燃えよ剣(上) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152080

感想・レビュー・書評

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  • だいすきな新撰組のはなし。
    司馬遼太郎ははじめてかも。
    下巻も読む

  •  司馬遼太郎の作品群は、いつか全部読むつもりで、少しずつ文庫を買い集めております。その背表紙を眺めているとワクワクしてきて、このまま老後の楽しみにとっておくのもいいな、などとニンマリしたりしています。

     この『燃えよ剣』もその中の一作だったのですが、映画を見に行くことになったので、急遽今読むことにしました。

     読み始めてすぐ、「あれ、これ佐伯さんの本じゃないよね?」と表紙の著者名を確認してしまいました。よく似ているんです、佐伯泰英さんの文章と。佐伯さん、司馬遼太郎の影響を強く受けていらっしゃるようですね。それもそのはず、『居眠り磐音』3巻の巻末、谷原章介さんとの対談で、写真家時代から藤沢周平、柴田錬三郎、司馬遼太郎などの時代小説をよく読まれており、ご自分の文章を〈いま手直しをしながら読んでみるとやっぱりここは柴練さん、ここは周平さん、ここは司馬遼太郎さんとツギハギだらけ〉であるとおっしゃっています。

     さて、本作『燃えよ剣』の主人公は、武州多摩石田村出身の土方歳三。天然理心流の目録で、近藤道場のあとをつぐ予定の近藤勇と義兄弟の縁を結んでいる。この道場には他に、神道無念流皆伝の松前浪人永倉新八、北辰一刀流目録の御府内浪人藤堂平助、奥州白河藩の江戸っ子浪人沖田総司、近藤道場先代からの内弟子で温和な最年長井上源三郎、伊予松山藩の中間くずれ原田左之助、播州明石の浪人斎藤一、といった食客がいた。

     上巻では、この近藤道場の面々で新選組を結成するに至り、池田屋事件が起こります。人を見抜く力に秀でていた歳三は、新選組副長として、人事を行い戦略を練り、新選組を強くしようと奔走します。その合間に、因縁のライバル七里研之助、新選組に引き入れた芹沢鴨、同じく伊東甲子太郎らの行動にヤキモキさせられ、お雪さんとの出会いにちょっとほんわり。そして下巻へと続きます。

     新選組って、もとは近藤勇の道場仲間だったんですね。その結成に至るいきさつがよくわかりました。でもあまりの殺人っぷりに、やっぱり新選組は好きになれないなぁと思いました。今だったらとんでもない危険集団ですわ。

     そんな中でも、沖田総司のキャラが良いですね。いつもにこにこ〈陽気な笑顔〉で、歳三のことをよくわかっていて、たまにからかってはクスクス笑っている。会話がまるで『鬼滅の刃』の冨岡義勇と胡蝶しのぶのよう。みんな暗い深刻な顔をした幕末の世にあって、沖田の笑顔は唯一の光です。

     たまに途中で物語から脱線して、ちょっとしたエピソードや豆知識が語られることがあるのが司馬遼太郎作品の特徴ですね。ストーリーが中断されるので賛否両論ありそうですが、脱線のおかげで理解が深まったり、ちょっとフフッてなったりするので、私は嫌いじゃないです。

     てことで、下巻へ続く。

  • 映画を見る前に再読しました。司馬遼太郎の最高傑作でしょう。また時間を置いて再読すると思います。

  • 時代小説には触れたことがなかったが、映画化されるので読んでみた。時代小説は堅いイメージがあり、読みにくいと思っていたが、話の展開が早いためかサクサク読めるように感じた。
    特に、副長である土方歳三が組織を強くするために隊の規律を厳しくし、自ら嫌われ役を買ってでるところが印象に残りました。

  • 司馬さんが描く新撰組、土方歳三の話。素晴らしい作品のひとつです。

  • 司馬遼太郎って意外にライトで読みやすくて、毎回少し驚く。大御所感漂うのに。

    土方歳三のイメージ、だいぶこの小説で作られたのだろうなあ。文句なくかっこいい生きざま。

    個人的には、推しの斎藤一が斎藤一諾斎と混ざってたり函館行ってたり、間違いが散見されて気になってしまったけど。(相馬主計とかも) 

    架空の恋人話はそんないらなかったかなー
    でも、多摩の青年時代とかはしっかり描写されていて(事実かどうかはさておき)、人物の土台がとらえやすく、続きが気になる! と一気にひきこまれた。多摩、そんな土地柄だったのね…とか。

  • 2013年に「竜馬がゆく」を読んで以来の幕末小説、そして新選組を読むのは初めて。

    冒頭のエピソードの印象が悪く、土方歳三になかなか共感できず、読むスピードが上がらなかった。京都で新選組が立ち上がった頃から、非凡な喧嘩師としての歳三、副長として新選組を支える姿に興味が大きくなるとともに、真っ直ぐ過ぎる生き方に悲しさが見えたり。

    有名な池田屋事件は、新選組が立ち上がって間もない京都での出来事で、綿密な下調べ、諜報により、歳三が力を存分に発揮したものだったと知った。

  • 友だちにおすすめされて初めて読んだ司馬遼太郎さんの本。思ったより読みやすく、沖田のキャラクターが個人的には好みで面白かった。次は下巻だ。

  • ぶっさんが最も胸熱と語った本。
    初の歴史小説。

    壬生義士伝で大挫折した過去があり、歴史小説に
    かなり苦手意識をもっていたがスイスイ読めた。
    龍馬伝を観ていて各々の人物像や敵対関係を知っていた
    からかな

    全てに真っ直ぐで野生的な近藤勇、
    冷静沈着で頭脳派の土方歳三、
    一番の実力者でありながら、人の心を掴むのが上手い
    沖田総司。
    性格が三者三様だが、どれも好き。
    (順位をつけるなら沖田総司が一位。
    近藤勇が派手好きなことを知りちょっと残念笑
    龍馬伝の原田泰造のイメージが崩れてしまった笑)
    根底に情の厚さがあるのが愛される所以か。

    尊王攘夷 薩長 新政府軍
    公武合体 幕府 新撰組 会津藩
    などの関係性が掴めてきた。
    受験の日本史や龍馬伝を観ていた頃は
    はっきりと理解してなかったのでスッキリしている。
    幕末の他の小説も読みたくなってきた!

  • 新選組はなぜ現代まで語り継がれているのか・・・。
    めちゃくちゃおもしろいやんけ!!!新選組の副長だった土方歳三を主人公として、維新前の抗争を主に描いている。正直知らない単語が多すぎて読むのに苦労しました。しかし!今の小説では味わえない戦の臨場感!価値観!漢の生き様!さいこうですねぇ!沖田さんもいいキャラしてるし、近藤さんは何とも言えないし、、、下巻どうなっちゃうの~

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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