- Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101149134
感想・レビュー・書評
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39冊目『百物語』(杉浦日向子 著、1995年11月、新潮社)
1986年〜1993年に連載された、夭折の作家・杉浦日向子による怪談百物語。
〈現代と江戸と二つの時間を自在に行き来する〉と称されるほど確かな時代考証を得意とする著者が描く百物語ゆえ、生々しい息遣いが聞こえてくるようなリアリティが作品に満ちておりそれが恐怖心を増幅させる。
エピソードによって作風をがらりと変えるなど、表現主義的ともいえる変幻自在のタッチもまた素晴らしい。
〈罰が 当たるのなら、 姉ちゃんは きっと猫に 生まれ代わるよ。〉詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子供の頃、怖い怖いと言いながら目を輝かせて聞いた怪談のような、どこか懐かしい99の物語。恐怖というより、むしろ風情を感じる話が多い。化物にも「もののあわれ」を感じてしまうのは、日本人独自の感覚なのだろうか。
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「化物にも「もののあわれ」を感じて」
私は恐がりなので、ホラーや怪談物は殆ど読みませんが、西欧の怪異とは違う気がします。お手本になった中国...「化物にも「もののあわれ」を感じて」
私は恐がりなので、ホラーや怪談物は殆ど読みませんが、西欧の怪異とは違う気がします。お手本になった中国のモノとも(「聊斎志異」とか)違いますね。。。2014/03/31 -
私もホラーは苦手です。特にハリウッド映画の急に脅かす系は怖いので絶対観ません((((;゚Д゚)))))))
例外は、鏡花と百閒と森見登美彦...私もホラーは苦手です。特にハリウッド映画の急に脅かす系は怖いので絶対観ません((((;゚Д゚)))))))
例外は、鏡花と百閒と森見登美彦と高橋葉介と、あと杉浦日向子です。
2014/03/31 -
2014/04/02
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江戸時代を舞台にした怪異譚で百物語作法に則り、99話収録。
8ページに1~3話、又は8ページずつ上下で2話の構成。
99話目は16ページ。
夜の闇は濃く、山野は深く、生けるモノや死せるモノだけでなく、
生きものや魑魅魍魎も、身近にあった頃の怪異譚です。
日常での、ちょっと不可思議な話というような感じの語り口で、
淡々とした印象だけど、言葉の代わりに絵で、はっとさせられます。
また、人間の心根の複雑さも、考えさせられます。
読みながら、頭にふと浮かんだのは諸星大二郎の「諸怪志異」
あちらは中国の怪異譚。やはり身近に魑魅魍魎がいる話だけど、
舞台設定の違いで味わいが違うものだなぁと思いました。 -
恐怖ではなく、ほっこりした怪異。江戸の人が、不思議な現象・人が恐怖を感じる闇に上手に付き合っている印象を受けた。師匠の絵が、これまた良い!
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大好きで何度も読み返してる
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江戸時代の日本の湿った空気感や闇が怖い。
杉浦日向子さんならでは。 -
ちょろけんの表現が時代考証をやって無いつうてもアレだとか、森銑三先生の本からのアレはーの前に、
その『物言ふ小箱』からの話(その五十四)の、ふてぶてしいぬこのもふもふが怖い次に、あの、
「いや どなたかござる」
てふあの、これみみみみみみみみ耳嚢の。 -
拍子抜けするようなオチっていうか、オチのないものも結構あるんだけど、逆にそれが、日常と非日常の境目をおおらかに捉えている昔の人の印象に繋がって、嫌な感じはしない。そういうおおらかさを、自分も常に持ち合わせていたいと思います。
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この作品は好きすぎて好きすぎて文章がまとめられません。人と物の怪達が普通に隣り合わせで暮らしていて、特に害を成すわけでもなく当然のこととして生きている。しかもそれが日本に昔からあったというのが最高です。