そうか、もう君はいないのか (新潮文庫)

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著者 : 城山三郎
  • 新潮社 (2010年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101133348

そうか、もう君はいないのか (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 冒頭の「シェー」のエピソードで、もうグッと心を捕まれた。苦笑いしながらもいとおしさを隠しきれない著者の気持ちが手に取るようにわかる。数ある中でも理想に近い夫婦の形。こういう女性に男は弱い。

  • 祖母は、祖父が死んだ後、今までより本を読むようになり、私は訪問するたびに自分の本棚から何冊か選んで持っていく。迷ったけれど、この本も貸した。

    すごく気に入ってくれて、何回も何回も読み返したと教えてくれた。こんなに愛された容子さんは幸せだね、素敵な話だねと言った。

    私は、祖母のいろんなこと、例えば結婚で大好きな仕事をやめねばならなかったこと、祖父とはお見合いだったこと、祖父の両親とのこと、結婚後のあれこれ、を知っていたのに、それをそういう時代だったからねと言うのを聞いていたのに、祖父はもう死んでしまったのに、この本を貸した。
    同世代でも違う生き方、愛し方を選んだ人たちの存在を教えてしまった。

    それが良かったのか悪かったのかはわからない。
    けれど、祖母が本当に何度も、城山さんも容子さんも、あんな時代に見つけた愛をまっとうできて、幸せだったろうね、すごく幸せだったろうねというのを聞いて、泣いた。

  • 「五十億の中で ただ一人『おい』と呼べるおまえ」

    天真爛漫。末尾の解説で児玉清がその言葉で表現しているが、まさにぴったりの言葉だ。
    城山三郎の妻はとても愛らしい。その妻を心から愛する城山。一遍の夫婦愛物語である。
    情景描写も上手く、自分に同化できるので、妻を亡くしたことを想像すると涙が止まらない。
    死後に発見された原稿を編集者がまとめたというが、かなりの腕前であると思う。

  • 愛を知らない若者が読むものではない。感動出来る内容ではあると思うけど、涙はでなかった。変な邪推がはたらいてしまう。
    巻末の娘の書いた文章が良かった。

  • 妻を長く連れ添い、思いの丈が綴られることに、人間としての幸せとは固定的ではなく、その瞬間の透明な記憶が重ね合わされ、集積していった結果として徐に現れるものなのではないかと感じる。

  • こんな夫婦になれたら幸せで、残された方は想像できないくらい辛いだろうな。


    題名に惹かれて買った本。
    なので、城山さんの作品を一つも読んだことないので、
    どんな作風なのかわからないが、
    奥さんを『妖精』と言ってしまうなんて、と冒頭からなんてのろけかと
    思い、素敵な人だなぁと思った。
    この本を通してでしか、奥さんのことはしらないが、
    それでもとても愉快で天真爛漫で、確かに妖精のような人だったんだろうなぁ。

    中に載っている『妻』という詩を読んで
    最後の3行にぐっときてしまった。
    そばにいるのが当たり前の存在で、
    とてもかけがえのない存在。

    そんな人がいなくなったらどれほど辛いのだろうかと。

    読了後、

    そうか、もう君はいないのか

    という言葉がえぐられる様に胸に突き刺さった。

  • 城山三郎氏の恋愛にあこがれを抱くとは思わなんだ。
    あとがきにもあったように、作品読むだけでは全く予想もしないような妻煩悩ぶりである。
    普通のことのように書いているけど、2人とも幸せな晩年・死に方をしている。
    なによりタイトルが輝いている。

  • 作家の城山三郎さんが、奥様と出会って、そして先立たれるまでの回顧録。
    お二人が送られた人生が本当に幸せそうで、幸せな光景で涙したのは初めてだった。
    奥様は大らかで強く、優しい女性。そのうえとってもお茶目な性格で、こんな女性になれたらと思った。
    特に印象に残ったのは、奥様が城山さんの代わりに作品の為の取材(講義の受講)をした時に、勉強が苦手で、ノートの端に「眠ってしまった」「遅刻してしまった」などを書いていて、城山さんはそれを見るのが交換日記みたいで楽しかった、、と語っている所。
    奥様のお茶目さや、それを愛する城山さんの姿が浮かんできて、城山さんは奥様のこういう所に支えてこられたんだろうなと思った。
    また、奥様が癌になってしまい、海外から帰国された長男がお見舞いから帰る際も、今生の別れになるであろうにもかかわらず、お茶目な挨拶で周囲を笑顔にするところ、、奥様の強さと優しさを心から感じ、涙が止まらなかった。
    城山さんはこの著書の途中に亡くなったため、締めくくりは娘さんが城山さんとの思い出を語る文章となっている。
    娘さんの文章からも、お二人が最後まで出会った頃のままの愛を持ち続けていたことが伝わってきた。
    母が大陸なら父は風、母が太陽なら父は月。 正反対だけれどぴったり寄り添っていたという旨の記述がとても印象に残った。

    身近な人を大切にしたい、1日1日に想いを込めて、噛み締めて生きていきたいなと思った。

  • 初めて読む城山三郎さんの本。タイトルが秀逸。実は、先日、佐々木常夫さんの講演で自著「そうか、君は課長になったのか」というのがこの本のタイトルがヒント言う話を聞いて知った次第なんです。

    四つ年下の妻の容子さんを癌で失った城山さんが、彼女との出会いから亡くなるまでのエピソードをつづったものです。この本もこの時期にしか読めないかなと思い読みました。

    この世に存在しないって言うことをどのようにとらえるのか、実は自分自身の気持ちとしてもとらえどころがない感じなのです。どこかに出かけているだけではないのか、って感じが近いのかもしれません。

    先に行って待っていてくれているなら、自分が死ぬことも少しはハードルが下がったような気分になってきます。そんな思いを城山さんもされたのかなって思いながら読みました。

  • 胸の詰まるようにさみしくて、恐ろしくなるような気持ち。それがたとえ最後の最後、幸福と帳尻があったとしても。

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そうか、もう君はいないのか (新潮文庫)の作品紹介

彼女はもういないのかと、ときおり不思議な気分に襲われる-。気骨ある男たちを主人公に、数多くの経済小説、歴史小説を生みだしてきた作家が、最後に書き綴っていたのは亡き妻とのふかい絆の記録だった。終戦から間もない若き日の出会い、大学講師をしながら作家を志す夫とそれを見守る妻がともに家庭を築く日々、そして病いによる別れ…。没後に発見された感動、感涙の手記。

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