人斬り以蔵 (新潮文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 新潮社 (1969年12月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (487ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152035

人斬り以蔵 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 表題の「人斬り以蔵」こと、岡田以蔵を見出だした土佐勤王党の武市半平太、目当てで本書を選んだ。

    中短編、八編 収録。
    そのなかでも、「お お、大砲」と「美濃浪人」が良かった。

    「お お、大砲」の中書新次郎と平山玄覚房との"奇縁さ"には、ほくそ笑んでしまう。
    両者とも縁があってもその後は、それっきりの付き合いで、思い出の中で思い返す程度に留めているのが、却って清々しい気分にさせてくれる。

    「美濃浪人」の井上聞多(井上馨)と所郁太郎も、奇妙な縁がある。
    医者の郁太郎は、二度も聞多の瀕死を救ったのだ。

    この美濃出身の志士、所郁太郎は無名であり、経歴、正体不明の人物である。

    そんな人物を拾い上げて物語にしてしまう、シバリョウさんは凄い!

    有名無名、架空の歴史上の人物の入り乱れを存分に楽しめた。

  • 幕末を生きた人たちの懸命な生き様が、こうも切なく、情深く。そして面白く!

  • 愛情薄めな話が8つ入ってます…司馬遼太郎は、いつも、主人公を100%愛せた時に執筆すると思うのだけれど、ここに収められている人達は、ものすごく努力したけれど60%~70%しか愛せなかった人ばかり。唯一、愛せているのは「花神」上中下巻で書いた大村益次郎くらい。ちなみに後藤又兵衛に関しては、いつもはもっと馬鹿カッコ良い感じに登場している気がする…謎。
    「鬼謀の人」大村益次郎…は是非「花神」を!
    「人斬り以蔵」岡田以蔵と武市半平太の残念な関係性
    「割って、城を」古田織部正の残念な後年の生き様
    「おお、大砲」中書新次郎のザックリした生涯
    「言い触らし団右衛門」塙団右衛門のザックリした生涯
    「大夫殿坂」井沢斧八郎を通して、大阪の呆気にとられる風俗事情記録
    「美濃浪人」所郁太郎は適塾出にも関わらず流れも運も味方しなかった
    「売ろう物語」後藤又兵衛の最も生涯において残念だった時代を抜粋

  • 同書に収録されている他の短編にはあまり関心はありませんでしたが、人斬り以蔵のある種の迫力には驚いた記憶があります。何年も前に読んだものなので、また改めて読みたいと思います。

  • 司馬遼太郎は本当に天才だ。
    ひとりひとりの人生を、非常に生々しく描いていて、その世界観に引き込まれる。多分にフィクションというか、想像が混じっているんだろうけども、実在の人物とその史実を壊さずにこれだけ人物像を描けるのは、相当調べた上でのことなんだと思う。
    しかし歴史物をみてよく思うのは、やっぱり歴史の激動時に多くの魅力的な人物が生まれてるんだなということ。戦国時代と、明治維新ごろが多いよね。明治維新なんかはたった150年ほど前だということは改めて考えると非常に面白い。「おお、大砲」の最後の新次郎の「侍のころは、ばかばかしいことが多かったな」なんてセリフは、本当に明治初期はこんなこと言ってたんだろうなーと思いを馳せることができる。
    司馬遼太郎作品はさらに現代でも非常に読みやすいのがすばらしいよね。

  • 2012年8月22日読了。幕末に土佐勤皇党の武市半平太の下で暗殺者として名を馳せた岡田以蔵の屈折を描く表題作ほか、時代に乗り遅れたりチャンスを生かせなかったり(逆に生かしすぎたり)する、どこか滑稽な武士たちを描く短編集。あとがきにもあるが、小説の舞台からかどことなく漂う「大坂っぽさ」、計算高いのに妙に涙もろく人間くさくて憎めない登場人物たちの雰囲気がこの短編集の味だろうか。NHKドラマ「龍馬伝」で土佐勤皇党のパートは随分じっくり描かれていただけに、表題作もなかなか興味深く読めた。

  •  最初から、ああ司馬遼太郎の言葉のリズムだって、うれしくなりました。
     偉人でなく巷人の姿が生き生きと伝わってくる。尾崎秀樹さんの解説がこの小説の面白さそものもすべてを言い尽くしています。
     短編の「割って、城を」が一番好きです。太閤秀吉の茶坊主だった吉田織部正と、そこに取り立てられたかつて「天下一の物仕」とまで呼ばれた武士の善十郎。茶器に自分の解釈をいれ価値を高め、さらには完成した形の碗を割りそれを修復させることで、さらに自分の世界を作っていく吉田と、あくまでも武士としての美学を秘めて吉田に成り代わって切腹する善十郎。
     二人の美学の違い、周囲からは理解しがたい各々の美学をまっとうした妙。ドキドキしました。

  • 短編集。それぞれに主人公の人生を感じさせる。面白い。

  • 久しぶりに司馬遼太郎の短編を読むと、いい。
    いろんな男たちのドラマがある。
    美濃浪人が秀逸。

  • 「おお、大砲」が面白い。

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