おさん (新潮文庫)

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著者 : 山本周五郎
  • 新潮社 (1970年10月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134147

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おさん (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 山本周五郎さんらしい、傑作だと思います。歴史小説というカテゴリになってますが、周五郎さんの作品は、是非、女性に読んでもらいたいものが多い気がしますね。

  • 文章の巧みさが流石です。
    特に『偸盗』の文章が秀逸です
    一人称で語られている物語が、まるで上質な狂言をみているように思われてきました。
    『青竹』、『饒舌り過ぎる』もしみじみと心に染み入りました

  • 時代小説短編集。もっとも印象に残ったのは、「その木戸を通って」だ。これは”すこし不思議SF”な物語で、忽然と現れた娘が家に居つき、子をなし幸せな結婚生活を送るが . . . 。H.G.ウェルズの「くぐり戸(白壁の緑の扉)」やロバート.F.ヤング「たんぽぽ娘」が好きなかたにお薦め。
    この喪失感は . . .

  • 山本周五郎の短篇集。
    いいっす。
    どのお話も、つい引き込まれて読んでしまいます。
    この魅力、どこにあるのでしょうか。
    語り口のうまさ、ストーリー展開の巧みさ、いろいろあるでしょうが、何より書いている人の「人間というもの」に対する確かな見識があるからでありましょう。
    いいっす。

  • 短編小説。
    最後に「饒舌り過ぎる」と言うタイトルの短編があったが意味が分からなかった。

  • 10篇からなる短編集。

    「青竹」
    戦場でめざましい活躍をしながらも自ら名乗りを上げる事もない無欲な武士。
    そんな人柄を見込む人物から好ましい縁談が持ち上がり、彼も相手の娘を気に入るも縁談話は辞退してしまう。
    その後、それでなくとも変わった絵柄だった彼の指物にある物が描き加えられた。
    それの意味するものとは-。

    竹槍を遣い勇ましく戦場を駆け回る青竹のような性格の武士の姿に清潔感が漂い美しく好ましい。
    このような清廉な人物にはどんどん幸せになって欲しいと思うのに・・・中々そうはいかない所が切なく悲しい。

    「夕靄の中」
    色恋沙汰で人を刺した男は追い込まれ入った墓地でふと見かけた新しい墓に手を合わせる。
    追う男と追われる男、そして墓に眠る娘の母親の三人が墓地で取り交わすあれこれ。
    偶然の出会いによるさりげない情の取り交わし、夕靄というのが一層切なさとほろ苦さを感じさせる。

    「みずぐるま」
    旅芸人の一座の太夫だった少女が武家の重職に養女となり成長していく姿を描いたお話。
    やがて成長した彼女は義兄の友人である男から求婚されるが-。

    「葦は見ていた」
    芸妓にうつつをぬかしどん底まで堕ちた男が再生し出世していく様を描いた話。
    どん底まで堕ちた人間はこうまで変わる事が出来るのか・・・と思うラストだった。
    彼は社会的な利益の替わりに何かを失くしてしまったのかも知れない。
    人間の弱さと同時に強かさを感じる話。

    「夜の辛夷」
    岡場所の女とその馴染客となった男の話。

    「並木河岸」
    3度流産をした妻とその夫。
    どことなく隙間風の立つようになった夫婦の間に一人の女が現れて-。

    「その木戸を通って」
    家老の娘との縁談が持ち上がる男性の屋敷に身元不明で記憶喪失の女性が紛れ込む。
    変な噂が立っては・・・とすぐに娘を追い出そうとする男だったが-。

    「おさん」
    男にとってはたとえようもなく可愛い女「おさん」。
    情があつく、男に愛されるおさんはその性癖故に男から男へ渡り歩く事となる。
    何とも哀しい男女の性のようなものを感じるお話。
    人に踏みつけられながらも健気に咲く昼顔という花がまるでおさんという女性そのものだと感じられた。

    「偸盗」
    貴族から物を盗む大盗人と盗まれながら盗人を出し抜く貴族。
    ユーモラスな中に当時の貴族の腐敗した姿や頽廃的な様子が感じ取れる作品。

    「饒舌り過ぎる」
    同時期に同じ女性を愛してしまう親友同士の話。

    どの話も人間の悲しい性を感じると同時にそういう人間に愛おしさを感じる話だった。

  • 「青竹」が唯一、戦中物として含まれていたが、のびのびと周五郎の油の乗り切った短編集だった。結末が予想できず、また余韻を残して終える技法は秀逸。13.1.2

  • 全1巻。
    短編集。
    全部で10本いり。

    ・青竹
    珍しい歴史小説。潔い武士の心持ち。
    泣ける。

    ・夕霞の中
    復讐しようとする男の人情劇。

    ・みずぐるま
    シンデレラストーリー。

    ・葦は見ていた
    青春時代の全てを投げ打つ程の愛と、
    その愛から立ち直った後、壮年になってからとの対比。

    ・夜の辛夷
    岡場所で必死に生きる女と、
    たまたま客になった訳あり男の人情劇。

    ・並木河岸
    ダメになりそうな夫婦が立ち直るきっかけは。

    ・その木戸を通って
    記憶喪失の女と、その夫になった男。

    ・おさん
    悲しい女の性に振り回される女と男達。

    ・偸盗
    平安時代の大泥棒の物語が演劇調に展開する
    コミカルで不思議な話。

    ・饒舌り過ぎる
    無口なのとおしゃべりなのの友情物語。
    ほっこりする。


    青竹と、偸盗と、饒舌り過ぎるが好きだった。

  • 昔の小説は文字が小さいし詰まっている。この薄さこの安さでこの量、読み応え‥‥!今の文字業界がすさむに決まってるわけです。だってぼったくりじゃないですか。
    おさん、すごく良かったです。視点のはっきりした対比のものはいつの時代でも好まれます。
    「饒舌り過ぎる」萌えた。実際饒舌ってるのは圧倒的に十太夫の方なのに、正三郎の所作をちょっと見るだけで「お前は饒舌り過ぎだ」といって、完璧に正三郎の思うことを読む、しかもお互いそれがごく当然に。男同士の友情とは往々にして子供っぽい、それが保てるというのが女は羨ましいのだと思います。自分はどちらかというと正三郎×十太夫です。

  • 貸してもらいました(ありがと〜!)この柔らかな文章(最初の短編ではちょっととまどいましたが)と、淡々と人間の描写をしながらも感情をあざやかに描き出す抑えた美しさに、日本の文化の成熟を見た、というと言い過ぎか…これで今から半世紀以上前に書かれたお話なのです。本当に美しいよ。

  • どれも周五郎らしい、でもそれぞれに色合いの違う短編が揃った読み応えのある短編集。男の武骨な弱さと女の健気な強さ、時の流れの無情さや夢物語ではない現実の厳しさなどのこもった世界は、時代小説という枠を越え、普遍的な「人間」の哀しい愛しさを表しているようで、とても身近に感じられます。個人的に好きなのは「夜の辛夷」「並木河岸」など。切ない…。(2006/9/23読了)

  • 『その木戸を通って』この作品が人生上一番好きです。何度読んでも心に暖かい風が吹き、せつないのに優しい私にとってかけがえのない作品です。

  • "みずぐるま"、"饒舌り過ぎる"が好き

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