味な人物造形が秀逸だったし、キチジローは聖書のユダというより指輪物語のゴラムを思い起こさせた。時折挟まれる自然風景の美しい(=残酷な?)描写は、主人公の心象表現として重要な役割を果たしていて、この作品の読みどころでもある。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。

    【キーワード】
    文庫・キリスト教・宗教・信仰・映画化

    【映像化情報】
    『沈黙 SILENCE』
    1971年11月13日映画化
    出演:デイビッド・ランプソン・ダン・ケニー 他

    2015年制作予定の映画あり

  • ずしん、とくる本です。
    ラストがやりきれなすぎておおう、となります。

    ですが重要な題材を扱っていて非常によくできた作品だと思います。宗教とは、神とはなにか考えさせられます。

  • 島原の乱が鎮圧されて間もないキリシタン禁制の日本。
    そこへ3人のポルトガルの司祭が潜入する。
    フェレイラ教父が拷問に屈して棄教したという事実を確かめるために。

    この頃の時代背景を書いた、まえがきから始まります。
    これがあることで物語に入りやすかったです。

    5つのブロックに分類すると、
    1.「セバスチャン・ロドリゴの書簡」で彼が見た日本の現状。
    (主観)
    2.ロドリゴのその後。
    (客観)
    3.「長崎出島オランダ商館員ヨナセンの日記」で時代背景。
    (第三者の目線)
    4.ロドリゴのその後2。
    (客観)
    5.「切支丹屋敷役人日記」で昔の文体を用いて真実味を帯びて終わる。
    (第三者の目線)
    こんな感じで語り手が変わる。
    知らない言葉も多くて難しかったです。
    「切支丹屋敷役人日記」の流れは把握しましたが、全部は読めないです…。

    祈りをささげても、苦難を見ているはずの神は沈黙したまま。
    沈黙している理由とは…。
    それを目の当たりしたロドリゴの信仰心が揺らぎ始める。
    その葛藤を通じて、神と信仰そのものを問う。
    神と信仰のかたちは各国で違い、または変化をし、それぞれ個人の中でまた変化する。

  • いつかまた読みたい。

  • 10年ぶり位の再読になる沈黙(遠藤周作)がほぼ読み終わり。読んでて辛いが、納得感のある構成だったように思えた。キリスト教圏での評価と宗教の布教にあたっての困難に関する史実に興味が湧いた。

  • キリシタン禁制の時代の日本に潜入した司教たちが、捕らえられ殉教・棄教にいたる話。
    日本人による拷問が恐ろしいが、それ以上になぜここまで信仰に拘るのか、その信心深さも恐ろしかった。
    そしてそこまで基督を信じる人が「なぜ神は沈黙しているのか」「神は本当はいないのではないか」という疑問を持つことは、私など想像できないほどの苦しみなんだろう。
    芯から理解できないのが寂しい気もする。

    小説としては意外にも読みやすく、ドラマチック(不謹慎なのかな)だった。最後の役人日記は難しくて何となくしかわからなかった。

  • 島原の乱以降、キリシタン迫害が厳しい日本に潜入した司教ロドリゴ。自分が棄教しない限り日本人の信徒達が拷問にかけられ死んで行く。いくら神に祈っても神は「沈黙」したまま。信仰とは、神とは、救いとは何か。拷問に苦しむ農民を助ける為に踏絵をし、背教したロドリゴの行為は罪になるのだろうか?救った命が確かにそこにある。それこそが「救い」ではないのだろうか?宗教観や時代は違えど、私なりに感じたのは、神とは自分の中にあるのではないかという事でした。

  • 遠藤周作のキリスト教もの作品で、最も有名な1冊。逆に、宗教や歴史小説が嫌いな人には鬼門でもある。

    かくいうワタクシも、歴史小説やチャンバラものがあんまり得意でないのだが、遠藤周作の妥協のない作風に、どんどん引き込まれていった。

    途中にも最終的にも、誰も救われることのないストーリーで、こういうところに反体制だの反差別の人たちが共鳴するのかもしれないが、そういう読み方をしなくても良いのではないか。

    穿った読み方をすると、「海と毒薬」もそうだったが、読みようによってはいくらでも自虐が出来るストーリーであり、その辺こそがウケるのであろうとも思える。いずれの作品も名作ではあるが、高校を卒業するくらいまでは読む必要はない。分別がつく年代以降には、間違いなく一読されるようおすすめしたい。

    個人的にはやっぱり「海と毒薬」だけどね…。

  • 江戸時代、幕府がキリスト教徒に対して棄教をさせようと、積極的に推進していく中。
    布教の為にやってきたポルトガルの宣教師達の話。

    自分たちや、先輩達が布教したキリスト教を信じる
    罪もない、日本人の信者達が目の前で
    とても残酷な手法で処刑される。
    それを見せられ、彼らは棄教を迫られる。

    信仰とは?神様とは?
    いくつか遠藤周作の著書を読んみたが、彼のもっているキリスト像が色濃く表現されいると思った。

    主人公は、こんなにひどい事が起こっているのに、なぜ神は沈黙されるのか?と訴えます。
    しかし、最後には、神は沈黙されていたのではない。
    一人ひとりの苦難と共に寄り添い、一緒に苦しみを受け、共に歩まれていたのだという解釈。

    この小説をよみながら、ノーベル平和賞をとった
    エリ・ヴィーゼル筆の「夜」にでてくる
    かの有名な処刑台の場面を思い出しました。

    棄教しなければならない神父の苦悩をも受け入れる神。
    苦難の中に神を見出す信仰が印象的でした。

  • 初めての遠藤周作。前半は司祭の目を通して語られて、後半になると三人称になる。視点の移動が物語の世界に厚みを持たせて存在感が半端ない。緊迫した展開の中で、神の存在への問い、殉教と棄教、西洋と日本との思想の断絶を鮮やかに描いている。
    読んでいる間、まるで身の周りの空気が質量と粘り気をもったかのように重苦しさを感じ続けました。傑作です。

  • 描きこみ方がすばらしい。僕はロドリゴを棄教させるに至った一番の要因は、神に対する理解を自己流に築き上げてしまったことだと思う。皮肉なことに、この理解の仕方はフェレイラが指摘し、ロドリゴが否定した日本とローマカトリックの教える神の概念の絶望的なまでの違いと同じだった。
    「日本人は人間とは全く隔絶した神を考える能力をもっていない。日本人は人間を超えた存在を考える力も持っていない」
    「日本人は人間を美化したり拡張したものを神とよぶ。人間と同じ存在をもつものを神とよぶ。だがそれは教会の神ではない。」

    ロドリゴは話の中で何度も神はなぜ沈黙し続けるのかを問うているが、超越的な神が沈黙を続けるのは当たり前なのである。なぜなら神は人間から隔絶した存在だから本来人間に対して語るべき言葉を持たない。仮に神が人間に何かを語りかけたとしても人間は理解できない。逆もまたしかりだ。そうでなかったら神を言葉を授かった人々=預言者たちは何ら特別な人ではなくなってしまう。神の沈黙とはあくまで人間側からの解釈なのである。同様の理由で神の顔を見ることもできない。人間は所詮人間の想像力が及ぶ範囲で顔を思い浮かべるだけなのだ。しかしロドリゴは「神の顔」を見てしまった。そして「神の言葉」を聞いてしまった。そしてそれは彼らが布教してきた神ではなかった。その瞬間、ロドリゴは自家撞着に陥り、彼が踏み絵を拒む理由は消滅したのだ。

  • 17世紀のキリシタン弾圧が広がる中、日本に布教をしようとポルトガルから密入国した司祭の艱難を描いた一冊だ。
    有名な作品だけれど今まで手に取ったことがなく、読み始めるまで外国人が主人公ということも知らなかった。
    淡々と語り進められるだけに、当時の異常な状況がひたひたと迫ってきて恐ろしい。
    海に十字を穿たれて磔にされ、満潮時にあごの下すれすれまで海面が来る拷問を受けて殉教する者。
    穴の中に逆さ吊りにされて血を流しながら棄教を迫られる者。
    平和な時代であればただ信心を持ち暮らせたのに、迫害されるために何度も転ぶ者。
    史実、ということに、単純だけれどぞっとする。
    それほどの迫害を受けても、神は沈黙をしている。本当に神はいるのか。
    信仰とは何か、もっと単純に言うと、何かをただひたすら信じることってどういうことなのか、について考えさせられる。

  • 面白かった。凄惨な日本の状況と、それに立ち向かうキリスト教宣教師。おそらく、一生のうちに何度もぶち当たる悩みなのだと思う。ロドリゴが可哀想なのはそこで間違えても、彼の場合はやり直すことができないということ。その後、彼はなんの救いもなく死んでいった。死ぬまで悩み続けなくてはいけないのだろう。最後に聞いたキリストの声は本物だったのか。

  • キリシタン禁制の日本に潜入したポルトガル司祭ロドリゴの受難物語、とでも言おうか。拷問を受ける日本人使徒や背教した同僚の姿、自分の酷な状況から何故神は沈黙されているのかと苦悩していく。日本にキリスト教思想は根付かないのか。信仰の在り方やそれによって導かれる不幸をどう考えるか。普遍的な問題は勿論、作者自身の課題も透けて見える。ドラマティックに描かれている為、凄惨な内容ではあるが面白いと感じるはず。一読の価値有り。

  • 今更読んだと言えないぐらい、夏休みの課題本とかになりそうな名作ですが機会があり読んでみました。面白かったです。
    キリシタン禁制の日本に、ポルトガル司祭の2人が潜入して布教をしようとするも捕まり…という話です。
    物語の最初は司祭が日本に行く経緯、その後は司祭の手紙形式になり、捕まってからは3人称になり、司祭がどうなったかは文献の体裁で語られる構成もいいですし、登場人物もキリストの殉教に当てはめたのか、ユダっぽい(人間くさいともいう)キチジローや、悪役、井上筑後守もただの悪役ではなく頭もよく理論武装してるのが深みがあります。
    テーマは棄教とか神の存在とか、難しいものですが、この小説はエンタメとしても十分に面白い作品になってるのが素晴らしいです。
    wikiによるとグレアムグリーンが絶賛したそうですが、ある意味スパイ潜入物みたいな感じもします。キリスト教だとちょっとピンとこないかもしれませんが、生きて行くために信じていること(民主主義とか)が覆され、それでも生きて行く人間の弱さや思想という概念に振り回される人間の姿を描いた作品だと思えば、どこか共感できるのではないでしょうか。

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