- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101133287
感想・レビュー・書評
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第二次世界大戦の神風特攻隊で散っていった指揮官の最後の姿を、当時の関係者や残された遺族などに取材して書かれた哀切のドキュメント。戦局が厳しくなって最初の特攻隊になった大尉と、玉音放送後に出撃して最後の特攻隊になった大尉の二人の人生を中心に話が進む。特攻隊に選ばれて出撃するまでの隊員の心情を描く場面はなんとも言えず切ない。一方で、海軍の実態の醜さや、幹部の情けない振る舞いも披露されており、憤りを感じるところも多い。
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宇垣・大西…
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410113328x 232p 2004・8・1
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基本、戦争についての本が好きです。特に実話をもとにしたものは戦争を知らない者にいろいろなメッセージや、生きるヒントをくれます。この本もしかり。
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時は戦時中、今とは全く価値観が異なり、現代を生きている自分がここはこうしたほうが良いのに、といった考え方は通用しない。
本作はそのような戦時中に上官の命令のまま、若くして死を選ばねばならなかった(それ以外に選択肢が無かった)青年・その周辺の人に焦点を当てて描いている。
作中の主人公である関行男と中津留達雄はともに23歳で世を去っている。
かたや私は現在21歳。
有能な操縦士といえども青年の心が抜けない2人。
彼らが自分の歳と同等の時期に、何を考え、何を思いながら最後の操縦桿を握っていたのか、考えただけでやりきれない気持ちになる。
ここで戦争の是非について論じるつもりはない。
ただ私は、「戦争」という時代に生き、「お国」のために「神風特攻隊」として玉砕した青年たちの内奥に少しでも触れたいと思っている。
無念。ただこの一言に尽きる。
彼らに将来待ち受けていたであろう華々しい未来の目が摘み取られてしまったと思うとその一言が胸をついてくる。 -
2度目の知覧特攻記念館に行くにあたり、読んでから行けと父に薦められた本。
絶対に読んでから行くべきだと思った。
特攻へ向かった人、その家族。
読んでいて胸が締め付けられる事が何度もあった。
最後の特攻については許せないと思いつつ、異常な時代だったので異常な人間になってしまうんだな。