雪花草子 (新潮文庫 な 49-3)

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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101139531

感想・レビュー・書評

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  • いかにも長野さん、という感じの小説。

    文章がとっても綺麗です。思わずうっとりしてしまいます。
    古風な世界観と、長野さんの漢字の使い方がよく合ってて、もう耽美、の一言です。

    題名からして、綺麗な印象。

    でも、中身はどちらかといえばドロドロです。
    一話目はともかく、二話目、三話目のラストはもう誰も報われなさすぎて見ていて辛いですね。
    特に蝉丸・・・不憫です・・・
    それでも文章の力でそれすらも魅力のひとつになっています。

    長野さんの、こういう、和風な話ってとても素敵です。また読みたい・・・

    • にゃんこさん
      フォローありがとうございます。この場を借りてお礼します(*^_^*)

      マイブームが長野まゆみさんです。
      このレビューを読んで雪花草子読んで...
      フォローありがとうございます。この場を借りてお礼します(*^_^*)

      マイブームが長野まゆみさんです。
      このレビューを読んで雪花草子読んで見ました。素敵な世界観で思わず引き込まれて…。確かにドロドロした作品ですが、文章が綺麗ですよね(>_<)
      2012/11/27
  • 大好きな、長野まゆみさんの作品!!
    あゝ、ほんとたまらない。

    3部からなるこの作品は、どれも美しい少年が、艶めかしく、舞うように、堕ちていく。

    美少年はそれだけで、価値があり、罪であり、愛でられ、忌み嫌われる。


    私が入り込む隙なんて、本当に全くないこんな世界、きっとどこかに存在すると信じてる。

  • 耽美な世界、儚くて凛々しくて美しい少年達。
    そして彼らを取り巻く狂気の垣間見える環境。

    禁忌を犯していたり、不条理だなと思ったり、報われなかったり・・・。

    それでも美しいと思ってしまう。

    かなり描写も露骨で内容も重めなところはありますが、長野さんの耽美な文章も手伝ってどんどん読み進めてしまいました。

    同性愛や性描写が苦手な人は読むのが辛いかもしれません。


  • 能楽
    とりかえばや

    言葉がきら(雲母)のように美しい。
    とても好みの譚。

  • 美しくて妖しくて、切ない【毒】の詰まった3作。ハッピーエンド…かな?な1作品目に続く2・3作目は一気に読むのが辛いほど、胸の痛くなる切ないお話。特にやりきれない3作目。単行本ですでに内容は知っていても、やっぱり身構えてしまいました。作者様のあとがきが、文庫本ならでわの楽しみのひとつなのに、別の方の解説でがっくり。

  • 軽率に読み始めたら美少年をいたぶる系の長野まゆみだったので、途中から戦慄した。『白薇童子』はともかく、『鬼茨』『螢火夜話』の容赦の無さよ……相変わらず、軽やかに笑いながら真綿で首を絞めるように追い詰める描写が上手過ぎるので、単なる読者であっても泣きそうになる。とりわけ蟬丸の置かれていた立場や心中、末路が一番きつかった。あまりにも慈悲が無い、と思いつつも、なんだかんだ彼の最期のシーンが一番好きなのでどうしようもない。

  • 禁忌にこそある背徳的な美が書かれている気がします。幻影的な世界観で、長野まゆみ文学の骨頂。

  • 美しさには、仄暗い狂気が隠れている。
    そんな作品でした。
    長野先生だからこそ書けるもの、という感じですね。

  • 一陣の風が吹き、人の丈ほども繁った小笹が、
    さらに波のように立ち上がる。

    蟬まるを抱いた苅安を包みこむように蔽った。
    (白薇童子/鬼茨/螢火夜話)

  • 久々に長野作品手に取ったら予想以上に濃くて長野ワールド(裏)全開で驚きました。

    個人的には1話→3話→2話の順で好き。
    2話目はちょっと気持ち悪くなり読み進めるのに時間かかりました(笑)蜜法師…ちょっとキツい!

    しかし相変わらず隠語というか…結構書く人によっては指定入りそうな濃さの内容なのに長野さんはうまくやんわりそれでいて耽美に仕上げていて毎度ながらすごい文才だなぁと思う。文章から想像する景色がまたリアルで綺麗。


    欲を言えば
    藤の宮と白萩メインのお話が読みたいです。

著者プロフィール

長野まゆみ(ながの・まゆみ)東京都生まれ。一九八八年「少年アリス」で第25回文藝賞を受賞しデビュー。二〇一五年『冥途あり』で第四三回泉鏡花文学賞、第六八回野間文芸賞を受賞。『野ばら』『天体議会』『新世界』『テレヴィジョン・シティ』『超少年』『野川』『デカルコマニア』『チマチマ記』『45°ここだけの話』『兄と弟、あるいは書物と燃える石』『フランダースの帽子』『銀河の通信所』『カムパネルラ版 銀河鉄道の夜』「左近の桜」シリーズなど著書多数。


「2022年 『ゴッホの犬と耳とひまわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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