どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)

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著者 : 北杜夫
  • 新潮社 (2000年9月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101131528

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どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 読みやすくおもしろかった。ときどき笑いだしそうになったし、現代のへたな「笑える」エッセイよりおもしろいかもと思ったり。文章がすごく好き。軽妙で、ときにスマートに自虐的だけど、芯に熱く真剣なものがあるような。
    松本の旧制高校での生活。松本に行ってアルプスの山々を見てみたくなった。
    先生とのあれこれや、試験の話とかが特に好きだった。
    「航海記」も読みたくなりました。とまらないー。

  • (図書館蔵書なし)

     この本は北杜夫の旧制高校から大学までの青春時代の回想記ですが、彼のトーマス・マンへの心酔ぶりにはあらためて驚かされます。『楡家の人びと』がマンの『ブッデンブローク家の人々』を下敷きにしたことは、すでによく知られています。さらに、『どくとるマンボウ航海記』は医者でもあった自身の船医としての渡航体験を書いたものですが、そこにもマンの生地リューベック訪問談がありますし、小説『木精』でも主人公にこの町へ文学巡礼させているのです。
     この本でもマンとの「出会い」を語り、「漠とした憧憬。これこそ物事の始まりではないか」と述べています。青春とはこうした人生の指針となる人や本との出会いの時なのかもしれません。青春時代におけるあこがれや出会いがいかに大きな意味を持つか、私も今さらながら実感しています。青春まっただ中にいる学生の皆さんに一読をすすめたい本です。(yori)

  •  辻邦生について調べていて、この本にぶつかった。辻邦生と北杜夫が旧制松本高校の先輩後輩だというのは知っていたが、作品中に登場しているのは知らなかった。そう言えば、中学時代に北杜夫は結構読んだのだが、この本は読んでいなかった。
     太平洋戦争末期の東京から始まり、壮絶な話もあるが、基本的には北杜夫のエッセイらしい馬鹿話・ヨタ話が中心である。彼のエッセイを読むと必ず感じるのは、自分のことを笑い飛ばす精神だ。したたかさとも言えるが、そのおかげで深刻な話も気楽に読める。
     タイトルに「青春記」とある通り、北杜夫の青春時代、旧制高校時代から大学時代のエピソードが中心になっている。読んでいて、何だかとても懐かしかった。当然ながら私が行ったのは新制の高校・大学だけれど、雰囲気が似ているのだ。もちろん作中に描かれる旧制松本高校のように過激ではなかったけれど、本当に似ている。私が卒業した高校は、県下の公立高校普通科では一・二を争う問題校で、日々何かが起こっていた。けれど、教員と生徒は基本的には仲が良くて、今思えば一緒に問題を起こしてたような気がする。教育委員会ににらまれた教員は、私の高校に飛ばされるって話もあったくらいで、現在だったら新聞沙汰になるようなことも多かった。けれど、本当に、私たちは毎日精一杯生きていたし、精一杯バカをやったし、精一杯後で思えば恥ずかしいようなことをやった。それが、北杜夫の描く旧制松本高校に、驚くほどよく似ている。
     もしかしたら、似ているのは私の高校と旧制松本高校ではなくて、ある程度の年齢になってから振り返る「青春時代」というものかも知れない。人みな青春時代があって、それに対する思いはそれぞれだろうけれど、何か共通する部分もある。その共通部分を思い出させるのが、この本かも知れない。上記のように、基本的には馬鹿話で、笑いながら読めるけれど、読後感はしみじみとしている。それは、読者の心の中の青春時代の印象なのかも知れない。

  • 北杜夫さんが亡くなった.「楡家の人びと」を読んで以来,また彼の本を読み始めていたので寂しい.
    この本は旧制松本高校から東北大学時代の回想のエッセー.旧制高校での生活を描いた本の中でも最もすばらしいものに入るのではないか.バカバカしいこともたくさん出てくるが,それとともに親友の辻邦生さんや望月市恵先生との出会いも語られる.そして文学に目覚め,真剣に取り組む様子などまさに「青春記」にふさわしい.
    現在,旧制松本高校の校舎は旧制高校の博物館みたいになっていて,北杜夫さんの高校時代の物理の迷答案や,昆虫学者になりたいのを父茂吉に反対されてすねて作ったような短歌の色紙などもおいてある.この夏に見たばかりで印象も強いうちにこの訃報にあった.ご冥福をお祈りします.
    本の中でまたお会いしましょう.

  • 斉藤孝『読書力』にあったオススメの書。必ず読もうと思う。

  • 医学としては、「自殺を口にする人は自殺しい」とか「人間以外の動物は自殺しない」とか「帯状疱疹は数日で治る」とか時代遅れの言説も見られるが、ひとりの男の青春物語としてはこれほどユーモアのあるものも他にないであろう。これだけ勉強を放擲した学生生活というものもありえないものだろうが、それでも旧制高校卒、東北大医学部という超高学歴である。ドストエフスキーもシェイクスピアも全部読んだという。それにしても読みながら笑いがこらえられなかった。素晴らしい。

  • 正直に言おう、

    よくわからなかった。

  • 何度も読み返した記憶があります。

  • 自分の高校時代を思い出した。
    ゴンズク、だしてたなぁ。

  • 北杜夫という人物のルーツを垣間見る。
    旧制松本高校時代、寮生活。東北大学医学部、下宿生活。主にその2つの時代を回顧して書かれた日記。

    40歳間近の著者は、ただ昔を懐かしんでいるわけではない。嵐のように駆け抜けた10代20代の記録は戦中戦後の激動の時代を反映して活力、雄々しさを感じさせる。

    父、斎藤茂吉を父に持ち”おっかない父”に医学に進めと強制されながら、文学への憧れを捨てず、詩や短歌、小説を書きつづける。
    大学を卒業くらいになると内省はどんどん進み、当時の文学と相まって死をも思うようになる。

    そんな北氏だからこそ、生きる事についてや、愛という言葉が重いのだ。

    これは高校時代から書いていた日記を読み返し、それをもとに書かれた青春記。
    青春とは生きた時代によって内容がガラリと変わってしまうのだと思うと共に、これだけの日記が残せた著者は客観的、内省的な目を持っていて天性の作家なのだと思った。
    (天性の精神科医でもあったらしい)

  • 「自己を高めてくれるものはあくまでも能動的な愛だけである。」


    俵万智の解説にもあるように、北杜夫のユーモアとシリアスな二面性が刺さってくる。

  • 爆笑必至。愛すべき北さんの学生時代。

  • 依岡隆児先生(総合科学部国際文化コース)ご推薦

    北杜夫は私の青春でした。『船乗りクプクプの冒険』では大いに笑い、『夜と霧の隅で』ではナチスの精神障害者絶滅計画に底知れぬ恐ろしさを味わった。そしてトーマス・マンという作家の存在を教え、ドイツ文学へ手引きしてくれました。
    この本は北杜夫の旧制高校から大学までの青春時代の回想記ですが、彼のトーマス・マンへの心酔ぶりにはあらためて驚かされます。『楡家の人びと』がマンの『ブッデンブローク家の人々』を下敷きにしたことは、すでによく知られています。さらに、『どくとるマンボウ航海記』は医者でもあった自身の船医としての渡航体験を書いたものですが、そこにもマンの生地リューベック訪問談がありますし、小説『木精』でも主人公にこの町へ文学巡礼させているのです。
    この本でもマンとの「出会い」を語り、「漠とした憧憬。これこそ物事の始まりではないか」と述べています。青春とはこうした人生の指針となる人や本との出会いの時なのかもしれません。青春時代におけるあこがれや出会いがいかに大きな意味を持つか、私も今さらながら実感しています。青春まっただ中にいる学生の皆さんに一読をすすめたい本です。

  • なぜにこうも克明に青春時代を記憶しているのかと驚きながら読み進めてみると、氏はキッチリと日記をつけていたのだそうな。自分はもちろん日記など書いてもいなしし書いたとしても読み返したいとも思わない。
    氏のような文豪こそ値があるであろうと羨ましく読ませていただく。
    自堕落な生活が多く描かれているが、本当のところはきっと信念に基づく勉学と快活な生活も営まれていたとであろうと想像する。
    と、このような読書感想文を自分が後世に読み返すとどんな感覚になるのかすこしだけ興味を覚える。

  • 割と面白い。文章がうまい中にユーモアがあると思う。航海記も読んで見たくなった。
    5月26日読了!

  • 面白かった!まだ戦争の暗雲が漂う学生時代をなんとハチャメチャに青春を謳歌したのやら。根底には青春期の苦悩が秘められている。クスクス笑いながらもほろ苦く何度も目頭が熱くなった。生徒の無軌道ぶりを嗜めながらも温かく見守る先生陣が素晴らしい。生徒を押さえつけるだけの今の教育制度では考えられない。生徒らもしっかりと進むべき道を自分の頭で考え見出していく。悩んで考えて学んでなおも抑えきれないパトスが『幽霊』という名作を生み出した。その黎明期であることをふまえると、なおさら目頭がじーんとしてきちゃう。青春っていいね。

  • 「動物のお医者さん」にはまっている中2のAdさんは試験の答案に”カレーライスの作り方”を書くH大学の学生の話がお気に入り。”こんなこと本当にあるの!?””まあ、旧帝大系には昔からよくある話だ””先生もカレーライスの作り方を書いたの?””いや私はマカロニグラタンが得意だった””グラタン!””意外に安いんで一晩に何皿も焼いて友達に売ったことあるな””お金取るんですか!?””当然!””いーなー、こんな大学行ってみたい!”。そういえば私も中学生の時にこれを読んで旧制高校生の青春に憧れて大学に行きたくなったもんだ。

  • 1968年(昭和43年)第1位
    請求記号:910.2キ 資料番号:010662070

  • 北杜夫氏の、バンカラな高校時代の思い出をメインに綴った青春記。

    戦前、戦後に濃くあった学生気質みたいなもの(イメージで言うと、みんなで肩組んで放歌する「コクリコ坂から」のアレ)がよく出ている。僕自身も、住んでいたわけではないが、自治寮の現存する旧帝大を出てるので、雰囲気はなんとなくわかる。しかし、こういうのは「失われたもの」として見るから笑えるのであって、現存してると、やはり手放しでほめるものではないかなとも思う。

    「すごい面白い」という書評をネット上で見たので、期待して読んだのだけど、そこまでではなかったかな、という印象。

  • やはりこの人は普通ではない。

  • 軽妙洒脱。楽しく読めて、なおかつ深い。

  • 作者がこれを書いたのが40歳の頃だと知って、40歳の目前にトライした。
    なかなか爽快でメチャクチャ。
    解説も作者の良い理解者、俵万智さんによるものでとても良い。
    解説にもあるように、今の日本に足りない若者のエネルギー、エネルギーを爆発させようとする若者をどっしり構えて見守る大人がいない社会が浮き彫りにされている。
    他の作品もぜひ読んでみたい。

  • かなり長時間かけて読みました。
    戦前、戦中、戦後という激動の時代を駆け抜けた北先生や同じ松校の学生たちが過ごした青春時代。読んでいて心から羨ましくなりました。昔の学生は娯楽が少ない割には何か見つけて楽しんだり、のんびりしてたんですね。学業に励むだけが勉強じゃないんだとつくづく思いました。最後の方はもう爆笑しっぱなし。
    「自殺するなら30歳まで生きてみろ」という言葉が重く響きました。

  • 著者自身の、主に学生時代について語った、青春期。
    時代が出てて新鮮だっだし、語り口調が面白い。
    著者の当時の心情(すごい詳しく書いてある)に、共感したり、反発したりしながら読んだ。当時は青春という言葉を使う気がしなく、痛切な追憶のぎっしりつまった何ものか、という感じであった―という一文が印象的。自分は将来、今をどう思い返すんだろうなあとか思ったり。

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どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)の作品紹介

18歳のマンボウ氏は、バンカラとカンゲキの旧制高校生活で何を考えたか-。個性的な教師たちと大胆不敵な生徒たちが生み出す、独特の元気と喧騒に身をまかせながら、ひそかに文学への夢を紡いでいったかけがえのない日々は、時を経てなお輝き続ける。爆笑を呼ぶユーモア、心にしみいる抒情、当時の日記や詩を公開、若き日のマンボウ氏がいっぱいにつまった、永遠の青春の記録。

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