けい子ちゃんのゆかた (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101139067

感想・レビュー・書評

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  • 僕は一年半ほど前から庄野潤三の作品を読みはじめた。最初はおそるおそる読んでいた庄野さんの作品が今では身体にすっかり馴染んでいる。孫のフーちゃん、山田さん、うさぎのミミリー。庄野さんの作品で度々語られるだれかや思い出の場所を挙げだすともうキリがないが、出てくるたびに「こんにちは」という気持ちになる。知らない人やものだった彼らを庄野さんが何度も語ってくれることで、徐々に愛らしく、親しみのある存在として自分のなかに落ち着いていった。
    今僕は人生の大事な時期にさしかかり悩んでいる時間が多い。時おり本も読めないくらい心に落ち着きがなくなるときがある。けれども庄野さんの作品を読み出すとそういうざわめきが次第に凪ぐ。昔からの親しい人たちと会えたような、そんな気になり、心が暖まる。
    今回は保谷の古本屋さんでたまたま見つけることができた。本当にありがとうございます。

著者プロフィール

(しょうの・じゅんぞう)
1921年(大正10)大阪府生まれ。九州大学東洋史学科卒業。1955年(昭和30)『プールサイド小景』により芥川賞受賞。61年(昭和36)『静物』により新潮社文学賞受賞。65年(昭和40)『夕べの雲』により読売文学賞受賞。日本芸術院会員。2009年歿。

「2022年 『小沼丹 小さな手袋/珈琲挽き【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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