国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈前編〉 (新潮文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 新潮社 (1971年12月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (534ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152066

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国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈前編〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 国盗り物語、いよいよ後半戦である。主人公は前2巻の斎藤道三から、織田信長&明智光秀へとバトンタッチしていく。本作品では信長と光秀をあくまで道三の弟子同士のライバルとして描いている点が特徴的である。特に、光秀の信長への意識がかなり強い。この点が、本作品のフィナーレである本能寺の変への伏線となっており読者の気持ちを盛りたてていくのだ。

    今回も以下に、興味深かった記述を引用したい。
    ・「城中、何百の人間が駆けまわって葬儀の支度ばかりしている。僧侶を何百何千人呼び、供華を山ほどに飾っても父(信秀)の生命は蘇らぬ。古来、何億の人が死んだが、いかに葬式をしても一人も蘇ったものはないわ。だから無駄じゃというのじゃ。何の役にもならぬものに熱中し、寺に駆け入り、坊主を呼び、経をあげさせてぽろぽろと涙をこぼしおる。世の人間ほど阿呆なものはない」
    ・「馬鹿め、人の世はもともと、不吉なことだらけだ。人の世が吉であれかしと祈っている世間の者こそ、よっぽど変人だ」
    →信長の、妻:濃姫に対する言である。この一文で信長が観念論を否定し唯物論を主張している点が読み取れる。私が信長を好きな理由はこんな点にあるかも知れない。

    ・「よいか、そちはいくさで偵察にいく。敵のむらがっている様子を見て、そちはとんで帰ってきて『敵が大勢むらがっておりまする』と報告する。ただ大勢では分からぬ。そういう時は『侍が何十人、足軽が何百人』という報告をすべきだ」
    →信長が家臣に指示した言葉。これは現代の仕事にも言える。具体的な数字を絶えず意識して判断しなければいけない。「来客者が多かった」「請求書が山ほど溜まっている」などというよりも、その中身の数字を把握すべきなのだ。

    ・「むずかしい大将じゃと人は言うが、なんの一つ鍵がある。この大将を好いて好いて好きまくって、その方角からのみひとすじにあたっていけば、以外に人情脆いところがある」
    →信長の家臣:佐久間七郎左が信長を評した言葉。苦手な上司などと関わりを持たねばならない場合、こんな接し方、攻め方もあるのだ。

    ・「くだらぬ双六だったと思うか。人の世はたいていそんなものさ。途中、おもしろい眺めが見られただけでも儲け物だったと思え」
    →道三晩年の言葉である。虚無感の中にあって実利的な、道三らしい人生観である。

    ・「ともかく若い間は行動することだ。めったやたらと行動しているうちに機会というものはつかめる」
    →道三が光秀に語った言葉。行動の大切さが凝縮された言である。

  • 道三の最後が悲しすぎる。
    それを知らせる光秀に「道三という人は知らない」といい、庄九郎の妻であろうとするお万阿。
    感動する。
    3巻から織田信長編ということだが、明智光秀編に近い印象。

  • 明智光秀も登場し、スターが揃って来ましたね。でも、歴史の中で後々この頃の人たちと繋がっている人って多いですねー。 登場人物がイキイキしてます。やっぱり司馬さんの日本語は上手ですねー!

  • 道三編から引き続き。

    道三が死んでしまうところ、1巻からずっと彼の活躍を追ってきた身としては、かなり感慨が深かった。
    そして死を悟ったとき、自分が認めた二人の男に後を託す……
    すなわち、信長と光秀。
    途中で主人公が変わるという展開は私、小説でも漫画でも大好きなので、最高でした。

    信長の美濃・稲葉山城攻略と、光秀の就職活動。
    信長と光秀、両者の視点から、二人が出会うまでを描く第3巻。
    野望、自信という点では似てるけど、そのベクトルがまったく違うこの二人。
    こんなのがどうやったら交わるんだ、とわくわくさせる展開が素晴らしかったです。

  • 織田信長〈前編〉
    いよいよ信長編に突入。
    「うつけ殿」と呼ばれて、小さい頃から笑われ疎まれていた信長さん。イメージでは怖いお人だけれど、知れば知るほど魅力的な人だなと私は思った。
    斎藤道三の娘を嫁にもらった信長さんは、義父という絆だけではなく「変わり者」同士としての絆を感じていたのだな~。
    そして、負けても負けても執拗なくらい戦いを挑む執念深さが彼の性格を表している。
    家臣や側近を『道具』と見て、その機能性を愛したというのも、悲しい最後を連想させる彼の性格故かなと思った。

  • 第3巻。時代は道三の死~信長の美濃取りまでを描いている。信長のマネジメントや光秀、藤吉郎の躍進に向かう思考は、司馬節炸裂でマネジメント本を読んでいるようだ。現代人目線で描いているとは言え、今も昔も組織のあり方は共通する部分があるなーと。司馬小説の人気の理由。さあ、こっから信長が如何に天下を盗るか4巻が見物。

  • 織田信長〈前編〉読了。

    道三が亡くなり、物語は台頭著しい革命児・信長と、流浪を余儀なくされた文武両道の秀才・光秀がメインになって描かれています。
    この二人が出会う直前という美味しいところで、この巻は終了。
    続きが楽しみ・・というか、史実である程度不幸な運命がわかっているだけに、ドキドキします。

    因みに、超能力主義で、大概の牢人が「織田家(への仕官は)ちょっと・・」としり込みする、すさまじい信長の人事方針に、“小者のときから耐えぬき、耐えぬくだけでなく信長の方針に適うみごとな模範として頭角をぬきん出てきたのが木下藤吉郎秀吉である”という箇所が、秀吉という人のすごさをわかりやすく表していると思います。

  • 大昔に読んだことはあるのですが、改めて購入。

  • 織田信長編とあるが明智光秀目線が多い。

  • 前半は道三中心に信長が登場。若い頃のうつけぶりを紹介。桶狭間の合戦は記憶とは違い、決死の覚悟で臨んだ模様。決して余裕で臨んだわけではなかった。後半はほとんど光秀の話。こんなに苦労していたとは。ほとんど幕末の龍馬のように諸国を渡り歩き、皆を説いて回っていた人格者。後編で信長がしっかり登場するのか期待。

  •  信長には、稀有な性格がある。人間を機能としてしか見ないことだ。織田軍団を強化し、他国を掠め、ついには天下を取る、という利ぎすました剣の尖のようにするどいこの「目的」のためにかれは親類縁者、家来のすべてを凝集しようとしていた。かれらーーといっても、彼等の肉体を信長は凝集しようとしているのではない。かれらの門地でもない。かれらの血統でもない。かれらの父の名声でもない。信長にとってはそういう「属性」はなんの意味もなかった。
     機能である。
     その男は何が出来るか、どれほど出来るか、という能力だけで部下を使い、抜擢し、ときには除外し、ひどいばあいは追放したり殺したりした。すさまじい人事である。

  • 秀吉は、遠くから眺めていたいタイプ。(関係者になりたくないなぁ、と思う。)
    (でもきっと、実際にそばにいたら、その危険さもにおわせずに仲良くしてしまうんだろう。)
    【読了メモ】(160103 8:57)司馬遼太郎『国盗り物語』第三巻 織田信長編 前編/新潮文庫/1971 Dec 20th/九十四刷 2008 May 30th/義輝…( ;ω; ` )

  • 第三巻は織田信長前編というタイトルだが、前半は亡くなるまでの道三と信長のそれぞれの話で、後半はほとんど明智光秀の話だった。斎藤道三も最後は血はつながっていないが、息子として育ててきた斎藤義竜にやられてしまう。ってもうすごい年だったけど。道三的には義竜はぼんくら的な扱いだったけど、結果強い感じだった。というか自分が築き上げてきた城や人と戦うハメになり、あの道三が作り上げてきた城や人だから美濃の国はいつの間にか道三抜きでも相当強い国になっていた。道三の人生って自分で鉄壁な城や有能な人材を築きあげてきたのに、最後はそれと戦わなければならないなんて、自分の人生を最後に全部否定するような行為に見えて少しおもしろかった笑
    信長も周りからたわけ者とか言われてて、道三と信長の父だけは認めていたけど、信長の合理主義的な行動が凡人から見ると外れた行動に見えたんだろうな。それにしてもめっちゃ大群の今川義元を織田信長が倒した桶狭間の戦いは奇跡的だし、かといって美濃の国には義竜が死ぬまで全く勝つことはできなく、信長そんなすごくないんじゃないかと思えた笑
    最終的には秀吉だったり竹中半兵衛という優秀な部下がいて、美濃の国を倒すことができたので、後篇の信長の活躍に期待。
    それにしても明智光秀と織田信長は斎藤道三が認める若き二人だったけど、織田信長は一国の主として若い頃から名を馳せることができたのに対して、明智光秀はすごく能力者なのに、美濃の国から逃げなければならなく、身一つで何も権力がないあたりすごく大変だなと思った。光秀は将軍の力を復興しようと考えていたけど、やはり乱世ゆえ、どの国も京に行って将軍を立てて武力を展開するということはできなかった。京に行くことはできないが、遠い地から将軍のことを思っている由緒正しい大名たちは、凡庸な奴らが多いんだけど、血縁主義的な風習はこういった乱世な時代でもあったんだなと思った。
    というか今でも天皇のこと考えると日本てある意味すごいよな。
    あと、戦国時代なだけあって、徳川家康とか上杉謙信とか武田信玄の名前もちらほら出てきて、この時代って優秀な人間が全国的にすごく多そうだなと思った。
    後篇は、信長と光秀がどう絡んでいくのかに期待。

  • この巻では濃姫が輿入れし、道三は滅び、たわけと呼ばれた信長は名をあげ始め、光秀は諸国を流浪し辛酸をなめつつ志を胸に時機を待つ。まさに激動の3巻である。

    信長編とは言いながら、その半分は光秀の物語だ。
    ともに道三が目をかけた、才能のかたまりのような両者が、まだ互いに接触する前から鮮明に対比されている。
    光秀については、日本史上最大のヒーローである信長の、脇役(悪役)くらいの認識しかなかった。だがその光秀が、その前半生で何を思い、何を成そうと奔走していたのかが丹念に描かれ、その繊細な心の機微が、ずっと先の本能寺への伏線となっていく。

    光秀はたびたび胸の裡で「場合によっては自分が結婚するかも知れなかった信長の正室」濃姫を思い浮かべる。ここであくまでも男として、人物として、何一つ信長に劣るわけではないのだ、という自負が生々しく浮き彫りにされている。

    眉目秀麗な優等生の光秀は血筋や伝統や、文芸を重んじ、周囲を唖然とさせ続けるたわけの信長もまた、独自の価値観によって台風の目のように周囲の人間たちを巻き込み、破壊し成長していく。

    すぐに続きを読みたくなる3巻である。

  • 出てくる人たちがみんな変わり者で、おもしろい。 

    光秀には、もっと陰険なイメージがあったので、爽やかで文武両道、というのは新鮮だった。

    最終巻も楽しみ。

  • 【異端集団】
    小説です。
    明智光秀もおもしろそうです。

  • 斎藤道三ついに。。。
    主人公は織田信長に移り、
    明智光秀とのダブル主人公状態で展開されていく。

    文章の書き方がすごい惹かれるからあっという間に読み終わった。

    最終巻が楽しみ。

  • 司馬遼太郎さんはむくつけき男たちに「可憐」という形容詞を使いすぎる。面白くて毎回楽しみにしてます。この巻では光秀さんと、あと松永さんの唇が可憐と形容されていましたね。

  • 読了。レビューは最終巻で。

  • 前半2巻の斎藤道三中心の話と2つに分けました。
    信長はゼクシーなどのサイトでも、結婚したい武将のベスト5に入っていましたが、私は嫌でした。
    だって、腹立つとすぐ殺されるかもしれないし。
    でも、信長編に入ってから、俄然話が魅力的になりました。

    実際に明智光秀の従兄弟は信長に憧れに近い感情を持っているし、司馬さんも若者を引き付ける魅力があると書いてある様に、やっぱり信長がある種の魅力を持つ人であることは確か。

    傅人の平手政秀とのやりとりが可愛い。
    結婚式から逃げ回る信長を何度も捕まえるシーンが、本当にかわいい。子供のままといった感じ。

    父親が亡くなった時の、信長の心情も興味深い。
    理解してくれる人が、この世にたった1人でも存在すれば、それだけで心強く、ありのままの自分でいられること。確かにと思った。

    遊び仲間を許す所や、親愛の情を示す道三から美濃の譲り状を受け取った時の態度も人間味溢れる。
    死を覚悟した道三に再三使いを送り説得を試みるところや、負けても負けても美濃を征する合戦に挑むところに、大器を感じた。誰しも鮮やかな事ばかりの連続で、後世に語り継がれる人生でなく、失敗にめげずに何度も立ち上がる人が残るのだと思った。

    道三は戦死の前日に語る、こうして数奇な人生を送ってきて最後には殺されるし、大半の家来が敵方についてしまっているが、その途中に見えた面白い光景が見れただけでも儲けものという考え方も味わい深い。

    4巻は明智光秀が主役。私もどちらかと言うと、真面目で光秀に近いので、彼の苦悩が分かる気がする。人気ないみたいですが、私は光秀も嫌いではなく、かわいそうだと感じているので読めてよかったです。

    特に、光秀が考えてばかりの自分と、行動が早い信長を考えるシーンも感慨深いです。300P

  • 2015/2/23読了
    信長&光秀が本格的に登場。光秀は信長を馬鹿にしており帰蝶を取られたことから嫉妬もしている陰険なキャラで描かれている。

  • 道三亡き後の戦国時代。
    智将明智光秀とうつけ者と呼ばれた怪物織田信長の半生を描く後半。
    三巻では織田信長が美濃を制覇し、明智光秀が足利将軍の実質的な側近まで登り詰めるまでを描く。

    二巻までのようなハラハラする智謀略はあまりないが、完全合理主義の織田信長と情に厚く文武両道の明智光秀の二人が各々新旧の文化を代表してるかのようで面白い。
    四巻が面白くなってくれそうで楽しみ。

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国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈前編〉 (新潮文庫)の作品紹介

美濃を征服した斉藤道三は義理の子義竜の反乱に倒れたが、自らの天下統一の夢を女婿織田信長に託していた。今川義元を奇襲して鋭鋒を示した信長は、義父道三の仇を打つべく、賢臣木下藤吉郎、竹中半兵衛の智略を得て美濃を攻略した。上洛を志す信長はさらに畿内制覇の準備工作を進めてゆく…。信長の革命的戦術と人間操縦、その強烈な野性を、智将明智光秀を配して描く怒涛編。

国盗り物語〈第3巻〉織田信長〈前編〉 (新潮文庫)のKindle版

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