関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 新潮社 (1974年6月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (539ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152127

関ヶ原〈上〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 島左近が素敵すぎる♡

  • 長編故になかなか手を付けられなかったが、
    いよいよ思い切って読み始める事にした。
    実際読み始めると面白い面白い。
    あっという間に上巻読了。

    石田三成目線、島左近目線、徳川方目線と
    様々な視点から描かれているので
    関ヶ原へと向かっていく様子が分かりやすい。
    私は勿論三成公贔屓な為、
    家康憎し!家康悪い!家康いやらしい!
    家康酷い!家康意地汚い!…エンドレス(笑)

    三成公の人間味溢れる姿や、
    良くも悪くも実直な姿が私には魅力的に見える。
    美化している部分も多々あるだろうが、
    今まで通り人望がなくへいくわい者でもあり…
    でも、それを魅力的に描くのは司馬遼太郎の力かな。

  • 大阪で五年暮らしたおかげで、司馬遼太郎さんという小説家さんは、

    「大阪人なんだよなあ。いちども東京に住んだことないんだよねえ」

    という、当たり前の視点を持てるようになりました。

    司馬遼太郎さん、というある意味、巨大な思想家とまで言える娯楽小説家を愉しむ上では、美味しい経験。大阪人なんですよねえ。
    秀吉、豊臣、好きなんですよね。太閤さん。

    そして、その反対に、大嫌いなんですねえ…家康。微笑ましいほどに…。


    1964年~1966年に週刊誌連載された司馬遼太郎さんの歴史小説です。

    大昔、うーん、多分30年くらい前に読みました。今回ご縁があって再読。まずは上巻。

    「豊臣秀吉が死ぬ直前から、関ヶ原の戦いまで」

    という時間帯を、石田三成と徳川家康、対立するふたりを中心にかなり群像劇的に描いた小説です。
    いつも通り、時折作者司馬さんがエッセイ風に顔を出しながらも、1590年代の大坂伏見を歩くジャーナリストの報告を聞くかのような臨場感…。と、騙されて楽しんでいると、ぐぐぐっと大俯瞰に、歴史の、日本の姿までさらっと考察しちゃう。

    そんなぶん回され方に酔いしれる、読書の快楽。

    上巻は、秀吉の死の直前から始まる。
    徳川家康が、秀吉の衰弱と死を見越して、虎視眈々と天下の実権を狙っている。
    それを感じていても、衰弱した秀吉は、自分の一子、まだ幼児の秀頼を立てるよう、もはや祈るように頼むしかない。
    秀吉の優秀な官僚であり、秀吉に拾われ、無から大名になった石田三成は、家康が憎くてたまらない。
    しかし、家康は圧倒的に実績も家柄も武将としての能力も名声も、そして策謀でも世論操作でも上手。

    そして秀吉が死ぬ。

    家康はどんどん権力を増し、横暴を尽くす。
    それは挑発である。石田三成をして怒らせ、家康に対して兵を起こさせる。
    そこで合戦に持ち込んで、戦場で勝利して、そのままその勢いで幼児・秀頼から権力を奪ってしまう。
    そういう青写真を描く。

    それは罠。罠なんだけど、三成もまた、合戦に持ち込んで家康を倒す以外に、秀頼=豊臣家=自分自身の正義感の、立つ瀬が無い。

    家康が世論を操作する。
    陰謀を重ね、無いところに謀反があるように噂を起こす。
    そして、自衛、復習、正当防衛という美名のもとに、武装して強権を作っていく…

    もともと、人当りにカドがある三成は、家康の策謀にはまり、首都大阪の行政官を追われ、挙兵の意を秘めて自領・佐和山へ落ちていく…。

    という流れ。

    実はこれ、司馬さんの嫌悪する昭和陸軍、関東軍が日本全体を戦争に引きずり込んだ陰謀に似ているんですよね。
    (そしてまた…何やら2015年の日本の政治にも…?)


    閑話休題それはさておき。

    この小説が、強烈に悪役・家康の強大さを描きます。
    蟷螂の斧のような三成。
    滑稽なまでの負け犬。
    その負け犬の意気地を描きます。

    なんというか…
    「スター・ウォーズ エピソードⅠ~Ⅲ」のような。

    あれも、実は結局、悪役パルパティーンが正義の騎士たちに、陰謀を重ねて勝利して天下を取るまでのオハナシなんですね。

    壮大な、悪漢小説。ピカレスク・ロマン。

    ただ…司馬さんには、とことん、家康への愛は無いですねえ。
    家康が、あるいは徳川の子孫の人たちに気の毒なくらい(笑)。

    確かに、陰湿だとは思います。
    だって、天下取ったあと、秀吉の墓、「豊国神社」まで破壊しちゃうっていうのはねえ。すごいですねえ。

    やっぱり、天下を

    家康=江戸=現東京=役人(武士)の町、

    に奪われた、

    関西=大阪=秀吉の足元=商家の町、

    としては、生理的に本能的に、ダメなんでしょうねえ。家康。

    で、この小説が実はきわめてエンターテイメント。
    言ってみれば、高倉健さんヤクザ映画パターンなんですね。
    悪役の狡さ、強さ。
    かなわぬまでも刃向う者たちの美学。
    強烈に散るカタルシス。

    なんだかんだ、散文的に、客観的に語っているようで、「関ヶ原」「城塞」という、

    「作者が大嫌いな家康の勝利を描く作品」

    は、どちらも家康を憎みストレスをためながら、最後に、その家康にあと一歩とせまりながら散っていく男たちの姿に酔いしれる興奮なんですね。

    前回読んだ時、そんな印象を子供ながら持ちました。

    今回、再読では、作者のそこに向かって行くエンターテイメントの手管に感心しながら、先が愉しみ。

    上巻は、コトの発端から、高倉健映画的に言うと。
    とにかく悪玉が強くて悪くて、善玉(とその仲間)が、徹底的にヤられ、嬲られ、耐えて苦しむ時間帯でした。

    さあて、中巻はどう愉しませてもらえるか。

    司馬さんのいつものパターン、

    「序盤にお決まりのように架空の美女キャラが出てきて、主人公と恋仲及びエッチな場面を演じる」

    という王道もご愛嬌。

    (恐らく、週刊誌連載という形式上、ともあれツカミのための一つ覚えなんでしょうかね…(笑))

    たいてい、こういった場合は中盤から終盤にかけて、燃えるごみを捨てちゃうみたいにそのキャラが忘れられてしまうんですけどね。
    そんな破綻をものともせずに、力技で押しちゃうんですよね。司馬さん。

  • 映画が見たい!から始まり、原作読んでないと映画についていけないというレビューをみて大人買い。
    石田三成の印象が革命的に変わった。歴史の教科書からは見えてこない天下分け目の舞台裏がとにかく面白い。
    時代に適していたのは家康だけど、私は三成の性格がいとおしくさえ感じている。
    映画もなかなか迫力があって、家康がすごく狸でおすすめ。

  • 大物の歴史小説にやっと手を出した。豊臣時代から徳川時代へと移行してゆく流れが、よくわかる

  • 間違いなく、石田三成に対するイメージが変わる秀逸の作品。
    NHK大河ドラマも合わせてご覧いただく事をオススメです。山本耕史はハマリ役だと思います。

  • 若いころから夢中になった司馬遼太郎の中でもマイベスト、最高傑作の一つ。最近、ランニングイベントで何度か関ヶ原を訪問し、あらためて古戦場や諸将の陣跡などを巡り印象の新鮮なうちに再読した。

    秀吉没後の権力の座を目論む家康の深慮遠謀と、それに一人立ち向かい義を貫く三成という生き方。そしてそれぞれの個性とお家の事情を抱えた諸将の思惑。日和見、裏切り、そして義を貫く死闘。これらが最終的には関ケ原の一角に集まって日本史上最大の決戦が行われる。

    主役、脇役、数々の逸話、合戦に至るまでのプロセス、すべて面白いが、決戦に敗れ捕らえられた後の三成の最後まで貫いた生き方が大好き。この作品で大の三成びいきになりました。

  • 秀吉亡き後は徳川家康の天下取り策謀が動きだす。大名たちの思惑は義より利。保身に走る姿がみっともなくも思うが、これが人の本性だろうなと認めるしかなかったり。問題が起こった時に、どう行動するかがで人間って試されるんだろう。家康と謀臣本多正信のやり取りが、老獪な狸っぷりが憎らしい。會津・上杉藩と蟄居中の三成らは、家康が会津討伐に挙兵したところを東西から挟み撃ちを計画するが・・・。上巻は、頭脳戦。

  • 関ヶ原の戦いが、どのようにして起こったかを鋭く描く司馬遼太郎さんの作品。徳川家康とその謀臣本田正信と石田三成とその家老島左近との頭脳戦は読み応えがある。
    ただ、石田三成は人から好かれないが、もう少し器用さがあったなら歴史が変わっていたかも。敵を作らないということは人間社会では大事なことですね。
    前田利家亡き後の徳川家康の豹変ぶりも凄い。豊臣政権から変わって欲しいという世の中の空気に上手く乗っかることができたし、その場、その場の演技力は凄まじい。やはり、徳川家康の方が一枚役者が上だなと上巻を読んで思います。

  • 信長、秀吉はおそらく天才であっただろう。
    生まれもった器に天下を盛ることができたという意味であり、彼らのみた世界というものは、ぼくには及びもつかない。

    しかし、家康はそうではなかったようにおもう。松平元康という男が、「天下人・徳川家康」を演じきったのではないか。演じきることによって生来の器を超えたのである。いったいぜんたい、あんな庶民くさくて格好悪い策の数々は、天才には思いつけるはずもないではないか。

    三成という男については、何もいえない。
    いわでものことをいってしまうところ、観念的で現実の方を疎かにしてしまうところ、それらの欠点がぼく自身をみているようで、なんともいたましくてたまらないのである。この男については、作中の黒田如水に任せよう。

    堅苦しくなってしまった。
    そもそも、先鋒・島左近のこれでもかってほどの格好よさに突き崩されてのめりこみ、三成のシュールさに二度も腹を抱えて爆笑し、家康・本信の狸っぷりにテレビ時代劇的なフリをみた。おそらくこの二人は世が世なら良い?悪代官様と庄屋として、お茶の間をそばだてたにちがいない。

    そういう軽さから、レビュー冒頭のような神妙な顔つきに至らされた。この移り変わり加減こそ、司馬遼太郎の軍配の妙だったようにおもう。

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