同時代ゲーム (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101126142

感想・レビュー・書評

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  • M/Tと森のフシギの物語はこの作品の後に続くものらしい。

    長く、退屈な作品だった。
    「森のフシギ」のようには入り込めなかった感あり。
    でも味わいはなんとなくあるにはある。
    結局視点は主人公から変わらず、書簡形式によって若干他者を匂わせるが、その相手も一度も登場しない。
    結局この主人公が想像しているだけのことなのかと思うと、著者は想像している主人公を想像していることになる面白みはあるんじゃないか。

    それぞれ違う時代の出来事を絵巻物のように一つの時間に閉じ込めるという小説の機能を利用して、後世にも冷凍保存しようとしたのではないかとと思う。

    オシコメ、シリメ、フシギなど大江作品頻出キャラが勢揃い感がある。

  • 四国の山奥に開拓された村=国家=小宇宙で語り手とその家族は平穏に暮らしていたが、大日本帝国の租税や徴兵から逃れるため一つの戸籍に二人の人間をおしこめるという「二重戸籍」の仕組みが暴露され、大日本帝国は軍隊を派兵し抹殺を試みる。村で人々はどういう暮らしをしていたのか、大日本帝国を相手にどうやって戦いを挑んだのか、そして語り手の家族が村から離れてどういう生活を送っていたのかが、自殺した妹に対する手紙という形式で綴られている。かなりの長編で読みづらかった。

  • 伊坂先生の『夜の国のクーパー』のあとがきで触れられていたので読んでみました。

    どうしても主人公や登場する人物全てに共感ができず、理解もできません。
    どちらかと言うと気味の悪さを感じてしまい、生理的に受付けませんでした。
    伝承の物語以前に人間関係の異常性がひっかかってしまい
    世界観にとても入っていけなかったです。
    私には合わない本でした。

  • 浦野所有。

    途中、2カ月の長期中断を含め、何度も中断と再開をくり返し、5か月かかってようやく読了しました。

    「やっと読み終わったぞ」という達成感はあるのですが、果たして何を主張したかったのか、よくわからん…。

著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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