さぶ (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134109

感想・レビュー・書評

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  • 主人公、町人さぶは不器用者でそんなさぶを支える、栄ちゃん。栄ちゃんは器用で、男前、リーダー的存在だが、事件に巻き込まれて人生の転換を余儀なくされる。荒れる栄ちゃんの転換後の人生の支えになるのが実は不器用者のさぶで、人は独りでは生きられない、周りに支えられて自分が存在しているということを描いている。2人の友情が温まる作品。

    成功しているときこそ、自惚れるなと戒めたい。

  • 約1年ぶりに読書を再開しました。
    1年前の3月、会社を退職することが決定し、直後に東日本大震災が発生し、生活習慣も価値観も変化していくなかで、いつの間にかジョギングや読書の習慣が消えていってしまいました。
    もうすぐ春ですしね…また読書を再開しようと思います。

    前置きが長くなりました。
    物語の大半は江戸時代の佃島界隈を舞台にしており、まるで我が家周辺の古地図を見るような感覚で読むことができました。(我が家は佃島を望む隅田川沿いの家なのです)

    小学校高学年、あるいは中学校一年生くらいの歳に出会うべき良書です。
    他人からの隠れた思いやりも風に漂う花の香りも、気付くか気付かないかは自分の心次第であり、どんな苦しい状況であってもそれを見出すことはできる。…そういった基本的な幸せの価値観について、江戸の貧しい奉公人の成長を通じて描かれています。

    次は「樅の木は残った」を読もうと思います。しばらくは山本周五郎かな…

  • ん〜
    かっこいいんだか悪いんだか

  • 時代は江戸、愚鈍で誠実なさぶと、男前で器用な栄二の話。
    男前な話でした。。。

著者プロフィール

山本周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

解説:新船海三郎(しんふね かいさぶろう)=1947年生まれ。日本民主主義文学会会員、日本文芸家協会会員。著書に『歴史の道程と文学』『史観と文学のあいだ』『作家への飛躍』『藤澤周平 志たかく情あつく』『不同調の音色 安岡章太郎私論』『戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相』『日々是好読』、インタビュー集『わが文学の原風景』など。

「2023年 『山本周五郎 ユーモア小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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