- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101134239
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
GWの台湾旅行中に読んだ本。
海外旅行行く時には山本周五郎と決めてます。
ウソです、海外旅行初めてだったし。
まぁでも海外にかぎらず旅行のときに周五郎持ってくのは割りと習慣化しています。
周五郎の本は特に順序も決めずに、
中古屋で見つけたものを適当に買って読んでるんだけど、
外れがないですね。
期待通りの面白さ。
もう社会人3年目か、、、とか
また年取るのか、、、とか
今まで何やってて、これから何やってこうかな、、、とか
別に今に限ったことじゃなくいつも考えてはいるんだけど、
周五郎の小説を読むと
人生まだまだなげえな、と慌てる自分を諌める気持ちになったり
もっとまじめにしっかりやんなくちゃ、と日々の生活を改める気持ちになったり
とか、
人生について考えてみたり
とかね、そんなこんなを考えます。 -
山本周五郎の短篇小説集『松風の門』を読みました。
『日日平安―青春時代小説』に続き、山本周五郎の作品です。
-----story-------------
幼い頃、剣術の仕合で誤って幼君の右眼を失明させてしまった俊英な家臣がたどる、峻烈な生き様を見事に描いた“武道もの”の典型「松風の門」、しがない行商暮しではあるけれども、心底から愛する女房のために、富裕な実家への帰参を拒絶する男の心意気をしみじみと描く“下町もの”の傑作「釣忍」、ほかに「鼓くらべ」「ぼろと釵」「砦山の十七日」「醜聞」など全13編を収録する。
-----------------------
1940年(昭和15年)から1964年(昭和39年)に発表された作品13篇が収録されています… 『失恋第五番』だけは、時代小説ではなく、現代小説です。
■松風の門
■鼓くらべ
■狐
■評釈堪忍記
■湯治
■ぼろと釵
■砦山の十七日
■夜の蝶
■釣忍
■月夜の眺め
■薊
■醜聞
■失恋第五番
■解説 木村久邇典
山本周五郎の短篇は、安定した面白さですね… そんな中で印象に残ったのは、
藩主・宗利の幼少時に剣術の仕合で右眼を失明させたことを償うための決死の奉公… 池藤小次郎の忠義の行動に静かな感動を覚える『松風の門』、
伯父の厳しい忠告により堪忍することを宗とした癇癪もちの青年が、周囲から軽蔑されるが、悶々の挙句、ついに堪忍袋の緒を切って、自身の自主性を取り戻すクライマックスが爽快感な『評釈堪忍記』、
性格の異なる、おしずとおたかの姉妹の鮮やかな性格描写、世直し運動家と称する兄・栄二の両親の扱い… 家族への複雑な思いを描いた『湯治』、
保守派の家老を斬って隠し砦に立て籠った青年武士たちの極限状況における17日間の微妙な心理を揺れ動きをテーマにしたサスペンス色の強い『砦山の十七日』、
著者が"一場面もの"と名付けた作品のひとつで、市井の生活の一場面を切り取り、舞台劇を観ているような展開が新鮮な印象を与え、深い余韻を残す『ぼろと釵』と『夜の蝶』、
肉親への愛情を断ち切って裕福な実家への帰参を振り捨て、しがない棒振りの暮らしを選ぶ心意気が爽やかな下町モノ『釣忍』、
かなぁ… 読めば読むほど、味わいが深くなる山本周五郎の作品、次も読んでみようと思います。 -
45年前に出された13編から成る山本周五郎の短編集。昭和15年から39年にかけて編まれた武家物 町人物とバラエティーに富む内容です。時代小説はいつまでも色褪せないので その意味では作り手にとっても取り組み易いジャンルかも知れないけど力量の問われる分野でもありますね、日本人の琴線に触れることが多いジャンルだけに。山本周五郎は安定の作り手でした。
-
壮烈な心と凄絶な生き方を描いて周五郎の右に出る者はあるまい。この作品を発表した2年後には天下分け目のミッドウェー海戦があり日本軍の敗色が濃くなる。八郎兵衛夫婦のやり取りと比べれば、宗利と相談役の朽木大学の会話は宗利の底の浅さが露呈している。江戸300年の安定した歴史は主従の関係を絶対化したものだ。
https://sessendo.blogspot.jp/2018/04/blog-post_29.html -
名もなき江戸庶民の物語は波乱万丈。喧々諤々な展開にハラハラさせられたかと思うと、最後あっと驚く結末。それがハートウォームゆえにどの作品もはまる。釣忍は最後の一文でホロっときた。
-
短編集。
山本周五郎は老後まで取っておくつもりだったが、中年にして読み出してしまった。
まぁ、最近記憶力減衰しているので、四半世紀後には忘れていることでしょう。 -
山本周五郎を立て続けに読んでるのだが,僕の好きなのは下町物より武家物だな.ただし本書の中での一番のお気に入りは「鼓くらべ」である.鼓くらべで相手を打ち負かすことしか頭になかった娘が本当の芸術の意味に気がつくおはなし.「醜聞」は武家物なのだが,話の骨幹は実は「鼓くらべ」と同じである.
-
一度読みたいと思っていた山本周五郎の短編集。時代ものが中心だが、一つだけ現代ものが掲載されている。どの話にも、忠義、孝心、覚悟、家族愛、友情、知恵などが盛り込まれており、読んでいてとても気持ち良い。師走に読むに相応しい、日本的なものの良さ、美しさが感じられる。