樅ノ木は残った (上) (新潮文庫)

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著者 : 山本周五郎
  • 新潮社 (2003年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134642

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樅ノ木は残った (上) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 読み終わった第一声の感想は、静かな男性はかっこいい。
    主役の原田甲斐は、悪人として有名らしいが、私はそういった演目を知らずに読んだ。
    この本では、悪人どころか、どこまでも自分を耐え忍び伊達家に尽くす忠臣。

    伊達家の内部崩壊を狙う、幕府から延びる魔の手。
    盟友2人と約束をし、原田は敵の懐に入って、切り崩す役を演じ尽くす。
    そのあまりの飄々ぶりに、盟友からも疑念を抱かれることもあり、また仲良かった面々にも背かれ、その仲間が犠牲となって死ぬのを黙って見過ごしたり、盟友に先立たれたりとすごく辛い役柄である。

    感情はあまり表情に出ず、冷静でありすぎるため、彼に恋愛感情を持つと辛い男性だと思った。

    また、すごく人間関係が複雑。名前を覚えておかないと、誰がスパイだとか、この話はわざと相手方に筒抜けになる様にこの人を伴ったのではないかなどが分からなくなる。私は相関図を書いた。
    そして、敵方の主従が探り出したことを話し合う場面が折に触れ出てくるが、誰が話しているかを明記していないので、最初はドキドキする。推理小説のようにどうなるの?という楽しみがあった。

    伊達政宗の話を読んでからすぐだと、その頃からの存命の方が出てくるのでわかりやすい。また、3代目の家光までは政宗を厚遇していたのに、その変わりように、やはりというか徳川幕府の怖さを感じた。同時に、仙台はそれ以降は特に目立った藩主もなく、政宗の人間的魅力で保たれていた藩で、それも目をつけられる要因ではないかとも思い、いかに政宗の魅力が輝いていたかも感じた。

  • 忍耐。先を読んだ上での忍耐。

  • 伊達家お家騒動。組織、人事、事業継承が複雑に入り組んだケーススタディのようで、大作なのに紙面量を意識することなく没頭できる。

  • 秀作。
    長いけど、面白い作品は、苦にならない。
    少し読みにくいが、格式のある文章。綿密な人間描写。
    まだ、序章でこれから波乱を感じさせる。甲斐の人間性と関係する人との伏線。
    江戸時代初期は、まだ混乱の様相があったと言うことか。仙台藩にこのような出来事があったことは知らなかった。

  • 読みごたえあり。史実に題材をとっている。歴史好きにはお勧め。

  • 登場人物が多く関係の把握が難しい。

  • まだ序盤ではあるが、主役:原田甲斐による、”語らない”言動・“忍ぶ”行動から『覚悟』が早くも読み取れる。 どこまで背き、貫き通すのか。じっくり見届けたい。

  • 2015年11月10日読了。

  •  伊達むつの守、不届きにおぼしめさるによってまず逼塞まかりあるべく。陸奥守綱宗が品川の下屋敷に移った翌日、二人の斬奸が坂本八郎左衛門を襲い、別の斬奸二人が渡辺九郎左衛門を襲った。斬奸三人に襲われた畑与右衛門のもとを逃れた娘宇乃と倅虎之助が頼った宮本又市もまた斬奸二人に襲われた。上意を僭称するただならぬ事態に原田甲斐宗輔の帰国は延びた。

  • 大河ドラマの原作

  • 古今、東西、お家騒動は絶えないんですね~

  • 2014/7 名作だし、仙台に4年間住んだので読んでみたかった小説。我慢我慢の内容で辛いことばかりの描写。お家のため、か。

  • 史実の「伊達騒動」を題材にした創作。
    代表作とも言われる本作の魅力は「史実と異なる人物像を中心に据えながらも、題材を破綻させずに活かした事。そして、主人公(原田甲斐)を通して人間の本質を描いた事」だと思います。
    本作は、上・中・下巻という長編なので、登場人物の様々な側面が描かれており、武士という生き方に翻弄されていく人々をリアルに感じる事が出来ます。そして、そこから浮かび上がる、当時の武士が持つ死生観と主人公が持つ死生観の違いにも面白みがあります。
    また、主人公に多くを語らせず仕草や目の動きだけの描写をする事で、読者なりの解釈を入れる余地を残しているのが非常に嬉しい。
    緻密な創作の世界で、読者が自由に楽しめる箇所を作る山本周五郎氏の懐深さを感じます。

    登場人物も多く、呼称も複数あるので、読み進めるのが困難と感じるかもしれない為に★4としましたが、是非おすすめしたい作品です。

  • 伊達家60万石を守るため、原田甲斐が権謀術数蠢く政治の中心で静かに闘う。

    物凄い静かな闘いだ。心理戦とでも言うべきか。相手に何を仕掛けられても動じない。敵を騙すには味方から、と言うが、読んでいるこっちが良く分からなくなる。

  • 「伊達騒動」を題材とした歴史小説。
    当時も政治の世界はドロドロとしていて、その中で信を貫くことがどこまで通用し状況を変えられるのか。
    お家騒動から当時の幕府と藩との関係、藩政治の仕組み等、勉強になる。
    単に勧善懲悪の小説ではないところにこの小説の面白さがあるのかもしれない。次巻が楽しみ。

  • 【100冊目】私の大好きな山本周五郎の作品。伊達騒動に新解釈を加えた山本周五郎の代表作品。

    悲劇的な結末が待っているからこそ、周五郎の「生」への賛歌が際立つ。
    死ぬことより生きることの方が何倍もつらいはずだ、という周五郎の哲学に胸を打たれます。

  • 伊達藩に対する幕府の陰謀にただ一人立ち向かった原田甲斐の話。
    描き方が人情深く、ただそのことだけでなく、いろんな角度から「人間」というものを浮かび上がらせる感じがします。すごく静かな感じで書かれていて、原田甲斐も多くは語らないのですが、小説自体の書き方も静かな、でも重厚、それでも寄せ付けないような感じではなく、惹きつけるような感じ。

    山本周五郎とのことで、重く難しいイメージはありました。確かに最初は人名が違う名前で書かれたりして、覚えるのが大変でしたが慣れてくるとすいすい読めます。

    中も楽しみです。

  • 読んでよかった

  • 読んだきっかけ:古本屋で安かった(3冊280円)。

    かかった時間:2/21-2/25(5日くらい)

    内容:上巻は、伊達綱宗の逼塞の沙汰から、宿老茂庭周防の辞任まで。

    全く知識のないまま読み始めて、いきなり冒頭から数多くの登場人物が現れ、困惑する(@_@;)
    名前が、通称であったり、住んでいる土地名で呼ばれたり、覚えにくいったらない。

    大変重厚な小説です。なんたって山本周五郎です。読むだけで賢くなった気がします。面白くないはずはないはず。
    たぶん、本当に面白いです。

    さて、上巻で、主人公原田甲斐は、味方をすべて捨て、すべてから恨まれながら、敵の懐に飛び込んで行くわけだが!?

    あらすじを書きたいけど、複雑すぎるので、ズルして、wikiより転載しましょう。

    (wiki「伊達騒動」よりあらすじ抜粋・ネタバレあり)

    仙台藩3代藩主の伊達綱宗は遊興放蕩三昧であったため、叔父にあたる一関藩主の伊達宗勝がこれを諌言したが聞き入れられなかった。

    綱宗の放蕩は止まず、ついに1660年(万治3年)7月9日に家臣と親族大名(池田光政・立花忠茂・京極高国)の連名で幕府に綱宗の隠居と、嫡子の亀千代(後の伊達綱村)の家督相続を願い出た。7月18日に幕府より綱宗は21歳で強制隠居させられ、4代藩主にわずか2歳の伊達綱村が就任した。

    綱村が藩主になると、大叔父にあたる宗勝が後見として実権を掌握した。

    (上巻ここまで)

    (ここから中、下巻)

    宗勝は家老の原田甲斐宗輔らと藩権力の集権化を行い、地方知行制を維持しようとする伊達氏一門と対立する。一門の伊達安芸宗重と宗勝の甥にあたる伊達式部宗倫の所領紛争が起こると伊達安芸は幕府に一件を上訴する。

    1671年(寛文11年)3月27日、騒動の裁判を行うため大老の酒井忠清邸に原田甲斐や伊達安芸ら関係者が召喚される。
    原田甲斐はその場で伊達安芸に斬りかかって殺害する。
    だが、原田甲斐も安芸派の柴田外記朝意と斬りあいになった。
    原田甲斐は柴田外記によって斬られ、柴田外記もその日のうちに原田甲斐からの傷が元で死亡した。関係者が死亡した事件の事後処理では原田家や兵部派が処罰されるが、伊達家は守られる事となった。

    ……(@_@;)え!?

    なんじゃこりゃあ!
    どえらい騒動ですね。

    しかも、山本周五郎はこの「原田甲斐」を”良い奴”側として描くはずですが……いったいどうなるんだろう。
    中巻が楽しみです。

    さて、人の描写で感じたことを。
    原田甲斐と妻、律の関係や、おみやと宮本新八の「男と女の関係」が、非情に面白い。日本のドラマや映画などでなかなか描写されない、なさそうでありそうな粘っこいやりとりが、おかしみを誘います。ええ、中巻が、楽しみです。

  • 歴史小説の中でベストです。幕末物や戦国物のような派手さはないですが、ずっしりと武士道の真髄を示してくれます。

  • 序盤から、相互関係を含めて人物の把握に苦労しました。出てくる人が、とにかく多い。物語の主軸となる原田甲斐には、宿願を果たすために真意を多くは語らない姿勢と、信念を貫くダンディズムに魅力を感じます。普段、聞かれてもいないことまで饒舌に喋りすぎる、ある意味親切設計なキャラクターに触れる機会の多い私にはかなり新鮮に映りました。その姿は暗躍という言葉が似合うかもしれません。事の全容がつかみづらいのですが、まだ上巻。実際にあった事件を基にしているので結末はだいたいわかってはいるのですが、それでも先が気になります。

  • 途中までしか読めなかった

  • 上、中、下、3巻読み終え感慨に浸っております。良かったー。山本周五郎賞というのがあることは知っていながら、彼の作品を読んだことがなかったので読んでみたが、最初にトンデモナイ作品に触れてしまったようだ。こんな武士の、男の生き様があるのか。いゃ〜深い。こんな広い心を持った男になりたい。オレには到底ここまで出来ない。

  • 物語を思い出そうとしただけで、涙がやって来る。何かの目的を達成するためには、ここまで犠牲を払わなければならないのか?と言うくら払い払って生きた人、江戸時代前期の仙台藩家老で船岡城主であった、原田甲斐のお話。「伊達六十二万石を守る」ために、心魂身体を捧げた人のお話。

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