| ブログで紹介する» |
|
Check |
|
|
みんなのタグ
この作品からのみんなの引用
みんなの感想・レビュー・書評
吉行淳之介は『夕暮れまで』だけしか読んだことがなく、しかしその作品の印象がなかなか良くて気になっていた。
そこで、吉行の娼婦物を中心に読んでみることにした。
・「原色の街」
気に入るということは、愛することとは別のことである。気に入るということは、はるかに微温的なことだ。
・「驟雨」
その女を、彼は気に入っていた。気に入る、ということは愛するとは別のことだ。愛することは、この世の中に自分の分身を一つ持つことだ。それは、自分自身にたいしての顧慮が倍になることである。そこに愛情の鮮烈さもあるだろうが、わずらわしさが倍になることとしてそれから故意に身を避けているうちに、胸のときめくという感情は彼と疎遠なものになって行った。
かなり面白かった。
上手く言うことはできないけれど、これまで僕は、吉行淳之介は女性や女性に対したときの男性を描くのが上手いのではないかと思っていた。例えば吉行淳之介の作品には、風俗嬢のような人が登場して、それが魅力的であることが多いので、そうした気分のときに吉行淳之介を手に取ることが多かった。
けれども、この短編集を読んで、特に「漂う部屋」を読んで、吉行淳之介の別の側面を見ることができたと思う。「漂う部屋」には、『生の極限の姿から醸し出される奇妙なユーモア』に富んだ場面がたくさん登場する。どうしてこうまでいやに心に残るのかは分からないが、ユーモアと言わざるを得ないというような場面である。これが非常に面白いというわけである。
暗色の絵画のような文章が、読物の中に引き摺りこんでくれます。
性的な話を美しいと感じたのは、この人の本が初めてだったと思います。
人に薦められて久々に感動した本。
三島由紀夫はその豊穣で形式ばった文体ゆえにそれに固執し、破綻したと考えているので、ベンチマークとしている以上、同じ道を歩むのかと、傲慢にも考えていたが、吉行淳之介の怜悧かつ流麗な文体が更にその先の道を照らしてくれたと直感した。
浦野所有。
芥川賞受賞作。…ですが、この1冊だけでは、吉行淳之介の何たるかが理解できませんでした。
作風としては、一つの物語のなかで次々に話者(視点)をかえることで、立体的に見せるというのが特徴なのでしょうかね。
芥川賞シリーズ⑧
娼婦との純愛物語といえる。設定が現代には合わないが、人を愛することの切なさがとてもよく表現されている。アカシアの葉が一斉に落ちていく場面で主人公は自分の心の葛藤も整理できていったのでしょう。
文学的作品なのでしょう、奥行きが深く読み砕けばさらに深く理解できそうですが・・・。
読みやすい文章。なかなか煽情的なお話です。面白い。初めて読んだ時は衝撃でした。
吉行淳之介の短編集です。収録の「原色の街」は、東京都墨田区・「鳩の街」のカフェー街を舞台に、女給と遊客との関係を描いた作品です。当時の赤線の様子を知ることができます。
まるで、懐かしい日活の映画でも観ているかのような物語だった。
乾いてんな、
とも思ったが描かれているのが単に都会だからなのかもしれないな。
文体も描写も非常にしめっている。
いや、どちらかと言えば濡れている。
なんか下世話な話になってきたな。
作者が男性なので客観的な観察を通してではあるが、女性の描写をとても繊細に描いていると思う。
淡々としている。
なんてことはないお話だが、
読むのは非常に楽だった。
でも何というか私には引っかかりがあまりにもない物語だったな。
現代っぽすぎるんだろうな。
そして私に気がなさ過ぎたのか、
ただ、
海の上をきらきらと輝く太陽のまぶしいばかりの光が、私のまぶたの裏にも今も焼き残っているような気だけがふとする。
残ったのはそれぐらい。
この物語の全体とはほど遠い、
な。
2008/07/15
夏の休暇 は
グワっとせまる夏の濃い青の空の色と
夏休みの妙にゆったりとした生ぬるい時間
強すぎる太陽が地面を焦がす匂いを感じる話
あっけらかんとした語り口
予感に焦るまだすこし純な娼婦に自分を重ねるように私もいつかなるんだろうか
吉行淳之介は病弱で、東大英文科に入っても学業に勤しむ気がおこらず、さっさとやめて女学校の教師になり、さらに編集者に憧れて、雑誌社に入っている。思想から離れて娼婦の街に着目した。
表題二作は娼婦をモチーフにした作品。
しかし、一番好きなのは、結核の病人達を描いたラストの「漂う部屋」
病院独特の死を連想させる雰囲気とは対照的に、ユーモラスに人間の性を描いている。
作風としては、全体的に捉えがたく、読んでいてラストが無く、このまま延々と物語が続くのではないかという不思議な印象を得た。






