新史 太閤記(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152110

感想・レビュー・書評

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  • 非常に読み易く、あっという間に読み終えてしまった。

    何より印象に残ったのが、秀吉は要所要所で腹をくくり、賭けをしていること。
    もしかしたら、1人で相手の屋敷に飛び込んだら殺されるかもしれない。でも、それをしないと事は成就しない。
    常人であれば、相手の屋敷に飛び込む事はないが、秀吉は躊躇わずに飛び込む。
    恐るべき胆力と、運の良さを持ち得た人物だと思う。

    併せて面白かったのが、合戦の時は事前準備に全精力を注ぎ、開戦時にはすでに勝ちが決まっていること。
    孫子の兵法どおりのやり方だが、事前準備の大切さを思い知らせてくれるエピソードだった。

    この本は、示唆に富むことが多い。定期的に読み直したい。

  • 終盤、秀吉の焦りを記述しているあたりから、特に人物描写が繊細になっている。非常にリアルな秀吉を感じることができた。何度読んでもやはり面白い。

  • 人の好意によろこばぬと、人はかえって裏切る。ーなるほど

  • とにかく秀吉がイキイキしていてかっこいい。
    違う価値観を作り、天下をとる。
    当然、簡単ではないよなぁ。

  • 2023/6/10読了
    『悪事も善事も陽気にならねばならない。ほがらかにあっけらかんとやってのければ世間の者もその陽気さにひきこまれ、眩惑され、些細な悪徳までが明色にぬりつぶされて一種の華やかさを帯びてくる』と、〈本能寺の変〉後の織田家簒奪を、明るく楽しくやってのける秀吉。
    中国史上、庶民から統一王朝の皇帝に上り詰めたのは、漢の高祖劉邦と明の太祖朱元璋の2人だけ。秀吉だって、庶民(最初は、人間扱いすらされていないから、それ以下かも)から、位人臣を極めた訳で、成り上がりッ振りでは中国皇帝に劣るとは言え、本邦史上、唯一無二の存在には違いない。しかし、それも家臣の出自・門閥に拘らなかった信長という主君あってこそ。その信長亡き後、事実上主家を乗っ取ることも、秀吉の頭の中では、忠誠を尽くしたのは信長であって織田家ではなく、信長亡き後の覇業は一番”出来る”自身が引き継げば良い、という感じで論理が完結していたのだろうな、と思ったり。

  • 上よりおもしろい

  • 引き込まれた

  • 成し遂げるためには仲間を増やす事
    敵も味方も無く仲間を増やす事
    世間を操るには優しくする事
    笑う事
    相手に儲けさせる事
    決定権は持っておくこと

  • 小田原や朝鮮などの話は、「関ヶ原」か、「城壁」か。

  • 小牧・長久手の戦い以降の展開が早い。さらには、大坂城での家康との対面以降は書かれていない。つまり、九州征伐、小田原征伐、秀次事件、朝鮮出兵には全く触れていない。

    司馬が関心を持っているのは、秀吉が知恵を駆使して戦国時代を生き抜き成り上がっていったところまでであり、権力者となって以降の秀吉には関心がないということだろう。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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