見るまえに跳べ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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本棚登録 : 750
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101126081

感想・レビュー・書評

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  • とても良かった。現実離れした内容かと思えば、その表現の仕方は嫌になる程リアルで生々しく、自分が体験したかのような錯覚に陥るとともに、自分が過去に経験した事と結びつき、その時の光景や匂いと共に滑らかな読後感を与えてくれました。

  • 大江健三郎さんの作品は亡くなってから、読み始めたくちだけど、もっと若いうちに読んどきたかったなと思う。
    難しいイメージだけど良く噛み砕いて読めば、ユーモアや皮肉を込めたメッセージ性のある大衆的な作家だと思った。性的な話も文学的になってしまうから凄い。10編の短編集。面白い。自分的には最後の話が一番好き。

    • ロカさん
      お返事ありがとうございます。
      『万延元年のフットボール』はいいですよ。やはり代表作ですね(^^)

      ゆっくり大江さんの作品を楽しんで下さいね...
      お返事ありがとうございます。
      『万延元年のフットボール』はいいですよ。やはり代表作ですね(^^)

      ゆっくり大江さんの作品を楽しんで下さいね。
      (同志が増えてうれしいです♪)
      2023/07/19
    • マサさん
      ありがとうございます。
      古本屋で大江健三選短篇を古本屋で手に入れました。
      楽しみでしょうがないです
      ありがとうございます。
      古本屋で大江健三選短篇を古本屋で手に入れました。
      楽しみでしょうがないです
      2023/07/19
    • ロカさん
      楽しい時間を過ごしてくださいね。
      楽しい時間を過ごしてくださいね。
      2023/07/19
  • まず驚いたのが大江健三郎が20代前半の時に書いた作品が多かったこと。
    難しかったし、これだけの物を書いていたのに驚異的なものを感じた。
    主に青年だけど女性も色んな性質の人が出てきたのが強く印象に残っている。
    殆どの人たちは倒錯した性生活と自己欺瞞に苦しみ、苦い生活を送っている。
    人間性、人間とはという所を鋭利な目で見つめて抉るように表現されている。
    これが20代前半!?
    凄すぎる。
    難しかったのでなんとも言い難いけど、とても良い本だと思う。

  • 前に読んだ「死者の奢り・飼育」は主に監禁状態を主題とする作品群だったが、今回は政治的人間と性的人間を主題とした作品群だった。
    大江さんの初期作品の新潮文庫版は主題で分けられているので、1冊の本として読みやすかった。
    三島、川端、大江という戦後の文豪の素晴らしい作品を今後も折に触れて読んでいきたい。

  • 大江健三郎の中でも若い頃の小説だけあって、負のエネルギーに満ち満ちた暗い話だった。

    若者が特有の陰鬱さを帯びながら生活していくというのは多くの小説で味わうことができるが、その、具合が凄まじくキツい。それでいながらとても読みやすく自分にもネットリとしたサムシングがまとわりつくような小説だった。

    Look if you like, but you will have to leap.

    という言葉を外人との対比の中で、不幸に陥りながらも抵抗するだけの気力とエネルギーを失った主人公や日本人に向けて使われても、それでも何もできない虚無感は僕にも伝染した。

  • この作品集中に頻出するイメージ、徒労感、屈服感、行動に対する焦燥のようなものは、やはり時代精神を書き取ったものなのだと、あらためて思う。

    今読むと(現在にそんなものがあるか怪しいが)時代精神は大きく異なるため、奇異な感触を受ける。であるが青年期特有の焦燥や徒労感に対する敏感さが特異的に強調された、イカレた物語として、十二分に命脈を保っている。いわゆる「一周回って」あたらしい、というべき世界。

    世代が大きく違えども、現役作家である大江健三郎と、同じ時代を生きる読者としては、上記のイメージが、再生につながっていき、Rejoyce!に至る道筋に興味を持たざるを得ない。

  • 「動物倉庫」
    事務員
    倉庫番
    サーカスの男

  • <収録作品>
    奇妙な仕事(昭和32年5月「東京大学新聞」)
    動物倉庫(昭和32年12月「文学界」)
    運搬(昭和33年2月「別冊文芸春秋」)
    鳩(昭和33年3月「文学界」)
    見るまえに跳べ(昭和33年6月「文学界」)
    鳥(昭和33年8月「別冊文芸春秋」)
    ここより他の場所(昭和34年7月「中央公論」)
    上機嫌(昭和34年11月「新潮」)
    後退青年研究所(昭和35年3月「群像」)
    下降生活者(昭和35年11月「群像」)

  • ダッタ、ダーヤヅヴァム、ダムヤーク、与えよ、共感せよ、自制せよ

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著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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