クラウゼヴィッツの暗号文 (新潮文庫 ひ 9-4)

著者 :
  • 新潮社
3.46
  • (7)
  • (4)
  • (14)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 102
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101132341

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 広瀬隆を読み始めるならここから始めてほしい一品。予備校の先生から進められたのは15年前ですが、世界の情勢は何も変っていません。この本が予言したとおり。
    <br>
    クラウゼビッツの戦争論という、戦争の教科書のような本があり、大きな戦争があるたびに引き合いに出されるのですが、それが、いかにいい加減な代物かこき下ろした本です。個人の浅はかの欲求をさも普遍性のあることのように摩り替えているだけ。しかも、近代の残虐な戦闘の原因がおそらくここにある。<br>
    <br>
    後の赤い盾で結実する、資料を紐解きながら丹念に証明していく姿は、好感がもてます。たまにスットンキョウなこと言ってますがご愛嬌。<br>
    <br>
    模倣子という概念があって、情報自体に自己複製能力・生殖能力があり増殖していく。生物ではないですが生命だと。戦争論がウイルスのように蔓延していく過程を見るとあながち嘘とも思えません。<br>
    <br>
    西洋の論理の世界の嘘ッパチさをあつかっているという意味では例の"国家の品格"と似通ったところもあります。でもこちらのほうが数段上。天下国家を語るならここまではしてほしい。経済学の世界なんかこのテの嘘&誇大&すりかえにミチミチなハズ。<br>


著者プロフィール

京都府生まれ。1986年、京都府立大学文学部卒業。
1991年、大阪市立大学大学院臨床心理学分野後期博士課程(単位取得退学)。2006年、ISAP (International School of Analytical Psychology), Zurich修了、ユング派分析家。
現在、帝塚山学院大学人間科学部心理学科教授、北大阪こころのスペース代表、臨床心理士、公認心理師。

共著書に『キーワードコレクション カウンセリング心理学』、『現代社会と臨床心理学』、『心理療法ハンドブック』、『心理臨床大事典』ほか。共訳書に『ユングの世界』。

「2021年 『セラピーと心の変化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

広瀬隆の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
三島由紀夫
フランツ・カフカ
ジャレド・ダイア...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×