雨の山吹 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134413

感想・レビュー・書評

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  • 「山茶花帖」がよかったです。
    八重に、人は1人で生きているのではない、って気づかせてくれるところで、ぼくも、ハッとしました。
    自分の不幸を印籠のように振りかざして、周りと自分は違うのだと思う傲慢さが、自分にもあるような気がしました。
    八重のように、見る景色はなかなか変わらないけど、でも、色々なことに感謝して生きることの大切さを改めて教えてもらえました。

  • 愛をテーマとした作品を集めた短編集。
    男女の愛だけでなく、師弟、主従、親子・・・いろいろな愛がある。

    文庫の題名にもなっている「雨の山吹」の一節。
    「自分が悲運になって、はじめて他人の苦しみがわかるというのは、たまらないことだな」
    とても痛感する言葉だ。どんなに想像し同情しても、他人の心はわからない。苦しみや幸せはそれぞれなのだ。
    そのことに気付いた主人公の最後のシーンがとても美しく表現されていて、思わず「ほうっ..」と、ため息を付いてしまった。


    暗がりの乙松
    喧嘩主従
    彩虹
    恋の伝七郎
    山茶花帖
    半之助祝言
    雨の山吹
    いしが奢る
    花咲かぬリラの話 (現代小説)
    四年間 (現代小説)

  • 短編集。「いしが奢る」は可愛い物語。さまざまな愛の形を中心に10篇。

  • 青空文庫で「四年間」のみ読んだ。
    戦時中後の時代を背景としたとある男女の話で、死を宣告された男の鬱屈とした感情の描写が良かった。

  • 昭和10年代〜戦後に発表された短編を集めたもの。
    『花咲かぬリラの話』『四年間』以外は時代小説。
    個人的には表題作の『雨の山吹』よりも恋愛物の『山茶花帖』や『いしが奢る』、『彩虹』が好きです。
    『半之助祝言』や『喧嘩主従』は主人公に特徴のあるタイプなので好き嫌いがハッキリしそう。

  • 「彩虹」「恋の伝七郎」「山茶花帖」「雨の山吹」「いしが奢る」が良かった。
    江戸を背景とした物語の雰囲気が好き。味があって温かみもある綺麗な恋愛話。

  • しみじみ情感もの

  • 夏休みに尾瀬に行った時に、山小屋で読んでた本。

    恋の伝七郎
    山茶花帖
    いしが奢る

    が良い感じ。

    どうでもいいけど夕立がバッグに浸水して本がボロボロになりました。

  • 江戸時代の恋愛を描いた小説。
    現代の小説でいうと、2人をさえぎるのは病気であったり、死であったりするけれど、
    江戸時代は身分違いや格式だったりする。

    時代で恋愛も変わるもんだね。

  • 再読

    ・暗がりの乙松
    ・喧嘩主従
    ・彩虹(にじ)
    ・恋の伝七郎
    ・山茶花帳
    ・半之助祝言
    ・雨の山吹
    ・いしが奢る
    ・花咲かぬリラの話
    ・四年間

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著者プロフィール

山本周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

解説:新船海三郎(しんふね かいさぶろう)=1947年生まれ。日本民主主義文学会会員、日本文芸家協会会員。著書に『歴史の道程と文学』『史観と文学のあいだ』『作家への飛躍』『藤澤周平 志たかく情あつく』『不同調の音色 安岡章太郎私論』『戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相』『日々是好読』、インタビュー集『わが文学の原風景』など。

「2023年 『山本周五郎 ユーモア小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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