部長の大晩年 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101133300

感想・レビュー・書評

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  • 三菱製紙の部長を務め上げ、55歳からの定年後の晩年を「俳句」や「書」に熱く生きた永田耕衣の一生。戦時中の思想統制、母の死、妻の死。「出会いは絶景」。自分を個性的な「マルマル人間」と呼ぶ。良いものは褒めるが、道元や芭蕉を斬り、空海を好む。

  • ・部下を叱る代わりに、「きみ、これまでどういう仕事してきたんや」と、訊ねる
    ・「日に日に冬が辛うなって参ります。どうぞお体をお大切に、御健康にお心をいたされますようお祈り申し上げます」「いつでも結構で御座います。もしおひまの時が御座いましたら御近情をお聞かせ下さいませ」
    ・「人間であるということが職業なんや。人間そのものの深化向上を切願する以外、何の手立てもありゃせんのや」
    ・「コーヒ店永遠に在り秋の雨」

  • 俳人・永田耕衣の伝記。三菱製紙に勤め、定年後、俳人に。いわゆる現在流行りの定年物の小説とは異なる。

  • なかなか。
    加古川出身で高砂でサラリーマン生活を送られた方で身近に感じた。こんな方がおられたんだ。
    そんなに昔の方ではないのに、随分違う世界の方のように思えてしまう。私にはあまり参考にならない。

  • 彼の人生は定年からが本番だった

  • 永田耕衣という俳人。
    名前を聞いたことはあるが、良く知らない俳人であった。
    まずは、この本のタイトルに「大晩年」とあるように、長寿の方で享年97歳で、ここに驚かされた。

  • 大企業を定年退職した部長の、その後の充実した人生を描いている。入社以来、趣味の俳句に没頭していたことが、人生に幅を持たせることになった。

  • んー。なんか、不思議な本だったなぁ。
    家にあったから読んでみたけど…。
    小説だと思って読み始めたら、何やら実在の人物史だったし(笑)。

    面白いとも面白くないとも言える感じ。
    まぁ、初めよりは後半で面白くなり始めたことを思えば、作家さんの力量と言うことになろうかと思いますが。

    でもなんていうか、当時の俳壇の興隆っぷりというか、そういうものにややびっくりするような本だったかもしれません。そういう意味では、なんか、当時の空気感がちょっと分かったかな。

    あと、今、途上国でいろいろ言われる勤務環境。ちょっと前まで、普通に日本でも、軽視されていたんだなぁなんて、ちょっと横道な所も、印象深かった。

  • 熱中と律儀の美徳。こよなく俳句を愛する昭和の堅物。何でもない人生のように見えて、実は目指したいと思う自分がいる。

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著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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