官僚たちの夏 (新潮文庫)

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著者 : 城山三郎
  • 新潮社 (1980年11月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101133119

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官僚たちの夏 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「官僚」というと、『縦割り行政』とか『天下り』などといった
    マイナスイメージしか浮かばない昨今ではあります。

    日本の今と将来のことなんか、まったく考えてないでしょ。
    一般的国民の生活のことなんかわかってないでしょ。
    と、思っちゃうようなニュースばかりが流れてきます。

    でももしかしたらそれはほんの一部のことで、
    ニュースとして扱われないところで、
    本当は私たち一般国民のためになることをやってくれているのかもしれない。

    と、思い直させてくれたのでした。
    (というか、そうであってほしい)

  • そこ「まだ読んでなかったの?」って言わない(笑)
    役人にとって人事はホンマに一大関心事なんですよね。
    何と言っても人生が決まるので。

    主人公の風越は通産省の人事を握ってオモロイ仕事ができるように仕掛けていきます。
    確かに人事を握れば好きな布陣が組めます。
    でも国は人の入れ替えがない前提ですが役所はそうはいかないですからσ^_^;

    今で言う経済産業省にあたるところですね。
    やっぱり経済に活気がないと国が盛り上がりません。
    高度成長期の時代背景がそうさせるのでしょうが今見ると羨ましい世界ですね。

    ただラストはなにか自分を否定されたようで寂しかったです。
    僕はどちらかというと「無定量 無際限」に働くという方にシンパシーを感じるのでラストで仕事は才能でこなしてワークライフバランスを重視する天才が出世して終わるところは僕にとって努力を否定されたようでバッドエンディングでしたσ^_^;

    人それぞれ感じ方はあると思いますが公務員ならそれぞれ何か感じるところがある本やと思います。

  • 嫁の実家でひたすら読んだ。
    お堅い官僚の世界も、案外人間臭い人達の集まりなのだと認識を新たにする。3〜4年前にドラマ化されているが、個人的にはあまり先の展開を知りたくなるような作品ではない。

  • 最後の救いのないラストに余韻が残ります。懸命に官僚人生を走ってきた風越が新聞記者に諭されるシーンは人生の難しさを感じさせます。

  • 官僚達の熱い想い、仕事への情熱が伝わってくる。それと共に、省内の構想や政治とのやりとりもリアル。

  • 官僚たちの夏 城山三郎

    時代は60年代。主人公の風越信吾は、通産省のキャリア。ゆくは次官として期待され、「ミスター通産省」と呼ばれている。風越の趣味と言えば人事。通産省のキャリアたちの名前をカードに書き、カードを動かすことで人事をいつも考えている。

    この小説の焦点は2つある。

    ひとつは「指定産業振興法」の法案を国会で通すこと。60年代はまだ自分が産まれていなかったので、どんな時代なのかわからない。小説で説明されているのは、通産省が国内の産業を保護しているので、国外から国内市場の自由化を迫られているというものだ。この時代から既に自由競争を国外から迫られていたということだ。現在ではグローバリズムのもとに生き残っている産業、死んでしまった産業は様々だ。ここからグローバリズムが始まっていたかと思うと驚きであった。

    結局、法案は通らなかったのであるが、通産省の勢い、熱気を感じる。いわゆるこの時代は男気を感じるのだ。仕事にすべての人生を掲げる。仕事ができるのが男の証。そこにダンディズムを感じる。今の日本では感じることができない上昇気流というものを感じることができる。

    そして、もうひとつは風越の人事、仕事観、上司としての部下の接し方である。それも、現在ではパワハラとしてとられる行動も含まれている。でも、この時代はそれがダンディズムだった。

    風越の仕事観はこうだ。

    「おれは、余力を温存しておくような生き方は、好まん。男はいつでも、仕事に全力を出して生きるべきなんだ」

    この反対の価値観を持つのが、エリートの片山だ。片山は仕事もそこそこに、テニスもサッカーもゴルフもヨットもこなす。それでいて仕事に手を抜いているわけではない。仕事も遊びもそつなくこなす。

    そして、話の最後に風越の目をかけていた部下が死んだり、病院に入院してしまう。今で言えば過労死、労災と言われてもおかしくないものだ。

    風腰は、最後に新聞記者に窘められる。

    「ケガを突っ走るような世の中は、もうそろそろ終わりや。通産省そのものがそんなこと許されなくなっている。・・・」

    最後に風越の時代は終わった。正確には、ダンディズムという価値観は終わったのだ。
    寂しいようで、次の時代の到来を予感させることで話は終わる。

    ちなみに、最近は太陽にほえろや西部警察のような男に人気があるドラマは製作されなくなってきた。そのわけは、男の消費が冷え込んでいるから、男が好きな商品を持つ会社のスポンサーがどんどんいなくなっているわけだ。だから今は女の人に好まれるCMばかりが目につく。

    時代の変遷を感じる小説であるが、日本の仕事感としてのパッションを感じる。今で言えば暑苦しいととらえられるのであろうか。


  • ドラマに先駆けて読む。
    主人公にクセが強く、あんまり感情移入できず。
    ピリリよりもズシリ

  • 昭和の男たちの花ざかり、そして挫折を描いたストーリー。
    あまりにまっすぐすぎて、不器用すぎる風越に、物語の進行とともに不穏な空気を感じるが、その悪い予感は的中する。結局、片山のような新しい働き方をする人間や、牧といったリアリストが通産省の出世街道に残り、健気に風越を慕った鮎川は昭和の精神に殉職し、風越に高く買われた庭野も倒れる。戦後の終焉は、昭和を体現する風越師団の限界を示したのではないだろうか。

  • 数年前にドラマ化された時から読みたいと思っていた。ドラマとは少し違うストーリーだったのかな?印象が若干違った。
    仕事に対する猛烈さに一種異様さを感じないではないが、戦後の日本を再構築するために必死だったのだろう。
    また、官僚と政府との危うい関係がこの時代からずっと続いていることがよく分かった。



  • 1960年代、高度経済成長期の官僚達の物語。
    官僚ものを読んだのは初めてだが、非常に面白い。
    敗戦からの10年後、もはや戦後ではないと宣言できるまでに復興し、更にそこから世界第1流の工業国に追いつき追い越す。

    そんな時代の通産省の官僚。
    高度経済成長という稀有な一時代に生き、旧時代の官僚の姿と、新しい時代の官僚の姿の変遷が非常に熱く、そしてドライに描かれている。
    きっと、こんな先人達がかつての日本を作ってきたんだなと感慨深くなる。
    本作でも、政治家や代議士も出てくるが、2017年の現在。ハゲ〜!このヤロー!とか吠えちゃう人や、ちょいと前の会見でワンワン泣きながら慟哭してた奴とか...
    成熟し切ると後は腐り行くだけなのだろうか。

    官僚というと堅苦しいのかと思いきや、古臭さは全く感じさせない。
    良い一冊でした。

  • 清々しい暑苦しさ

  • 現実世界にあるようなリアルな物語。
    ワークライフバランスなんて言葉はなく、働く環境も意識もまるで今と違う高度経済成長期を生きた人々の熱いストーリーが繰り広げられます。

    主人公を取り囲む人事の動きを中心とした話なので途中飽きるかなと思いましたが、著者の表現力により登場人物一人一人のキャラが十分に立っており、一気に読み進められました。

  • 城山三郎氏の小説を読むのは2回目だが、昭和の熱い時代を描くのがうまいと思う。通産省が変革すべき時期に変革を仕掛ける主人公たちが、最終的には新たな変革の波に飲まれるというのは、厳しい真実である。当時と現在では、仕事の仕方だけではなく、仕事に対する姿勢も変わっているのかもしれないが、前者に関しては常にかくありたい、というものが描かれていた。

  • 1960年代、日本の高度成長期の頃の通産官僚たちの話。今からもう半世紀も前の話なんだなあ。
    官僚のみならず、政治家にも経営者にも、今はもう当時のような熱気はないと思う。

  • 高度経済成長期の通産省の話。

    舞台がだいぶ昔なので、実際に起こった事なのかな、と思いつつ
    自分がピンとこなかったので面白さが半減してたかも…
    だいぶ、風越が気に入らないキャラが増えつつある現代なので
    逆にパワハラ一歩手前なんじゃないの?的な風越の行動にあまり共感を覚えず^^;(笑)

    ただ、やはり時代を牽引していったそのパワーや、日本のため…という愛国心(ちょっとそれが本当は自分の思い通りにしたかっただけかどうかは別として)とか、そういうバイタリティには好感が持てたし、通産省を通じて時代が動いていくのを見るのは面白かった。

  • 官僚の世界がどんなものか知りたくて手に取ってみた。時代は1960年代の高度経済成長期の通産省(現・経産省)。時代は流れ、官僚の世界のみならず働き方は相当変わったとは思うけど、高級官僚と政治家達の世界がどのように動いているのかはある程度認識できたと思う。ただ内容に関してはあまり興味が持てない、というか個人的には「何じゃこりゃ」という思いがする。大きな組織、しかもエリート達の集まる組織ならしかたないのかもしれないが、ひたすら人事の話し、組織の中での勢力争いがメイン。秘書課長である個性的な主人公が、最終的に次官になって退官したあたりまでの物語なんだが、こんな話しをそれなりに読ませる物語としてまとめているのは城山三郎の筆力なんだと思うが、正直、内容に関しては大した魅力を感じられなかった。

  • 研修の一環で読んだ一冊。こういう小説読むの初めてだったが面白かった。鮎川みたいな人格に、片山みたいな働き方をしたい。

  • 高度経済成長期の傲慢な通産官僚(ノトリアスミティ)の姿が赤裸々に描かれている。かなりリアルに描かれているので、モデルとなる官僚がいたのだろうか。
    主人公、風越信吾には、魅力を感じるというよりドン引き。必要(悪)だったのかもしれないが、「海賊と呼ばれた男」を読むと、通産行政には、伸びようとする企業を押さえつた面が強いのではないか、と思えてしまう。

  • 通産省の高級官僚の小説、読んでる途中からどうも気が乗らない。やはり官僚という仕事は数字がついてこないのでピンとこないな〜。商社とか民間の話の方が面白い。でも日本の経済を起動にのせるのに政策は必要だった時期があったことはあとがきで分かった。

  • 経産官僚と話すと本書で描かれているようなフロンティア精神を感じる
    かくあるべき

  • 旧通産省の官僚たちの戦いを描いた。小説内でミスター通産省と呼ばれた男が、同期のライバルと戦い、政治家と戦い、民間企業と戦い、そして「戦友」を失い、失意のうちに省外に去るまでをダイナミックに描く。
    天下国家を論じる官僚である風越一派が中心に描かれるが、この小説の面白いのは、そうした官僚たちが負けること。正確に言うと、小説中の言葉でいうと「引き分け」かもしれない。
    まさに時代が変わろうとしていたのかもしれない。天下国家のために休みなく働くという官僚の姿は、いずれワークライフバランス(作中にこそこの言葉は出てこないが)重視の働き方に変わっていくだろうと予想できるわけです。そんな中で、旧態たる姿勢で仕事にまい進していく、そういう官僚の姿が明らかにカッコいいわけで・・・

  • 城山三郎の小説として期待したが、正直なところがっかりだった。戦後の官僚が日本のために尽くしたということを書きたいのだろうが、今の時代から見ると官僚たちの思い上がりにしか見えないし、主人公に至っては、どこの会社にでもいる自信過剰の権力主義者でしかない。全く感情移入できなかった。やはり城山は「落日燃ゆ」のように、小説ではなく事実を淡々と描く方がよい。

  • 国家の経済政策を決定する高級官僚たち――通産省を舞台に、政策や人事をめぐる政府・財界そして官僚内部のドラマを捉えた意欲作。

  • 高度経済成長期の通産省(現在の経産省)の官僚たちの物語。少し前にTBSでテレビドラマ化されていた。登場人物は主人公の風越をはじめとして皆個性的で魅力があった。現在の日本経済の礎を築いた官僚たちの死闘は読んでいて気持ち良かった。話の終わりはあっけないというか尻すぼみ感があったものの、それを熱い夏が終わり冬が来たという表現は良かった。

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