目玉 (新潮文庫 よ 4-16)

著者 :
  • 新潮社
3.51
  • (6)
  • (9)
  • (23)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 105
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101143163

作品紹介・あらすじ

白内障にかかった自分の目玉をプラスティックの人工水晶体にとりかえる大手術。その模様を、焦燥とも悲愴感とも無縁な、子供のような好奇心でクールに眺める作家の視線-。読者の意表をつき、ユーモアさえ感じさせる表題作のほか、鋭利な感性で研磨された過去の記憶が醸しだす、芳醇な吉行文学の世界。7編収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 病弱でインテリでセクシー。
    こんな人がいたら2秒で恋に落ちます。
    でもこの人とは幸せになれないだろうなー

  • どことなく儚げな色気

  • 勝手に短編小説集かと思い読み始めたのですが、エッセイなのかそれともエッセイ形式の小説なのか、その世界に誘われてしまったんでしょうな、当方。
    幾つかの話に独特の視点が感じられ、まぁまぁ楽しめました。やっぱりこの作家は「短さ」にその特性がありますなぁ。表題作然りですが、着想には唸らされますが、絶対に長編向きの語りじゃないもんね。

  • 戦争体験も病気の描写も、淡々としていて客観的。昭和を感じさせる短編集。

  • 自伝エッセイみたいな感じ?
    自分には微妙だった

  • 再読。旅のお供として新幹線の中で読了。主に病気に纏わるエッセイ風短編小説集。実にたくさんの病気と共生されてきた方なのですね。そこから甦る昔の記憶や情景、人間との関わりを淡々と語られるエピソードはシニカルでいて優しく粋な味わいです。白内障で先輩風を吹かす埴谷雄高とのやりとりが可笑しい。ひと昔前の文士はダンディ揃いで本当にステキです。

  • いのししの肉がおもしろかった。「目玉」の手術部分の描写が生々しく
    読めずに飛ばした。自分の目玉が妙な按配に・・・・

  • 吉行氏にはめずらしく女性の気配がない。質実でしっかりした文章が妙に新鮮だった。驟雨のような重さはなく、からりと読める。

  • 語り口がけっこう好み。

  • 病弱な自身、自分を取り巻く病気をエッセイ風に、淡々と綴る。客観的でユーモラスな視点ながら、人間が歳を取り、体の変調をきたしながら日常を送る事実を感じ、どこかうら寂しい。

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大正十三年(一九二四)、岡山市に生まれ、二歳のとき東京に移る。麻布中学から旧制静岡高校に入学。昭和十九年(一九四四)九月、岡山連隊に入営するが気管支喘息のため四日で帰郷。二十年東大英文科に入学。大学時代より「新思潮」「世代」等の同人となり小説を書く。大学を中退してしばらく「モダン日本」の記者となる。 二十九年に「驟雨」で第三十一回芥川賞を受賞。四十五年には『暗室』で第六回谷崎潤一郎賞を受賞する。主な作品に『娼婦の部屋』『砂の上の植物群』『星と月は天の穴』『夕暮まで』など。平成六年(一九九四)死去。

「2022年 『ネコ・ロマンチスム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉行淳之介の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
安部公房
村上 春樹
三島由紀夫
フランツ・カフカ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×