- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101137032
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
一巻に引き続き、虐げられている部落民の切ない状況が続く。明治末期から大正初期の社会は第一次大戦のおかげで好景気となっているが、当然彼らにはそんな恩恵はなく、むしろ天皇中心主義、財閥の興隆など格差を感じる機会が多くなった時期でもある。そんな浮ついた状況を、子供の目線で冷静に純粋に感じ取っている描写が切ない。
-
橋のない向こう川の向こう側は、違う国や違う部落という解釈を(一)でしていた。
しかし妹山や背山の離された話を聞くと、現世とあの世という見方もある。
エタの手は夜蛇のように冷たい噂。不幸者は不幸者としか幸せになれないのかと、堂々巡りを考える。
読むほどに、噛むほどに、解釈の広がるタイトルであり、色んな意味を持たせてくれる住井すゑさん。ささやかな幸せが、好きだ。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/60552 -
3 「大人になる」とはどういうことか[辻智子先生] 2
【ブックガイドのコメント】
「被差別部落に生まれた少年の成長を日露戦争から水平社宣言へと向かう時代の中で描く。」
(『ともに生きるための教育学へのレッスン40』182ページ)
【北大ではここにあります(北海道大学蔵書目録へのリンク先)】
https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2000073502
【関連資料(北海道大学蔵書目録へのリンク先)】
・[単行本]1961年発行
https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2000169374 -
天皇陵の近くの部落に迫る立退き問題。イスラエルとパレスチナの対立に似ているなと思った。どちらが古くから住んでいるからどちらに住む権利がある、と簡単には言えない。結局は強いものが土地をもつというのは動物の縄張りの延長で大昔からの真理なのでは。
武やんの自殺という大変ショックな出来事もある。ハァ~、この本読むのつらい…。
孝二と貞夫の淡い恋が粉々に粉砕されるのもむごい。でも、まちえちゃんに罪があると言えるだろうか?そうやって教え込まれて、そういう社会の中で育ったら、それが「普通」になってしまうのではないか。教育と洗脳ってどう違うのだろう。
タバコ作りの話は興味深かった。苦労忘れ草か…。だとすれば貧しいほどタバコを吸いたくなる道理なのに、高価で買えないという皮肉。 -
歴史のことは苦手やけど勉強なるわー
-
再読です。
全巻の孝二は幼かったのですが今回は成長し、青年に近付いていきます。
成長と共に自分の境遇ととも向き合って行く。
答えのない悩みに、読んでいて一緒に胸が苦しくなってしまう。
産まれた時は皆裸でうまれて、違いはないのに。
思わず目を背けたくなってしまう。 -
時が満ちて読み始めた2巻。誠太郎も孝二も、成長とともに深く知る社会の不条理。切ない。