ユタとふしぎな仲間たち (新潮文庫)

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著者 : 三浦哲郎
  • 新潮社 (1984年9月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101135076

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ユタとふしぎな仲間たち (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 勇太(ユタ)は父を事故で亡くし、母と二人東北の山間の村に越してきました。
    彼は東京もんとしてなかなか受け入れて貰えず、寂しい日々を送っていました。
    そんな時仲良しの釜焚きの寅吉爺さんから、座敷童の話を聞き母の働く宿の一室に一人で泊まる事にしました。
    すると座敷童のペドロ達が現れ、彼を仲間として受け入れてくれました。彼はそれから度々座敷童達と時間を共にし、彼らがどうして座敷童になったのかを知ります。
    座敷童達は皆、村の凶作の時に口減らしとして行われていた「間引き」で命を奪われた子供達だったのです。
    彼らは優しく、時に厳しくユタと接し、座敷童達の境遇や想いに触れたユタは次第に自分を鍛え、村の子どもたちに受け入れられて行くのでした。
    そんな時にユタと座敷童たちにある事件が・・・・。


    ペドロはじめ座敷童の面々は、生きたくても生きられず、成仏したくとも成仏も出来ず、人を恨むでも無くただただ身を寄せ合って暮らしています。いつまで果てるともしれない時間の中を。
    言葉の端々に彼らのやるせなさが滲み出ます、俺が人間だったらなあ・・・、母ちゃんただいまって言いたいなあ・・・、お盆にやってくる霊たちにこんな姿見られたくないから隠れてるんだ・・・。
    あー駄目だ書いているだけで泣けてきてしまう。

    一言だけ言えることは、もっともっと彼らと一緒の時間を過ごしたかったです。3倍くらいのボリュームが有ってもよかったくらいです。これ子供の頃に読みたかったです。結構寂しい子供だった自覚は有るのでこの本読んでいたらきっと座敷童に会いたくて古い家に泊まりに行ってたと思います。

  • 死に縁どられた、あたたかいファンタジー。
    お父さんが海難事故で死んだという設定は、ああ、三浦作品だな、と思ってしまう。

    お寺の鐘の乗り合いバスとか、エンツコのエレベーターとか、子どものころ読んだら、きっとわくわくしただろう。

    悲しさとおかしさが、絶妙なバランスでまじりあっているのも、この作品ならではの味わいだろう。
    梅雨の時期は座敷わらしたちにとって、憂鬱な時期だということ。
    彼らが永遠に子どもの姿である悲しい事情とは別に、おむつが乾かないという、リアルな「事情」には笑わされてしまう。

    この物語を読んだ直後に、冲方丁の「光圀伝」を読んだ。
    個人的な偶然といえ、「水子」にするという共通点があって、ちょっとどきりとした。

  • 中学で読んだ思い出の本

  • 現代の昔話といった感じ。するすると読める秀逸な児童書です。

  • 「ワダワダアゲロジャガガイ」なんて哀しい響きなんだろう。

  • 父親を亡くし母の故郷である東北の田舎町に引越してきた都会の少年と座敷わらしの風変わりな交流。蒸れたオムツのにおいがする座敷わらし…奇抜な発想だ。日本むかしばなしのエンディングの歌を思い出すような、切なくて心温まる話だった。

  • そういえば劇団四季のポスターで見たことがあった。
    十二使徒のユダの話を作り替えたのかと思ったけれどそうではなさそうだとわかり。
    しかし、このあらすじを読んで、昭和初期の話だと思い込んで読み始めたものだから、ロケットが飛ぶような時代の話だと書かれていても違和感拭えず厄介だった。
    ユタが、都会から来た小学生という設定のせいか、音速を知っているとか、端々で小学生らしく見えない知識を披露するのも違和感あった。
    この時代の小学生で音速知っているって、よほどその方面に知識がなければムリじゃあないかしら。

    小学生にしてはずいぶんませている感のあるユタだけれども、自分を鍛えて、あるべき方向へ持っていこうとする。
    村の子供達にバカにされないように、という目的だったり、座敷わらし達の脚力に負けないように、という目的で自分を鍛える姿は、子供の成長物語としていい。

    座敷わらしが、生まれてすぐに間引きされたが故に、今でもおしめが取れない姿でいる癖に、天保の大飢饉あたりから生きていたりするから、煙管も吸えるというこのギャップが生む、子供でも大人でもないという存在だと知らされる感覚。

    座敷わらし達の住んでいた古い旅館が燃えてしまったことによる、ユタと仲間たちとの別れ。
    ユタが、村の子供達とも遊ぶようになり、仲間たちとの別れに正面向いていられる姿。
    明確な、子供時代の終わりだ。

  • 「ユタとふしぎな仲間たち」三浦哲郎◆東京で育った勇太は、母と共に東北の村に越してきた。村の子供たちにモヤシっ子扱いされていた彼は、ひょんなことから座敷わらしに出会い、少しずつ逞しくなっていく。座敷わらしの過去は悲しいものですが、湿っぽくならず、ほのぼのとした愛らしい作品です。

  • 三浦哲郎の本をどんどん読みたくて。
    友達が舞台でやっていたので、内容は知っていたけど、座敷わらし9人だったとは(笑)
    座敷わらしが愛しい。
    もっと彼ら一人ひとりの物語を読みたくなってしまう。

  • このお話は、父親を事故で亡くした主人公勇太が、母の地元である湯ノ花村に引っ越してきて、たくましく成長していく物語です。
    ある日勇太は寅吉爺さんと座敷わらしのことを話します。気になった勇太は座敷わらしに会うことを試みます。結果勇太は座敷わらしと友達になりました。
    この物語で出てくる座敷わらしは、江戸の飢饉の時代に生まれ、すぐに親に間引きをされた子供達の霊のなりそこないです。作者はこの座敷わらしたちを通じて命の大切さを伝えたかったのだと思います。
    私はこの物語を読み、命の大切さを実感しました。
    また、どんどん成長してたくましくなっていく勇太もかっこいいなぁと憧れました。

  • 座敷わらしたちのなんだか受け入れがたいおむつ設定に悲哀の生い立ちがあり、時報の鐘の音(コバルトブルー)に捕まって山頂まで飛ぶ。
    お小夜ちゃんの家庭事情が世知辛く、子供向けだけど甘えはない。
    人間だったらなぁ。
    彼らの悲哀はそこに尽きる。

    一方成長していくユタ。
    自らを鍛え、もやしの都会っ子から村の子供らのまとめ役にまでなっていく。
    健全な、むしろできすぎた成長。

    時が止まったまま永遠を生きる座敷わらしたちと、成長しながら短い生を駆け抜ける人間。

    幸福を授けてくれるという座敷わらしたちは、魔法を使いまくってユタを助けるわけではなく、ちょっとしたきっかけを与え、ユタはそれをうまく使いこなす才能があったのだと。

    切ないけれど、季節の巡りに合わせて彼らが都合で去っていくまで、爽やかで切なくて、構成の妙もありつつうまくまとまったよい作品だった。

  • 東京から東北の村へ転向してきたユタ(勇太)は周囲になじめず他の子供たちからはモヤシと呼ばれていた。
    そんなユタに旅館で働く寅吉じいさんは満月の晩に大黒柱のある部屋に一人で泊まると座敷わらしと出会えると話すのだった。
    ユタが意を決してその部屋に泊まると・・・。

    先日行ってきた金田一温泉を舞台にした三浦哲郎さんの児童文学。
    そういえば、東北旅行してから甥っ子が少し逞しくなったみたいです。
    オイラはオーブを写せただけで、ペドロみたいな座敷わらし達には出会えなかったけど、甥っ子たちは秘密にしているだけで座敷わらしに会って冒険してきたのかもしれないなぁ。

  • 言葉の使い方が良い。バリカンよりハサミ。20人に1人足りない数。とか。

  • これはなかなかいいです。
    父親が事故で亡くなり、母親といっしょに東北の田舎に引っ越したユウタ(ユタ)。
    はじめはなかなか村の子どもたちの仲間に入れてもらえません。
    そこに、座敷童子たちがあらわれます。

    座敷童子たちの言葉に励まされ、ユタは一歩づつ自分の世界を広げていきます。
    日本むかし話的なほんわかしたものが底流にながれていて、それが面白い味になっています。
    (座敷童子たちの出生の話はとても悲しい物語なのですが、このほんわかさで中和されて
    深刻にならずにすんでいます)

    2011/11/30

  • そこまでしつこくオムツのにおいに言及する必要があるのか謎ですが、さらっとしていつつ物悲しい感じは嫌いじゃないです。

  • 見たことはないけれど、ミュージカル化してたなぁ〜と
    手に取って見ました。

    東京から東北に引越してきた「もやしっ子」のユタ。
    座敷童達と出会い、冒険したり、身体を鍛えたりして、
    村の子供達とも溶け込んでいく。

    座敷童の出生の秘密は、飢饉による間引きの化身。
    煙草をすい、オムツを濡らし、少々臭いのキツイ彼らですが、
    顔も知らない母親を恋しがる場面では胸がつまりました。

    ユタと座敷童との別れはあっさりしていて、
    私には寂しく感じました。
    でも、それでいいのかな。

  • おむつがちょっとにおう、座敷わらし。
    溶け込むとたのしいかも。どんな環境も。
    ユタが筋トレをしてぐんぐん成長することもうれしい。都会的か田舎的かはおいといて、体を鍛えるのは成長すると思う。

    読んでたこれ、、、
    悔しすぎる

  • もとはケース入りハードカバーの初版本を父が持っていて、小2の頃読んでその後何度も読み返した。今年の1月には劇団四季のミュージカルを観て、主役たちと握手もしてもらった。
    座敷わらしとの友情、飢饉と間引きを繰り返した農村の歴史、都会っ子の少年が田舎に引っ越して成長してゆくさま、・・・人生の早い時期に出会えたことに感謝。

  • 「人間、なんでも、気の持ちようだぜ。」と座敷わらしたちが読む者に語りかける。どんな者の中にも,自分が思っている以上の可能性と勇気があるのだと思う。それを私たち自身が引き出そうとせず、諦めモードで過ごしてはいないだろうか? そのようにも問いかけてくる。
    「あなたの中に、可能性が眠っているよ。」って、背中を後押ししてくれる仲間が側にいるのだ。目に見えずともいるのだ…。
    一歩踏み出す力をくれる一冊です。

  • 三浦哲郎の小説を読みました。主人公は小学校の6年生のユタこと勇太です。 東北地方でも北にある山間の村に転校してきたばかりでまだその土地になじめません。そのため、友だちもできず退屈で寂しい思いをしています。 村の温泉宿、銀林荘で風呂焚き用の薪割りをしている寅吉じいさんに悩みを打ち明けると、寅吉じいさんは思いがけないことをユタに告げます」。 座敷わらしに仲間になってもらえというのです。座敷わらしを知らないユタでしたが妖怪だと説明されると、いると信じて会いたくなったのでした。お母さんに意気地なしだと思われているので、それを利用して胆だめしだといって満月の夜にひとりで銀林荘のはなれに行ってみると・・・ ユタと9人の座敷わらしたちとの短い間ながらの心温まる交流の物語です。 座敷わらしたちの生い立ちに隠された歴史的な悲話もあるのですが、座敷わらしたちはみんな何となくユーモラスで愛すべきキャラクターとして書かれているので実際に会いたくなりました。 40年くらい前に上梓された作品ですが、今も上演されたりしているようなので児童文学には古いとか新しいとかの概念はあんまりないのかもしれません

  • なんか題名から外国のファンタジーかと思いきや、昭和の日本和風ファンタジーでした。

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  • 割と有名な作品だったと思いますが・・・なんというか、普通でして、拍子抜けしてしまいました。
    日本に、世界に通用するような児童文学作品はないのでしょうか。
    おすすめの作品がありましたら是非教えてください。

  • 劇団四季の舞台を見たのは小学生の頃だった。奇しくも本屋で手に取ったのは三浦哲郎氏の追悼記念フェアで、『ユタと不思議な仲間たち』の文字を見て、この作品は彼のだったのかと初めて知った。あの舞台を見て演劇をやりたいと思い、声楽を深めていきたいと思った私にとっては心に残る作品の一つである。
    児童小説によくある不思議なものとの出会い、私は今でもこの類の児童小説が好きだ。しかし、一つ苦手なものがある。どの小説にも必ず別れがあるのだ。あれがどうも好きになれない。しかしながら、この『ユタと不思議な仲間たち』の別れはあっさりと後味が良いものになっている。物語りも小気味良く淡々と進んでいくのがとても印象が良い。
    私もいつかは出会うと思っていた、まだ出会ってはいないが、いつかきっと出会うことを信じている。きっと出会えるはずであることを、この物語がまた思い出させてくれた。

  • ★☆☆ 
    初めて読んだのは小学生のときだったかな。
    だから、何だか懐かしい気持ちになる。
    都会から来たユタが、座敷わらし達との触れ合いの中で、体も気持ちも強くなっていく。

    座敷わらし達が、ただの〝子どものお化け〟ではなくて
    その背景の歴史もからめて描かれているのが印象的。
    昔はただユタと座敷わらしが友達になって成長できるのがいいなぁって思っていたけれど、
    改めて読むと、座敷わらし達の存在意義を考えさせられた。
     
    (2007.10メモ→2010.04ブクログ)

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