つゆのひぬま (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134192

感想・レビュー・書評

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  • 亡父の蔵書より。
    初山本周五郎。氏の名は作家としてよりもネスカフェのCMでまず耳にした。

    かつてはなにがあろうともこの種の作品を手に取るような読み手ではなかったが、機会があれば読むくらいの活字廃にはなったようである。
    近頃強いて読むようにしてみた文学作品も、題材そのものには興味がなくとも、文章の美しさやおもしろさで惹かれることもあると知った。本書も、そのように読めた。

  • 就職してじっくり小説読む暇もなくなってから、
    すっかり周五郎の短編ばっかり読んでます。

    古本屋で順番も気にせず適当に買ってきてるんだけどどれ読んでも面白い。

    今回読んだ中では「妹の縁談」が良かった。
    前に読んだ「おたふく」と同じ話で男性から女性に視点を変えたお話。

    冷静と情熱のあいだみたいな。あれは青しか読んでないけど。
    好きな話だったから別視点の話が読めたのは嬉しかった。

    武家もの、町人ものいろいろ入っててバランス良くまとまってました。
    ただ、やっぱ周五郎の現代物はあんまりハマらない。
    歴史ものの中で浮いてるからだとは思うんだけど何でかなー。

  • なるほど「大衆文学」というにふさわしい、受け入れやすい・解りやすい・面白い文学である。山本周五郎デビューであったが、なんとも面白く、一気読みしてしまう。テレビドラマのような、受け入れやすいストーリーと人物描写のなかに、深い人間愛が感じられて、なるほど世間の評価の通り、山本周五郎の中毒性のすっかりハマってしまう作品群である。特に「武家草鞋」は最高にカッコイイ。

  • オチが見えた途端に終わる話が多かった。ちょっと余韻がなさすぎる感じがしましたが、納得はいきます。
    山女魚萌えたー。弟×兄は王道です

  • 「おしゃべり物語」は痛快。小姓に上がった主人公が、殿様の部屋の隣で仲間にたわいもない議論を吹っかける。最初は立腹した殿様も、主人公の率直で本音の語り口に好感を持つ・・・。

著者プロフィール

山本周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

解説:新船海三郎(しんふね かいさぶろう)=1947年生まれ。日本民主主義文学会会員、日本文芸家協会会員。著書に『歴史の道程と文学』『史観と文学のあいだ』『作家への飛躍』『藤澤周平 志たかく情あつく』『不同調の音色 安岡章太郎私論』『戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相』『日々是好読』、インタビュー集『わが文学の原風景』など。

「2023年 『山本周五郎 ユーモア小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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