文士の友情: 吉行淳之介の事など (新潮文庫 や 6-12)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101130132

作品紹介・あらすじ

「戦後派」の先輩や「第三の新人」と呼ばれた盟友たちが次々鬼籍に入っていく。梅崎春生のイタズラ宣言、楽天妄想癖の吉行淳之介とのおかしな発言、遠藤周作との受洗をめぐる信仰上の絆、島尾敏雄夫妻見舞いの忘れ得ぬ一コマ、そして小林秀雄との火花散る文学談義。珠玉のエッセイ、対談、鼎談を集めて、往時のユーモラスで、滋味あふれる文士たちとの交友を浮かび上がらせた一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 2019年3月16日、読み始め。
    第三の新人という用語が出てきたので、確認しておく。

    ウィキペディアによると、

    日本において1953年(昭和28年)から1955年(昭和30年)頃にかけて文壇に登場した新人小説家を、第一次戦後派作家・第二次戦後派作家に続く世代として評論家の山本健吉が命名したもの。安岡章太郎・吉行淳之介・遠藤周作などを代表的な作家とし、第一次・第二次戦後派が本格的なヨーロッパ風の長編小説を指向したのに対し、戦前の日本において主流であった私小説・短編小説への回帰をはかった点が特色とされる。

    安岡章太郎(1920~2013)
    吉行淳之介(1924~1994)
    遠藤周作(1923~1996)

    2019年3月30日、35頁まで読んで、返却。

  • 明治~昭和期の文士の生活に興味があって読む。時代的に仕方ないんだけど病気の話題が半分くらいを占めていて、想像しすぎてしまう私は結構キツくて斜め読みしてしまった。意外なところでつまづいた。

  • いわゆるいわゆる“第三の新人”の一人、安岡章太郎のエッセイや、講演会や、座談会、といったものをまとめた1冊。

    中でも親交の深かった、吉行淳之介氏との若かりし日のことや、吉行氏の作品の評価など、興味深い。

    また、洗礼を受けたいきさつ、遠藤周作との話もいい。

    吉行氏、遠藤氏、安岡氏、いずれも大病を患い、一番長生きしたのが、安岡氏だった。(2013年没)
    よって、“第三の新人”にまつわるエピソードを読むことができることはありがたい。

    今は存在しているかどうかわからないが、各エッセイにみられる「文壇」が生きていた時代を感じさせる。

    繰り返しになるが、個人的には、吉行淳之介との親交が篤いことがわかる文章がよい。(いずれも好きな作家なので)

    そして、安岡章太郎氏と小林秀雄氏の対談、安岡章太郎氏・遠藤周作氏・小川国夫氏の“第三の新人”による鼎談(座談会)も贅沢な内容で読み応えがあった。

    後者では、島尾敏雄氏の作品評や、彼にまつわるエピソードも盛りだくさんで読み応えがあった。


    この本を読んで、また、彼らの作品を読み返したくなった。


    まさに、「文士の友情」がつまった一冊である。

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著者プロフィール

安岡章太郎

一九二〇(大正九)年、高知市生まれ。慶應義塾大学在学中に入営、結核を患う。五三年「陰気な愉しみ」「悪い仲間」で芥川賞受賞。吉行淳之介、遠藤周作らとともに「第三の新人」と目された。六〇年『海辺の光景』で芸術選奨文部大臣賞・野間文芸賞、八二年『流離譚』で日本文学大賞、九一年「伯父の墓地」で川端康成文学賞を受賞。二〇一三(平成二十五)年没。

「2020年 『利根川・隅田川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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