貧困の僻地 (新潮文庫)

  • 65人登録
  • 3.38評価
    • (2)
    • (8)
    • (11)
    • (3)
    • (0)
  • 7レビュー
著者 : 曽野綾子
  • 新潮社 (2011年10月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101146461

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
ドストエフスキー
遠藤 周作
三浦 しをん
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

貧困の僻地 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 日本財団会長(当時)として支援活動のため世界各地を飛び回る中で目にした事をエッセイとしてまとめた内容。ボランティア精神の欠片も持ち合わせていない自分を恥ずかしく思いつつ、身近にできる小さな親切からでもやらなくてはと鼓舞させられた。

  • 曽野綾子さんの考え方が、色濃く出ています。「日本人よ、もっとしっかりしなさい。そんなことでどうするの」と叱られている感じがします。小説よりエッセイのような短文の方が考え方がはっきり表れますね。

  • 内容としては、貧困と呼ばれる地域での生活やそこで奮闘する人々との関わりを通じて著者が感じたことをまとめたエッセーである。

    がしかし、他国のことをいいながらも、「で、に日本人であるあなたはどうする?」と投げかけられているようであり、考えさせられる内容になっている。

    より他国の貧困の現状を知りたいなら、前作の方がオススメだ。

  • 筆者が「新潮45」に連載していたエッセイを集めたもの。

    本書収載の最後のエッセイは「繁栄と虚像」という題名で、そこで僕が住んでいるバンコクについて触れられている。
    筆者は、カンボジアに出かけるために、バンコクからバスをチャーターして往復する。要するに国境を自動車で越えながら、タイとカンボジアの間を往復するのであるが、タイ側の道路が見事に管理されているのに対して、カンボジアでは未舗装の道が続いたりして、その差に驚く。ところが、カンボジア訪問を終えて再び戻り宿泊することになったバンコクで、筆者はイヤな目に何度か遭遇する。危険であるとか、そういうことではなく、ホテルやレストランのサービスというか、運営のされ方というか、といったことに関してである。
    筆者の文章を引用する。

    【引用】
    私はタイにもカンボジアにも、同じアジア人として発展を期待していた。タイの道路が世界的なレベルに達し、バンコックは摩天楼の町になっていた。しかしたったの二十四時間ほどの間に、私が体験した観光都市バンコックの実態は、およそ近代化とは離れた不実の連続だった。私はバンコックを再訪したいという気持ちを失っていた。そしてそれが一番、私の気持ちを滅入らせていた。
    【引用終わり】

    筆者が体験したのは、例えば、ホテルにチェックインした際に予約していたにも関わらずカードキーの具合が悪く使えないと言われる、いつまでも部屋に新しいカードキーや荷物を持ってこない、自分のところのレストランで予約させようとして他のレストランがいっぱいだと嘘をつく、骨折をして杖をついている筆者に近道として急な階段を指し示す、エレベーターホールで自分の宿泊階にはストップしないエレベーターに案内される、料理の注文に対して柔軟に対応してくれない、部屋代に勝手にユニセフへの寄付金が含まれている、等々である。これを筆者はチャオプラヤ川に沿ったアメリカ系のホテルで経験をする。
    筆者は、これらの経験を「近代化とは離れた不実の連続」と書いているが、僕が言うとすれば「サービスとは何かが分かっていない」ということになろうか。それでも、僕はこれを読んで、なるほど、と思ったし、筆者はきちんとはっきりとモノを書く人だな、と思って。

    僕はバンコクに住んでいるが、同じような経験がかなりあるのだ。
    レストランに入っても、全く注文をとりに来ない、大勢ウエイトレスがいるのに誰も客の方を見ていない。客が午前10時30分頃来社、それではということで昼食を一緒にとることになりレストランを11時から予約、普段は1130が開店時間と知っていたが、特別に11時から開けてもらうことにした、何度も時間を確認したにもかかわらず11時15分頃に行くと11時30分からしか開かないと言う、料理は待つから飲み物を飲みながらレストランの中で待たせてもらおうとしても、11時30分まで入れられないと言う、店の準備は終わっているにも関わらず。出張先の定宿のホテルではパスポートの写しを何度も渡しているにも関わらず、担当者が変わるとその都度再度パスポートの写しを要求される、引継・記録がきちんと出来ていないのだ。デパートの時計売り場で電池交換をしてくれと言ったら、だまって、違う方向を指差す、愛想も何もない。かなり大きなデパートでも、デパートでは客よりも売り手の方がえらいのか、と思わされることがけっこうある。等々、サービスでいやな想いをしたことは、枚挙に暇がない。
    だからと言って、どこのお店に行っても同じようないや想いをするか、と言えば、そうではない。店によってサービスレベルが違う。だから、それは訓練の問題であるはずだ。従業員の訓練がきちんと行き届いているホテルやお店では、そういういやな想いをすることはほぼない。ただ、平均すると日本に比べると圧倒的にサービス... 続きを読む

  • 一つ一つのエピソードが重く、本当の「貧困」というのがなんなのか、思い知らされた一冊だった。

    引用したいけれども、きりがないので引用ができない。

    曽野綾子さんの文章は新聞で時々読んだことがあるだけで、本やまとまった形では初めて読んだけれども、印象が変わった。

  •  休日の宗教本の最後に、曽野綾子さんの本を読んだ。

     なんでこの本を購入したのか不明。もしかしたらFBのお友達の推薦だったのかもしれない。

     曽野さんは、自分も厳しく律しているので、読むと背中がぴしっとする。

    ①もう一つ、若々しい魂を保つためには、精神の栄耀が負けず劣らず必要だ。そのためにはたくさんの尊敬すべき人に会い、複雑な人生の機微にふれた会話に加わり、強烈な現世の限界の姿に触れる体験をし、何よりもたくさんの読書をしなければならない。(p191)

    ②伝道の書「天の下の出来事にはすべて定められた時がある、生まれる時、死ぬ時、泣く時、笑う時、抱擁の時、抱擁を遠ざける時、求める時、失う時、黙する時、語る時、愛する時、憎む時」(p144)

     聖書もちゃんと読まないとだめだなと思う。

    ③(アフリカの)あちこちの内乱や虐殺においても、シスター遠藤のような医療活動の途中でも、現在でも多くの宣教師たちは命を落とすまで現地に踏みとどまったのである。(p106)

     アフリカの貧困と比べて幸せを感じるのも問題だとは思うが、世界の一方の極端な世界を軸にして、物事を考えるということは大事なことだと思う。

全7件中 1 - 7件を表示

貧困の僻地 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

貧困の僻地 (新潮文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

貧困の僻地 (新潮文庫)の作品紹介

「私が今、一番希求するのは、静かに人生を退場する方法である。それは死ぬことだけではない。どこかこの地球の片隅で、孤独にも耐え、静かに自分自身と向き合って観想の日々を送ることだ」-マダガスカル、インド、カメルーン、ブラジル…世界各地で極限的貧困の現場を踏破した作家が、自らの老いと向き合いつつ、生と死の現実を冷静な観察眼で切り取ったレポート・エッセイ。

貧困の僻地 (新潮文庫)はこんな本です

貧困の僻地 (新潮文庫)の単行本

ツイートする