与之助の花 (新潮文庫)

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著者 : 山本周五郎
  • 新潮社 (1992年9月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134581

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与之助の花 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ページをめくるたび、次はどんな話がくるのか楽しみで仕方ありませんでした。冒険、悲恋、友情などカラフルな短編です。さらに1つ1つが短いので疲れずに読めます。孤島、磔又七、武道宵節句、一代恋娘、奇縁無双、春いくたび、与之助の花、万太郎船、噴き上げる花、友のためではない が好きです。特に磔又七、一代恋娘、奇縁無双、友のためではない が読み応えがありました。山本周五郎さんの短編はどの作品もいいですね。

  • 山本周五郎の初期短篇集。
    初期のものだけあって、成熟期に比べるとストーリーがあっさりしている感はあるものの、逆に成熟期の作品の原型を見る思いがする。

  • 短編集。『奇縁無双』をクスクスと笑いながら読んだ。馬を乗り回し見合い相手達を得意の刀で打ち据える女武芸者が、しおしおと文字通り心身ともに組み敷かれていく「じゃじゃ馬ならし」は昔から男子諸君の心踊らすテーマだったのだろう。
    まあ要するに「ツンデレ萌え」です。違うか?

  • 手に取るように近づく鬨の声。ついに戦場が眼前に展開した。乱れ飛ぶ剣光、叫喚、死の呻き、馬も人も揉み返し揺り返し、燃え盛る篝火に、眼を血走らせた軍兵の斬り結ぶ姿が地獄絵のごとく映しだされた  この、この島に住んでこそ、恩讐の外に生きられるのだ 他人の作らない独自のものを工夫しなくては、という態度は、とりもなおさず、小説に対する山本の基本姿勢であって、文学に志を立てて以来、生涯変わることはなかった

  • 短編集。
    「恋芙蓉」
    伊達政宗の長沼城攻めが舞台。朱兜隊隊長の勘三郎は従妹の小菊を嫁にしたいと思っていたが、小菊と親友の鞆之助とが恋仲にあることを知る。恋敵である鞆之助を政宗の元へと使者として走らせることで命を救い、それを知った鞆之助は戦場へと取って返すが…。

    「孤島」
    大阪へと向かう船旅で、欣之助・夏江兄妹は仇討ちの相手である栖崎十次郎に出会い、下船したら決着をつけることにする。しかし船は台風によって難破し、三人は無人島へと流れ着いた。支え合い生活していく中で十次郎は夏江に密かに思いを寄せる。だが世間に戻れば彼らとは共に生きられないという現実に十次郎は救助船を見つけるや、腹を切る。

    「非常の剣」
    弦八郎は密貿易の見張り番所頭に任命される。上役達が抜け荷の片棒を担いでいること知り訴えるが、握り潰されてしまう。四人の上役を斬り捨て、脱藩する際に婚約者と共に旅立つ事を義父に許される。

    「磔又七」
    仏師の又七は岡っ引によって濡れ衣を着せられ、磔刑にされる。しかし同時に大量の受刑者が居たために又七は刺し忘れられて難を逃れる。逃亡生活の果てに五体の仏を彫り上げ、その功徳によって罪を減じられ、仏を安置した寺の住職となる。岡っ引きが結局幸せになっている点が不満。

    「武道宵節句」
    桃の節句の宴の夜。貧しさも極まり自殺を考えていた兄妹が、盗まれた宝刀を探す兄妹の命を救う。礼金だけではなく、仕官の道も得られ、春の夜に似合いの明るい結末。鮮やかな斬り合いも見事。

    「一代恋娘」
    水戸家の若君に想いを寄せた商家の娘が、その命をかけて若君毒殺を防ぐ。最後まで己の想いを否定し続けた娘が切ない。家臣に娘の手紙を披露したうえでの裁断が鮮やか。

    「奇縁無双」
    我侭で武術自慢の藩主の娘を伊兵衛という武士が懲らしめる。結末が可愛らしい。

    「春いくたび」
    香苗は戦へと旅立った想い人を待ち続け、誰にも嫁がず、尼となった。40年の歳月が流れ、流れ着いたひとりの老人は戦の際に負った傷が元で記憶を無くしていた。しかし待たせている人が居るのだと言い…。老人がかつての想い人であることを確かめたとき、老人はまたどこかへ流れてしまった。きっと次の春には逢えると信じたい。

    「与之助の花」
    与之助は顕微鏡を作るために藩主の蔵から望遠鏡を盗み出した。丈右衛門という性質の悪い男に見つかり強請られる。完成した顕微鏡を兄の元に届け、与之助は丈右衛門を斬り切腹した。兄の婚約者である人への想い、次男である自分の行く末、兄の思いやりへのやるせなさ。様々な感情が入り混じった話だった。

    「万太郎船」
    万太郎は船の工夫に大金を投じ、身代を潰してしまう。手代の仁兵衛の裏切りもあったが、船大工として生きる万太郎はそれに憤ることなく、むしろ金に執着するばかりの仁兵衛を哀れむ。良い伴侶も得られ、明るく軽やか。

    「噴上げる花」
    火消しが使う、竜吐水(手押しポンプ)の開発話。失敗もあり周囲の人物はあまり好意的ではなかったが、水が噴き上がった瞬間の活気や笑顔が心地よく伝わってきた。こちらも理解ある伴侶と巡り合えたようでよかった。

    「友のためではない」
    重鎮の息子でありながら名の知れた破落戸でもあった角之助を、藩主の側近として仕えていた会沢寅二郎が斬ってしまう。寅二郎の友である杉沼欣之丞は己が自分が角之助を斬ったと偽り切腹する。寅二郎への手紙には、自分は友のために罪を被ったのではなく、藩に必要なお前を生かすのだと書かれていた。その手紙を読み終え、歩き出す寅二郎の背中が眩しい。

    「世間」
    唯一の現代物。借金ばかりをしている悪田が、志摩という男には逆に金を貸す羽目になる。

  • 周五郎、昭和10年から20年の短編集。「友のためではない」など戦時に迎合した作品もあるが、爽やかな読みものがある。「噴上げる花」が良かった。11.6.3

  • 2010.11.7(日)。

  • 昭和初期から戦時中までに発表された短編集。

    どうしても作品の内容が時代に合わせているのではないかという感覚が拭いきれず。

    ただ、最後に解説を読んで納得出来ました。

  • 「奇縁無双」が好き。

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