空の怪物アグイー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101126074

感想・レビュー・書評

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  • なかなか難解ではある。
    最後の解説を読んで何となーくテーマが明らかになる。

    人間の恒常的な状態は恐怖である。
    現代人間の欠落した内面は、恐怖という非存在によって埋められる。→恐怖の発見と、その恐怖からの逃亡の拒否(という矛盾)によって人間は成立する。


    「恐怖の前での自己欺瞞」
    が全体のテーマとして描かれているらしい。

  • ユニーク

  • 大江健三郎はどうやら合わないのか、なんら感動というものは得られなかった。印象に残ったのは本のタイトルにもなっている「空の怪物アグイー」。
    最後の方で、子どもに石を投げられて目に当たるという場面がある。その子どもたちは何を思ったのか、そしてアグイーを思った主人公はどうも落ち着いていて、腑に落ちなかった記憶があった。

  • 081226(n 090118)

  • 長編で使われたモチーフが色濃く出ている、短編集と言うよりは、まさに長編の副産物と言っても良いと思う。しかし大江健三郎が書くと、副産物であれ非常に密度の濃い内容に仕上がってしまう。個人的には表題の作品以外にも「アトミックエイジの守護神」が良かった。

  • 大江健三郎っぽくない短編がいくつかあって新鮮な気持ちで読みました。敬老週間とか、ちょっと星新一っぽくないですか?

  • 1962年から64年の間に書かれた短編集。<収録作品>
    不満足
    スパルタ教育
    敬老週間
    アトミック・エイジの守護神
    空の怪物アグイー
    ブラジル風のポルトガル語
    犬の世界

  • 『個人的体験』と同時期に読むことをオススメします。
    『個人的体験』と同時期にかかれ、全く逆の「答え」を与えているからです。(表題作)

著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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