雪花草子 (新潮文庫)

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著者 : 長野まゆみ
  • 新潮社 (2012年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101139531

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雪花草子 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ページを繰るたびにむせ返るような濃密な香りが漂ってくる、そんな短編集。
    数えきれないほどの禁忌が描かれているが、豊かな表現力、魅惑的な色彩感覚が、あたかも薫り高い妖艶な古典作品を読んでいるかのような錯覚に陥らせる。
    思わず笑ってしまったのは、綺羅綺羅しい美男や凛とした少年たちとあさましい女性たちがあまりにも対照的に描かれていること。

    どのお話も最後の一文がひやりとするもので、雰囲気小説にない締りを与えている気がしました。

  • いかにも長野さん、という感じの小説。

    文章がとっても綺麗です。思わずうっとりしてしまいます。
    古風な世界観と、長野さんの漢字の使い方がよく合ってて、もう耽美、の一言です。

    題名からして、綺麗な印象。

    でも、中身はどちらかといえばドロドロです。
    一話目はともかく、二話目、三話目のラストはもう誰も報われなさすぎて見ていて辛いですね。
    特に蝉丸・・・不憫です・・・
    それでも文章の力でそれすらも魅力のひとつになっています。

    長野さんの、こういう、和風な話ってとても素敵です。また読みたい・・・

  • 大好きな、長野まゆみさんの作品!!
    あゝ、ほんとたまらない。

    3部からなるこの作品は、どれも美しい少年が、艶めかしく、舞うように、堕ちていく。

    美少年はそれだけで、価値があり、罪であり、愛でられ、忌み嫌われる。


    私が入り込む隙なんて、本当に全くないこんな世界、きっとどこかに存在すると信じてる。

  • 耽美な世界、儚くて凛々しくて美しい少年達。
    そして彼らを取り巻く狂気の垣間見える環境。

    禁忌を犯していたり、不条理だなと思ったり、報われなかったり・・・。

    それでも美しいと思ってしまう。

    かなり描写も露骨で内容も重めなところはありますが、長野さんの耽美な文章も手伝ってどんどん読み進めてしまいました。

    同性愛や性描写が苦手な人は読むのが辛いかもしれません。

  • 『白薇童子』
    自分の産みの母と知らずに、仇討ちのため夜叉の討伐にやってきた少年の話。
    女狐や夜叉など、伝奇小説を読んでいる気分。


    『鬼茨』
    武家の息子と猿楽の舞手、2人の少年が誤って将軍の側室の子・蜜法師の猫を殺してしまう。
    残虐で変質的な蜜法師にいたぶられる過程の緊張感と残酷な内容は読むに耐えないけれど先が気になって読み進めてしまう。
    冒頭の平和さと終盤の苛酷さの落差がとてつもない。
    酔いそうなくらい残酷で耽美な世界。


    『螢火夜話』
    将軍の妻が双子の男子を産み、跡目争いを避けるため一方の殺害を依頼された侍女だが、殺しきれずに赤子を川に流す。
    成長した双子と侍女が再会し、それぞれの運命が変わっていく。
    物語の筋としては単純なものの、登場人物全員見事に狂いきっている。


    淫靡で残酷な展開だけれど文章と言葉選びが美しすぎるのでするすると読めてしまう。長野まゆみは一体何者?

    そして解説もとても秀逸。
    禁忌とは何かを考えてみる。

    http://www.horizon-t.net/?p=882

  •  この作者としては少し異色。レトロな雰囲気を漂わせながらも基本的に現代的な世界で少年たちに起こる不思議な出来事を描いたファンタジー風の作品とはさまざまな点で一線を画している。
     日本の中世的な世界を舞台に描かれる妖異譚三篇。
     少年が主人公である点は変わらないが、古い時代に設定してあるのとプロットが比較的しっかりしている点が新鮮。糞尿譚的シーンではさすがにドン引いてしまいましたが、文章は相変わらずきらびやかで美しいので、それだけで陶然となってしまう。

  • 耽美です、同性愛です  
    しかしなんか雰囲気的にBLではない?  
    (個人的にはBLはもっとキラキラしているイメージ)  

    「白薇童子」  
    読んだのがだいぶ昔だからちょっと覚えてない……  
    けれども、狐のもみじがなかなかいいキャラしてたように思います  

    「鬼茨」  
    このお話は特に、書き用によってはすごく厭らしく描けるのに、それでも少年の美しさや清さ、耽美さが感じられるのはやっぱり長野さんだなあと思う  
    余韻がすごい  
    守るべきものを無くして、小凛は今後どのようになっていくのか  
    守る人がいないから、自分の不運な境遇を受け入れ、心を殺して蜜法師に使えていくのか  
    はたまた、再度復讐を企てるのか  
    完全に夜叉となる道を選ぶのか  

    「蛍火夜話」  
    苅安、蕗草、二蝶という三人の女の心境や行動に、女とは厄介だと感じる  
    蝉丸には何の罪もなく、健やかに成長するのはむしろ好ましいことだ  
    いや、双子の兄の死の上に生きるという運命に生まれついてしまったことが、彼の罪なのだろうか  
    苅安のみならず、二蝶の蝉丸を顧みない身勝手さには苛立ちを覚え、蝉丸がただただ哀れに思う

  • 美しい文章。
    淫靡に煌めく世界。

    あまり深く言及なされるな。
    堕ちますぞ。

  • この人、なんでこんなんばっか書いてるんだろう?どの話も必ずといっていいほど同性愛がてでくる。前に読んだのもそうだった。雰囲気のよい話なのに、いらないでしょうに。


  • 能楽
    とりかえばや

    言葉がきら(雲母)のように美しい。
    とても好みの譚。

  • もやっと終わるけどそこが楽しいとこなのかな?

    きれいですがすがしい気がするのにしてることは濃い
    どろっと怖いけど長野さんの小説はきれいで好き

  • お、おおおお……読んだ長野作品の中で一番どろどろとグロテスクで耽美臭が強かった…
    三話入ってるけど、話数が進むにつれにおいが強くなった。特に三話目はもう…最後の方顔顰めながら読んでしまった…
    鉱石倶楽部とか野ばらとかとは全く逆の雰囲気。妖しくて艶めかしくて黒い。長野さんこういうのも書かれるんだなあ…っていうかむしろこっちが本性なのかな。
    解説にも書かれてたけど、タブーの嵐。さらさらとえげつないことが書かれてる。二話目の蝶食べるとこは、うわああああっと。
    あー…耽美だなあ…ってしみじみと思ったな…耽美の意味、いつまで経っても掴みかねてるんだけど。こういう長野さんも好きだわ。本当に救いないけど。

  • ただ、ただ、美しい。

    しばらく読書から離れていた私を、容赦なく手繰り寄せた一冊。

    リズムよく流れる光景、時折の体言止めにふと目がいく。
    古典的な叙情の世界観がきちんと描かれていて、楽しい。

    そこに出てくる、美少年。
    少年の持つ妖艶さとは、少女の持つ清らかさとは何故か違う光を持っている。

    救われない濁りが話の水底に湛えられているのだが、それでも、読んで良かったと思えた。

  • 長野まゆみが1994に発表した御伽草子の文庫版。長野まゆみさんの作品は、初めて読みましたが、だいぶ印象と違いました。もっとメルヘンなお話だと思ってました。奈良/平安を舞台にした妖艶で官能的な少年たちの物語です。たぶんBLという事で良いんでしょうか。どの物語も読んでる最中は、クラクラとめまいがするようなむせかえる匂いに満ちているが、切ないラストが話を引き締めていて好感が持てました。数々のタブーを扱っているのに嫌味がない言葉の選び方や人物描写が素晴らしく、退廃的で耽美な物語をお求めの方におすすめです。

  • 美しくて妖しくて、切ない【毒】の詰まった3作。ハッピーエンド…かな?な1作品目に続く2・3作目は一気に読むのが辛いほど、胸の痛くなる切ないお話。特にやりきれない3作目。単行本ですでに内容は知っていても、やっぱり身構えてしまいました。作者様のあとがきが、文庫本ならでわの楽しみのひとつなのに、別の方の解説でがっくり。

  • 妖しく美しい文章が、残酷描写をも読者に受け入れさせる作品群。
    少年愛、近親相姦、身分や種族の違いといったキーワードが幻想的な和の世界を輝かせていると思います。
    「白薇童子」が一番主人公たちが幸せそうで好きです。
    「鬼茨」は蜜法師のあの性格の理由をちゃんと描写すれば、もっとよかったと思うけど狂気の愛が好きなのでまぁいいか。

    最後のはなぁ・・・。
    どんな事情にせよ、蟬丸に罪はないでしょ?
    手放した蛍姫の分まで愛情を注いでやるべきじゃないの?
    離婚で子供を手放す親が多い今、こんな人たちいそうで怖い・・・。
    自分の嫌いな「純愛」と似通ったものを感じたわ。
    やっぱり妖怪より何より人間が一番怖いね、ここで頭が現実に引き戻された。

  • 美しさの中に潜む妖しさや残酷さを漂わせる三篇の物語。どれも面白かったけれど、鬼茨のラストシーンは特に美しく印象に残っている。小凛を想う朱央と、正気に戻って朱央を腕の中で看取り、池へ沈める小凛…静かだけれど、なんて切なく残酷なんだろう。

  • 残酷で禁忌多々なんだけど耽美な和風ファンタジーに酔わされる夜叉絡みの三編。妄想が広がるほど容赦なく切ない。再読したいようなそれもしんどいような。

  • 残虐性と官能性溢れる一冊。

    鬼茨の朱央&小凛が印象に残った。
    二人の少年の関係性がとても好き。だからこそ悲しい。

  • タブーだらけなのに、不思議と不快感があまりない。決して綺麗な物語ではないのに、心を惹かれてしまう。どの運命もとても残酷で、とても美しい。個人的には、2つ目の「鬼茨」が気に入っている。
    美少年の容姿や、あれそれの描写が、本当に耽美的だなあ…

  • なんというか、えぐい。
    相当ドロドロしていて、相関図なんて書こうもんならって感じがする。
    綺麗な文章がすごく耽美的な世界観を作っているけれど、よくよく内容を考えると本当に恐ろしい。

    白薇童子は、一番終わり方が明るかった。
    異形になっちゃったんだから決してすっきりハッピーエンドではないけれど、他に比べたら全然幸せ。まあこれも相関図を書いたらとんでもないけれど。
    それにしても白薇童子は本当に綺麗なんだろうなあ。

    鬼茨
    たいそう悲しかった。
    少年が二人、いかにも長野さんらしい、美しくて、儚げで、残酷なお話だった。
    小凛が異形に身を落として朱央を殺してしまうシーンは、脳内に映像がくっきり浮かぶようだった。
    二人があまりにも報われないお話。
    まあ、それでもこれは人物相関はだいぶ単純。

    最後、螢火夜話
    これは人間関係一番とんでもない。
    親子じゃん!兄弟じゃん!とかいちいちつっこんでいられない。
    内容もだいぶつらい。
    蝉丸がとにかく不憫で不憫で仕方ない話。
    彼は何も悪くない、ただ運が悪かっただけ、というにはあまりに悲惨な運命だった。
    せめて刈安にだけはすがりたかったのに、それすらも振り払われてしまう様が見ていられなかった。それが彼にとって一番残酷だったかも。

    長野さんらしさ満載かつダークな短編集、読む人を選ぶかも知れないけれどハマる人はとことんハマると思う。
    私はとても好き。

  • 世界観がすごくすき。綺麗。
    さらさらと読めた。

    他の長野作品も読んでみたくなった。

  • 自分が学校で古典が苦手だったことを悔やんだ本。
    そこまで古典単語がでる訳ではなく絵本のような文体だけど、美しくて儚くて残酷な本でした。
    少年たちが無垢で健やかなのに官能的に書かれててすごい。
    身分差や近親ネタは腐女子的にも満足でした。

  • う~ん。。
    う~~ん。。。
    記憶には残る話。

  • 「草子」と言うぐらいだから、大昔の話。
    内容は近親愛や同性愛・・・。
    長野まゆみって、こんな作風の人だったっけ?ちょっと驚いた。

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雪花草子 (新潮文庫)の作品紹介

都の北東、深山に棲まう白薇童子は、父・地雷鬼の強くあれという望み虚しく朱唇艶やかな美貌の夜叉。これを母の仇と討伐に向かった中納言の嫡男・琉璃若。宮処で対峙したものの、半陰陽の童子にいつしか心奪われ…不思議な縁を描く「白薇童子」他、夜叉に堕ちゆく美しき舞手の苦悩、将軍家に生を受けた双子の運命の悲哀など、心に巣食う残虐性を流麗な文で綴った官能溢れる草子3編。

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