女龍王神功皇后〈上〉 (新潮文庫)

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著者 : 黒岩重吾
  • 新潮社 (2002年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101148052

女龍王神功皇后〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 四世紀の末、明石海峡に面した垂水。葛城垂水王の娘、タカヌカヒメが、近江の息長宿祢王のもとへ嫁ぐ日が近づいていた。
    しかし、タカヌカヒメには、想う人がいた。同族の青年、ムジナである。
    ある時、神懸りしたタカヌカヒメは、伊川の上流にある神の谷に走り去る。後を追う垂水王とムジナ。ムジナはタカヌカヒメを捕らえようとするものの、龍神にとり憑かれ、意識のないままタカヌカヒメを犯す。
    秘密を胸に秘め、ヒメは近江へと嫁いでいった。傷心のムジナも、新天地を求め、日向の国・諸県へと旅立つ。

    かつて景行天皇がとった領土拡大政策は失敗に終わり、大和の王権に弱体化をもたらしていた。病弱な成務帝には子がいない。王族たちが王位をめぐって暗闘するなか、神の力を信じない偉丈夫・タラシナカツヒコ王子は政権を奪取すべく立ち上がる。

    息長宿祢王とタカヌカヒメの間に産まれた息長姫は、巫女の資質と大柄な体をもつ、圧倒的な存在感を発する娘に成長した。姫の豪勇譚を耳にしたタラシナカツヒコ王子は、彼女こそ王者の妃にふさわしいと考え、近江を訪れる。
    二年後にタラシナカツヒコの妃になるという神託をうけた息長姫は、その間、海の神に仕えるべく敦賀へ移る。

    息長姫の住む鶴賀の地へ、一人の男が漂着する。それは、日向から大陸へ交易の旅に向かう途中、嵐にあい、記憶を失ったムジナだった。

    黒岩作品のなかでも特にシモネタが不愉快な本作。苦手な人は注意。

  • ちはやぶる神々の力が天地に満ちていた古代日本。龍神の加護により、生まれながらにして恐るべき呪力を備えた一人の姫が誕生した。のちに神功皇后となる息長姫である。倭建の息子である偉丈夫タラシナカツヒコ王子(仲哀帝)は、この息長姫との婚姻を強く望む一方で、大和の政権を奪取すべく立ち上がる―。四世紀の大和の地で、武力と呪力が妖しく交錯する闘いの火蓋が切られた。

     2002年2月27日購入

  • 葛城垂水王の娘である高額姫の子供を息長姫といい,後にヤマトタケルの子供であるタラシナカツヒコ王(仲哀帝)の妃となる。いわゆる神功皇后である。
    神功皇后は応神帝を生む。神功皇后の参謀とも言える葛城建人のちの武内宿禰が傍で補佐し,宿禰の日向の国の妻との子の葛城渦刺がのちの葛城襲津彦である。
    宿禰は後に応神,仁徳にも仕えたという。
    葛城襲津彦の娘の磐之姫は仁徳の皇后となり,履中(りちゅう),反正(はんぜい),允恭(いんぎょう)の三大王を生む。
    神功皇后は実在したかどうかは疑わしいということだが,九州の香椎宮を拠点として九州勢をまとめて大和地方に攻めてきた巫女王がいて,その中に後の応神帝がいたということだろう。卑弥呼の時代から一旦巫女的権威は薄れたが,戦乱の世では宗教的なものに誰もがすがりたくなるのか,神功皇后は応神を1年以上もお腹の中で育てたとか色々と神秘的な説話も多い。
    本書は神功皇后と題されているが,武内宿禰と応神を身ごもった巫女王の話といった感が強い。
    全2巻

  • 後に神功皇后として古代日本に名を残した伝説上の人物である。

    今まで古代史に触れ、神功皇后について持っていたあたしの知識は
    卑弥呼のような強大な呪力を元に、群衆を統制し、新羅征伐をしたくらい。

    架空の人物とされているほど、伝承もさまざまで史料も少ない。
    そんな人物を史実に基づき、想像力をめぐらせ、
    こんな魅力的な作品を書くなんて黒岩せんせはほんと素晴らしい!
    最初から最後まで、どっぷりと黒岩ワールドに浸かれる珠玉の一作。

  • 古代史上、架空の人物として神話的な色合いの濃い、神功皇后の話し。
    4〜5世紀の大陸や朝鮮半島との関係や史料から、丹念に推理し、それを元に、大胆に描いたお話と言える。
    巫女王と言う事で、卑弥呼とキャラがかぶる印象があるけれど、卑弥呼よりも後の時代と言うこともあり、また新羅征討の逸話がある事を元に、勇ましい武のイメージも強い女性となっている。
    神がかり的な部分も強いけれど、大胆な発想の中にも、残された史料にしっかり基づいていることが伺えて、小説としても、歴史の新説としても楽しめ勉強になったと思う。
    日本の古代史は、大陸や朝鮮半島との関係が特に密で、切っても切れない関係でもある事から、その変の事情が丹念に事細かく描かれてあるのだけれど、
    その部分が、ちょっと退屈な時もある。
    時代背景、社会背景としては必要な部分でもあるのだが、この辺が、単純に物語を楽しむ小説ならではの世界とは少し違う感じがするのは、まぁ、仕方の無い事かな。
    上下2巻だったのだけれど、読み始めから終わるまで、1年近くかかってしまったのは、やはりなかなか物語りの世界に没入できなかったせいだと思う。面白いことは、面白かったんだけどね〜。

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