対談集「気骨」について (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101133317

感想・レビュー・書評

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  • 17年ぶりの再読。
    戦争から政治、経済、日常生活まで城山三郎が8人と交わした対談集。
    対談のなかで『大義の末』や『指揮官たちの特攻』、『気張る男』『賢人たちの世』『「男の生き方」40選』『人生の流儀』等々、城山氏の著作が話題になる。既読の書についても、再読の機会があったらと、読書欲を覚える。
    吉村氏との対談で、「今の時代、読書をしなくなったでしょう。僕は読書というのはとてもいいものだと思うんですね。読書の習慣がなくなると考える力がなくなる。それとものを考えるのは、一人で歩いているときや電車のなかでしょう。ところが今、絶えず携帯かけてるでしょ、歩いていようが、電車の中だろうが。つまり、考えるという時間を失っているんですよね。あれで大丈夫かなという心配をしてるんです」と、語っている。
    同意する読書子も多いだろう。

  • 気骨とは どういう意味なのか 考えながら読んだ

    対談から想像するに、気骨とは「自分の流儀に沿って生きる」といった感じだろうか。戦時の全体主義の中で 生きた城山三郎氏が 戦後の個人主義を受け入れるために 気骨という勇ましい言葉を使ったのでは ないだろうか

    横並び的な生き方の反対概念(=縦に生きること)らしい。山崎正和氏の「柔らかい個人主義」と似た概念にも感じた

    たしかに 城山三郎氏の戦争文学、吉村昭氏の記録文学、徳田虎雄氏の政治的野心、加島祥造氏の老子的生き方には 気骨を感じる

著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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