小説日本婦道記 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134086

感想・レビュー・書評

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  • 某友人が、この2月にお子さんを出産されました。その時に、お医者さんから出産記念にもらった本だそうです。

    出産祝いに山本周五郎? どんな内容なんだ? 妙に気になりました。

    短編集です。古き佳き夫婦関係の物語がつづられています。
    武士の矜持の中での、こまやかで深い互いの思いやり。「婦道」と言うと凄いけど、女性の立場からつづられるからこういうタイトルなだけで、男にも女にも思い当たる内容ですね。

    思いのほかひらかなが多く、例えば柔らかい鉛筆ですらすらと書いたというような文体。穏やかで読みやすく、内容とともにじわっと浸透してくるいいお話の数々でした。

  • 解説:木村久邇典、直木賞

  • 平凡だけど心に触れる作品がいくつかあった

  • 女性たちを中心に描かれた短編集。
    現代とは全く違う生き方しか選べない女性たちが、その環境の中で精いっぱい魅せてくれる生き様が本当に素晴らしい。誰かのために、誰かを思い、誰かを支えて、様々な女性たちが自分の人生さえも犠牲にする。どの物語にも自己犠牲がありながら、その生き様を自ら選んだ女性たちの芯が通っていて強い。
    日本女性の奥深さを感じて、涙なしには読めない作品だった。この時代の女性だけが持つ覚悟。それは決して現代人には感じることが出来ないもの。
    男女平等が叫ばれる今の時代に到底そぐわない作品だと思う一方、別にこういう生き方があっても良いんじゃないかと思う。とにかくどの女性も、覚悟を抱いて自分の人生を生きたのだから、誰かがどうこう言うことじゃない。
    個人的には特に二十三年と梅咲きぬ、糸車が好き。

  • 「文学少女」な義母のススメ。小説自体はなんとも素晴らしいものであったが、義母がコレをオススメした理由って。。

  • 武家社会に生きる女性の教訓集。
    直木賞に選ばれたとはいえ、後期の作品のような筆者の筆の冴えはあまりみられなかった。

  • いつの時代も男ってのは女性に支えられているようだ。夫のため、子のため、国のため。悲しくも美しい短編集。暮らしの中で生まれた決まり事には、そのひとつひとつに意味があるようだ。

  • いくつ本を整理してもこれだけは絶対に捨てたくない小説の一つ。

  • 高校の先生に推薦されて高校時代に初めて読んでみた本なのですが、その時はさしたる感想もなかったのですが、大人になって読んでみて、すごく感動することに気がついた。感性が変わってきてるんですかね?

    現代では考えられないようなところもあるのですが、女性のひたむきさに感動します。

    個人的には特に「不断草」が好きです。

  •  先日、山本 周五郎 氏による「小説日本婦道記」を読み終えました。
     会社の同僚の方のお勧めでお借りして読んでみました。こういう形で手に取る本は、通常の私の視野の外になるものなので、楽しみも増しますね。
     1958年出版の本ですが、タイトルの「婦道」という言葉は新鮮です。
     実を言えば、山本周五郎氏の作品を読むのはこれが初めてでした。もちろん、有名な時代物の作家であることは知っていましたが、この作品は確かに面白いですね。
     今更ながらではありますが、いろいろな意味でとても新鮮なインパクトがありました。

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著者プロフィール

山本周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

解説:新船海三郎(しんふね かいさぶろう)=1947年生まれ。日本民主主義文学会会員、日本文芸家協会会員。著書に『歴史の道程と文学』『史観と文学のあいだ』『作家への飛躍』『藤澤周平 志たかく情あつく』『不同調の音色 安岡章太郎私論』『戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相』『日々是好読』、インタビュー集『わが文学の原風景』など。

「2023年 『山本周五郎 ユーモア小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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