あのころのデパート (新潮文庫)

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著者 : 長野まゆみ
  • 新潮社 (2016年6月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101139548

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あのころのデパート (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • デパートや大型スーパーの閉店が相次いでいる。
    特に、今年2017年に入ってからの勢いはとどまる事を知らない。
    あ~あ、デパートってオワコンなんだなあ…
    ニュース記事では、その理由を経済評論家が分析している。
    郊外型の大型施設に取って代わられたとか、アウトレットが人気とか、駅前で買い物しなくなったとか、通販が盛んになったとか…
    どれも、「今の状況」としては間違っていないのだろうけど…
    震災や、世界経済の影響は別として、何事も突然始まるものではない。

    長野さんのエッセイだから読みたくて手に取ったのだが、デパート勤めが題材の自伝的エッセイかと思ったら、『老舗デパート、なぜ閉店相次ぐ?どうしてこうなった?』という理由が、余すところなく語られているように感じた作品でもあった。

    私などはおおいに「あのころあったね~」と楽しんで読ませていただいたが、若い人には良く分らない部分も多いだろう。
    長野さんいわく『デパートというのは昭和文化の展示場』という一言に尽きる。
    時代世代が違ってしまったのだ。

    かつてデパートは、行けばわくわくできた場所、見たこともないようなものが毎回発見できる場所、だった。
    今、そういう気持ちを満たしてくれるのはセレクトショップ。

    かなり始めの方には、デパートとは、
    『日ごろはつつましい暮らしぶりの庶民が、手の届く範囲で、ささやかな贅沢と非日常を味わうことのできた場所』と書かれている。
    あら、それテーマパークね。

    しかし、建物が重要文化財に指定された日本橋高島屋などはどうだろう。
    長野さんは、見学ツアーで取材してきた。
    三越日本橋店は、長年のお得意様であるシニアに向けた欧風エレガンスな空間作りをしているらしい。
    少数の店舗が、「骨董品的価値」という形で生き残ることに落ち着くのではないか?…そんなこともいろいろ考えた。

  • 昔、デパートは「ハレ」の場だった。
    そんな時代を、ノスタルジックに回想しながら、著者自身がデパートに勤務した時の逸話も記した、ルポルタージュ的エッセイ。

  • 長野まゆみさんの作品が好きなので読んでみたが、長野さんってこういうキャラだったのかと以外に思った。思っていたよりこだわりが強そう。
    子供の頃のデパート、自分が働くようになった頃のデパート、今のデパートと、ちょいちょい脱線しながらつらつらと語っており、デパートの魅力や裏事情だけでなく、時代背景やお中元豆知識までわかって面白かった。

  • 長野さんは、バブル期直前までの一時期を、デパートの店員として勤務した経験があるという。
    関西拠点の、電鉄会社を母体とするKデパート、つまり、近鉄百貨店の東京店。
    本書いう「あのころ」の大半は、確かにその時期のことを指す。
    が、お母さんもデパートに勤めた人だったとのことで、話はもう少し古い頃のことも出てくる。

    私自身も八〇年代後半ごろからなら、なんとなく記憶にあり、また住んでいたのが地方だから、まだ八〇年後半でもここに書かれているようなことは、まだ残っていたかもしれない。
    そのせいか、なんかとても懐かしかった。
    デパートに定休日があったころ。
    デパートの店員さんが制服を着ていたころ。
    表紙にもあしらわれている、チュールリボンで作った花なんかもあったなあ。

    その昔、「暮しの手帖」が、デパートのテストをしたことがあったという話が紹介されていた。
    贈答品として砂糖を贈る習慣があったころのことらしい。
    チェック項目は伝票に誤字があるかどうかまで及んでいたという。

    レトロスペクティヴな傾向はあるけれど、筆者は一方で、不便だった「あのころ」に戻れるのか、と問いかける。
    あの震災の直後に書かれた文章だけに、便利な現代の生活をどう受け止めるかが、筆者自身も自問するところだったのだろう。
    きれいごとだけではすまされないものを、指摘された感じがする。

  • 長野さんが今時のデパートにもの申すめんどくさいおばちゃんにならず嬉しい。働く側として少しでも関わったことがあると、さらに面白く読めるかもしれません。

  • 昭和の懐かしいデパートの事が色々語られたエッセイ。
    笑えるというものでは無く、興味深いといった内容。

  • デパートってわたしみたいな若者はあまりもうワクワクしない年代だと思うんですけど、「あのころのデパート」はすごく魅力的でした。サザエさんではデパートに張り切って買い物に行く場面があったりしますけど、ああいう感じなんですかね。よそ行きのワンピースでめかしこんだ女の子がお子様ランチを食べている場面を想像してほほえましく思います。就活を終えたばかりなので、デパートで働くのもいいなあ、なんて。

  • ノスタルジック。
    私の母もデパート勤めをしていたので、その頃の思い出話を聞いてるようでした。

  • デパート用語(接客用語)、店員同士の符丁(隠語)、暇つぶしに来る面倒くさいお客様。小売業で働く今の自分にも当てはまることから、時代が変わったんだなー、と私が当然知らない昭和のデパートの裏話の数々は面白い。
    暇つぶしに来たあげく、新人か若いスタッフに怒鳴り散らす(極端な例だろうが)ような迷惑な人は何時の時代でもいるものなんですねえ。
    ほかにも細かな事情は異なるも、似たような悩みはこういった職業につく人の共通の悩みなのだと、何度も肯きながら読んだ。

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あのころのデパート (新潮文庫)の作品紹介

幼い頃は〈よそゆき〉を着て、家族でおでかけするのが休日のお楽しみ。お子様ランチを食べたあとは、屋上遊園地へ。それから十数年後、百貨店員となり、その裏側をたっぷりと経験した。独特の流儀、厳しい労働環境、困ったお客さま……。そして今、ひとりの消費者として思うこと。時代を越えて見つめ続けたデパートの姿とは。懐かしさと驚きが満載!

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