無所属の時間で生きる (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101133331

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  • お叱りの手紙

    日帰りの悔い
       その空白の一日、石坂は二百とか三百とかの肩書をふるい落とし、どこにも関係のない、どこにも属さない一人の人間として過ごした。~おそらく、それが人間をよみがえらせるきっかけの時間となるからであろう。
       永井龍男さんは~とくに短編に名作が多く、「青梅雨」などは、日本の短編ベスト・スリーにでも  入れたいほど。

    子猫とナポレオン

    慶弔積立金

    ヴェネツィアと黒衣

    組織を超え、光の中へ

       砲兵中佐渡辺康夫の死、享年わずか三十。

    自分を見物する心

    東京での一日

    一日四分割法

     「眠るのにも体力が要る。その体力がなくなったということですよ」
     私は深夜のこの時間を「神授の時間」あるいは「真珠の時間」と呼んでいる。

     作者は一日を大きく4つにわけ 語呂合わせで 真珠の時間 黄金の時間 銀の時間 珊瑚の時間  と呼んでいる。

    途方もない夢

    熱い拍手

    どん尻が一番

    渡世の掟

    いまの世の仙人たち

    にがい笑い

    パートナー志願

    ハッダと冷麦

    箱根の夜は更けて

    旅さまざま

    三十代最後の年には

     無所属の身である以上、ふだんは話相手もなければ、叱られたり、励まされたりすることもないので、絶えず自分で自分を監視し、自分に激をとばし、自分に声を掛ける他はない。

    この日、この空、この私

     自分だけの、自分なりに納得した人生  それ以上に望むところはないはずだ。 
     人生の持ち時間に大差はない。問題はいかに深く生きるか、である。

    四十代最後の年に

    ハート・トラブル

    冬を送り出す

     「例年なんてものはない。一年一年がちがうものなんだ」

    四十代最後の年に(続)

     その四十代の果てに、「毎日が日曜日」を書いた。

    人間の奥行き

     孜孜営営

    五十代半ばにて

     この親友の名は、伊藤肇。

    アラスカに果てた男たち

     クリス
     星野道夫

    人生、当たり外れ

    六十代をふり返る

    湘南、二十四時

    ある朝、東京で

    孫の来る家

    楽しみを求めて

    定住意向

    あとがき

     つまり、これは私の造語なのだが「一日一快」でよし、としなければ。

    解説 高杉 良

     あとがきによれば、執筆(連載)は「一冊の本」(朝日新聞社のPR誌)1996年4月号~1999年3月号。著者69歳から72歳までの晩年の作品。内容は実に若々しい。

     11月16日から12月5日にかけ、毎日一、二編くらいを読み続けて読了。また読みたくなると思う。

  • 本文もさることながら、あとがきに魅せられました。
    一日一快、素敵な言葉です。

著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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