僕を殺した女 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (550ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101145211

感想・レビュー・書評

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  • 僕が目覚めたら知らない男の部屋にいて、しかも女になっていた。
    その上、5年後の未来になっていた。
    これだけでも驚くべき設定なのだが、さらに僕が別に存在しているようだ。
    謎だけではなく、殺人まで関わってくるという展開。
    謎はどう明らかにされるのか。
    答えを知りたくて、貪り読んだ。
    面白かった。
    でも、謎の解明が少しわかりにくい点があったように思った。

  • 僕が朝起きると①女に変わっていた②5年後にタイムスリップしていた③そして、もう一人の僕が存在していた

    という、わけわからんがてんこ盛りの作です。
    しかし、2/3を読み終えてもまた新たな事実や謎やらが出てきて、着地点が全く見えない。
    こちらも深酒して記憶喪失してるかのような酩酊感が味わえます。
    オチにたどり着くよりも、ずっとこのループ続いて欲しかったくらい。
    ある意味のらりくらりとした展開に感じる向きもあるので、明快さが好きな方には不向き。

  • 色々と絡み合いすぎてないかな。医科学系の知識はあるのでしょうけど、記憶をなくしたらなんでもありなの? って言いたくなってしまった。逆に言えば、それだけ現実の記憶というものが曖昧で、かつ、アイデンティティ問題がいかに難しいかを示しもしているのかな。

  •  知らない部屋で目覚めた。
    正確には僕が昨日眠りについた部屋だったが装飾が変わっていた。鏡に映る自分の姿は明らかに女で僕は昨日までは男だったはずだ。玄関の新聞の日付は昨日から5年後を示している。「篠井有一」は5年後の部屋の住人に意識が移っていた。

    すごい設定だろう?朝起きたら性別が変わっていて、タイムスリップもしていたんだ。それでいて場所は変わってない。意識だけが未来の同じ部屋の住人へ飛んでしまったとしか思えない状態だ。この非現実的なSFをどうミステリーとして論理的に帰着させるのかがこの作品の見所であろう。
    終盤の種明かしは複雑を超えて「僕を殺した女」に関する論文のようだ。今作品の出来事は一言で語るにはあまりにも多くの魂胆が入り組みすぎている。

  • 朝起きたら部屋に知らない男がいる…
    しかもオレ、女になってる…
    しかも、え?5年経ってる…?

    というとてもおもしろそうな設定で
    楽しく読んでいたのですが

    これはファンタジーではなく
    科学的にそんな現状を解き明かしていきます

    残念なことに
    少しずつ日を開けて読んでいたため
    後半の種明かし部がハチャメチャ過ぎて
    わけがわからなくなりました

    「わたしたち」「入れ替わってる?」
    がファンタジーじゃなかった話です

  • かなり古い物語だしあまり期待をせずに読み始めた。
    目覚めたら性別が変わっている・・・そんな馬鹿なと思うけれど、当人である僕は混乱し夢だと自分に言い聞かせ、やっぱり現実だと打ちのめされる。
    荒唐無稽な話を、ひとつひとつの可能性を探りながら物語は進んでいく。
    登場人物も多く、しっかりとした役割が個々に与えられていた。
    どの人物も意味もなく登場してはいない。
    物語が決着するための大切なパーツのひとつとして構成されている。
    だが、いろいろと盛り込みすぎでは?と思う箇所もあった。
    偶然に思えた出会いも必然だったと最後にはわかるが、精神状態が不安定な主人公・僕に引きずられるように、物語もまた不安定に揺れ動いているような気がした。
    その揺れ具合がこの物語の醍醐味なのかもしれないが・・・。
    ラスボスとも言える人物の覚悟がやけにあっさりとし過ぎていたのも気になった。
    薄氷を踏むような緊張感がまるで感じられない。
    追い詰められた人間がその場しのぎに犯行を重ねていったようにしか思えず、何か大切なものを捨ててきてしまった。
    もともと持っていなかったのかもしれないが、薄っぺらな人間になってしまっていて残念だった。
    とは言っても読み応えのある物語だったことは間違いない。
    行きつ戻りつする僕の精神状態が多少うざかったけれど、それもまた物語の面白さにつながっていたと思う。

  • 目覚めたら「女になって」「5年経って」「その間の記憶を忘れていた」、というとんでもない出だしなだけに超常を疑って読んでいたので、現実的な解を持ってきたことには素直に感動。なのだが、やはり無理矢理感は否めない訳で、説明できればなんでもありというのは望んでいたものとは違う。とは言っても、この設定を畳む手腕は見事と言うしかないので、おいおい、これをどうやって理に落とすんだよと気になった人は読んでみても損はないかと。

  • とりあえず主人公の性格が悪いよねと思う。
    表面に出てくるものではなくて、根っこの部分で性格の悪さが出ていると思う。
    最後、ちょっとはっきりしないところがあるけど、あーそーなんだ。で終わる感じ。

  • この作家バカでしょ。なにこの盛り沢山?最初のタイムスリップ疑ってるあたりはよかったけど、一卵性双生児に半陰陽に多重人格にレイプになんでも盛りすぎだろ。文庫540ページも引っ張ってこれはない。

  • はじめからどんどん引き込まれていく。しかし、どんどん難解にもなってくる。そして驚くべき事件の連続。複雑過ぎる。

  • 目が覚めたら性別が変わっててしかも5年の年月が経っていた、という最初の設定をSFじゃなくどうおとすのかな、というのに興味を持って読み始めました。
    二転三転してついていくのが大変、っていうのは私の理解力が低いせいかもしれないけど、それにしても読み終わったときには、この内容だったらSFのほうがまだスッキリしたかも。。。と思ってしまいました。

    超私見ですが、ミステリの種明かしに多重人格や一卵性双生児をもってこられると、ルール違反!と思ってしまうので、その両方に加えて外見を変える外科手術まで出て来て、正直ゲンナリでした…。

    ただ、読んでる途中では自分自身がアイデンティティを否定されて、拠り所がなくなったら。。と考えてちょっと怖かったです。

  • 記憶喪失に性同一性障害(?)に多重人格に虐待とか、、、。
    なんか、色んな事がてんこ盛りすぎて疲れたぁぁ(^_^;)

  • 私には読みづらかったです…

    主人公が自分の身に起きた事を予測して行動していくのですが、考えがブレまくりです。
    まあ実際このような状況になったら何も信用できなくなるのは分かりますが、目の前で起こったことだけを説明できる予測しかしないので、今までとの齟齬が生じているように思えてしまい読んでて疲れました。

    このような話にありがちなSF感がなくて、リアリティがあったのは純粋に上手いと感じました。

    ただ、最後のトリックの説明をする場面はちょっと茶番感がすごかったですけど。笑

  • 展開が予想を超えすぎて…
    ちょっと複雑すぎて混乱するけどそれに文句言う人はその程度の頭ってことです。

    いろいろ裏切りがあって面白い。

  • お話としては、面白かったです。
    SFかと思ったらどっこい現実のお話、みたいなレトリックには、これがデビュー作なのか…と驚かされました。

    ただね…
    主人公が、根拠薄弱な推理をこれでもかと断定口調で繰り出してはことごとく外れる、という展開にいささか食傷気味になってきて、しまいには何を言われても「あーはいはい、またですか」みたいな反応になってしまいがちなのが惜しいと思います。加えて話が長い。

    もう少しコンパクトにまとめてスピーディになっていたら、すごく面白く感じられたのかなぁ、などと勝手ながら思いました。

  • 予測がつく展開。しかし、何故そこに至るのか、各々の心理が上手く語られている点がとても興味深く読み進められた。
    たまに、理解に苦しむことがあり、読み飛ばした部分も多々あった。ただただ筆者の力量に感嘆した。これがデビュー作だなんて。
    ラスト一文が、爽やかでそれまでの複雑さが綺麗さっぱりまとまっている。

  • この人の本二作目だけど全部こんな感じなのかな。結局のところ真相は二者択一でAだと思ってたらB、いやいや実は…みたいな感じなので展開は読みやすい。

  • 帯に惹かれて購入。(どんでん返しと書いてあるとつい・・・)

    北川歩実のデビュー作。
    アンソロジーに入っていた作品と合わせて2作しか読んだこと無いけど、
    この作家さん、苦手かも・・・。

    発想は良いと思うけど、物語がついてきてない気がする。

  • 難解です。ただ解決に向かっていく後半はトイレに行く時間も惜しいぐらいに本から目を離したくなくなります。

  • 少々複雑すぎて疲れてしまった。
    登場人物の相関、多重人格、性同一性障害、記憶喪失、相続、敵と味方‥
    これだけの要素が複雑に絡み合うと、どこかに綻びが出そうなものだが、最後にはきちんと説明づけられらる。
    それでも読んでいて、混乱してしまいそうで危うい。
    ウトウトして読んでいたら、また戻ることになる。

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