大炊介始末 (新潮文庫)

  • 165人登録
  • 3.79評価
    • (11)
    • (26)
    • (17)
    • (0)
    • (2)
  • 14レビュー
著者 : 山本周五郎
  • 新潮社 (1965年2月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (525ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134079

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

大炊介始末 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • アンデルセンの童話は一作毎に色んな切口の話が盛り込まれているが、この本はまさにそんな感じ
    どれも意外な話の流れで、ほほぉ〜と感心してしまいます
    山本周五郎、あまり読んだことがなかったけれど、他の本も読んでみようと思います

  • 樅の木は残ったしか読んだ作品はありませんでした。珠玉の短編集と思います。
    以下、木村久邇則氏の解説から
    満州事変から第二次大戦後、物資統制のため雑誌の統廃合まで行われた時代に作品は発表されたのだそうです。アンドレジット『大芸術家とは、束縛に鼓舞され、障害が踏切台となる。ミケランジェロのモオゼの窮屈な姿を考えたのは大理石の不足による。アイスキュロスのコオカサスに鎖ぐ沈黙。芸術は束縛より生まれ、闘争に生き、自由に死ぬ。』

    下町もの ー「おたふく」◎「こんち午の日」「ちゃん」「落葉の隣り」
    岡場所ものー「何の花か香る」
    滑稽ものー「ひやめし物語」◎
    平安朝もの一「牛」
    武家もの一「山椿」◎「大炊助始末」「よじょう」◎

    心理描写をつとめてさけ、会話と動作の完結な描写だけで、溢れる余情を与えている。

    ラベルの名曲「ダフネとクロエ」が、単純な数小節のテーマメロディーを変化させることだけで華麗な交響詩となっていること、その手法の散文詩への応用。粘りのある文体、決して上っ面を流れ奔ることのなく、一行一行、読者に食い込んで行く量感。

    本当の人生への対決

  • さまざまな趣向の作品を集めた短編集。全10編のうち、以下印象に残ったものをピックアップ。

    「よじょう」・・・どうしようもないヘタレ男・岩太が、乞食の真似事をしているだけなのに父親の仇を討とうとしていると周りから誤解されてしまう。それだけでも面白いのだが、仇を討つ相手はあの宮本武蔵。力の象徴である武蔵や仇討ちそれ自体へのシニカルな視点が素晴らしい。
    「大炊介始末」・・・武家モノ。将来を嘱望されていた大炊介が、18歳の秋に自身に関するある秘密を知ったことから自暴自棄に陥ってしまう。この時代にこんな秘密を知ったらと思うと大炊介に同情してしまう。まったくもって悲劇としか言いようがない。
    「こんち午の日」・・・豆腐屋の婿に入った塚次だったが、3日目に妻が家出してしまう。残された養父母を守るために一人奮闘する塚次だったが、家出した妻と無法者の男が家を乗っ取りに現れて…。ラスト近くの対決シーンがものものしい。
    「なんの花か薫る」・・・娼妓のお新は、追われていた若侍の房之助を匿ったことをきっかけに馴染みとなる。身分の差によって結ばれることのないはずの2人だが、お新も周りも徐々にその気になっていき…。文庫版の解説にある通り、オチを含めて完璧な短編だと思う。

    職人としての矜持が前面に出た作品が多いが、寄せ集め感がなきにしもあらずかな。いつもの周五郎節を味わうには不足はない。

  • 以下、短編ごとに感想。
    ひやめし物語:武士の時代のひやめし食いは制約強すぎて大変そう。
    山椿:オチは読めたが良い話。人は生まれ変われるものですな。
    おたふく:誤解って怖いね。いい話ですんでよかった。
    よじょう:武士の誇り(というか仇討ち)に対する皮肉。
    大炊介始末:感情移入がしづらい。イイハナシナノカナー?
    こんち午の日:血<義理
    なんの花か薫る:最後がひどく切ない。
    牛:この短編集の中で一番とぼけた感じ。平安時代。
    ちゃん:ザ・大衆文学。好き。
    落葉の隣:誤解って怖いねその2。やりきれない。

  • 石田衣良おすすめ

  • 再読了。

    ・ひやめし物語
    ・山椿
    ・おたふく
    ・よじょう
    ・大炊介始末
    ・こんち午の日
    ・なんの花か薫る
    ・牛
    ・ちゃん
    ・落葉の隣り

  • 10編全部面白かった。
    表題作の「大炊介始末」「よじょう」「おたふく」なんかは特によかった。
    中でも「おたふく」が最高。
    30もすぎた夫婦と姉妹のお話
    登場人物も少なく短いお話なんだけど、
    キャラも良く、会話も良く、山本周五郎の良さの出たかわいいお話でした。

  • 「山椿」「おたふく」「大炊介始末」「なんの花か薫る」が好き

  • 短編10編。すべて違う切り口なのが、興味深い!昭和30年代に書かれたモノで、今となっては難解な部分もあるが、当然と言えば、当然の話である。終わり方も、余韻が残るモノ、スカッとするモノ、色々で飽きない書籍だと思う。特に気に入ったのは、「ひやめし物語」「おたふく」だろうか!?

  • 大人版の童話を読んだ気になる一冊。善か悪か、それだけでは図れない大人の対処のヒントがそこかしこに隠れている。
    時代小説が苦手な人の入門編としてもいいかも。

  • "ひやめし物語"、"落葉の隣り"がお気に入り

全14件中 1 - 14件を表示

大炊介始末 (新潮文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

大炊介始末 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

大炊介始末 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

大炊介始末 (新潮文庫)の作品紹介

自分の出生の秘密を知った大炊介が、狂態を装って藩の衆望を故意にうらぎらねばならなかった悲劇を描く表題作。自分たちはおたふくであるときめこんでしまっている底抜けに明るく情味豊かな姉妹の物語『おたふく』。奇抜な視点と卓抜な文体で「剣聖」宮本武蔵を描き、著者の後半期の出発点となった意義深い作品『よじょう』など。さまざまな傾向の短編から代表作10編を選りすぐった。

大炊介始末 (新潮文庫)はこんな本です

大炊介始末 (新潮文庫)のKindle版

ツイートする