城塞 (下巻) (新潮文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 新潮社 (2002年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (583ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152226

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司馬 遼太郎
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城塞 (下巻) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  •  新潮文庫で全3巻。
     徳川家康のあまりの悪人っぷりにげっそりして、なかなか読み進むことができなかった本。
     
     敗戦の色濃い大阪方にありながら、天賦の才というべき戦巧者であり、最後まで家康に肉迫した真田幸村。健気です。敗北は認めているが、最後まで戦うことを諦めない。機会が訪れることを諦めない。それは戦の勝利ではない。家康一人を討つことだ。純粋なのか。執念なのか。
     しかしこの小説の主題は幸村ではない。軍師の小幡勘兵衛でもない。家康でも、淀君でもない。燃え落ちる大阪城に象徴される天下人たちの夢の終焉だろう。信長や秀吉、彼らを頂点に連なる男たちが興亡を繰り広げてきた,戦国の世の最期の姿を記録した物語なのだ。

  • 大阪夏の陣。真田幸村の活躍にそれなりの頁を割くが大阪城は陥落するまでの物語。上巻で主人公のように扱われていた小幡勘兵衛が再び現れるが強者におもねる行動をする人物として行動する。戦国の世があわり、大名達が徳川家にすり寄る行動を象徴する存在として描かれている。バンコクのプールサイドで読了。2015年の夏休み読書。

  • 真田・後藤・毛利・明石・長曾我部の奮戦ぶりと散りざまがすさまじい。

  • この巻は、真田幸村、後藤又兵衛等の大坂方の将達の散り様に尽きます。
    既に勝敗度外視で、命を懸けて働き続けている彼らを信用せずに、
    これでもか、というほど騙されてきた家康を信じて、最後迄罠に嵌り続ける豊臣方の愚かさたるや・・・。
    “戦国最後の軍神”幸村がその才能の半分も発揮できなかった(無能な城方に提案した作戦を悉く反対された為)にも係わらず、東軍武将達を戦慄せしめるほどの働きで、最後迄全力で戦い、そして力尽きる場面は不憫すぎて言葉になりません。
    それにしても家康、悪くかかれてます。

  • 大阪夏の陣、自滅する豊臣家。救いは秀頼が武人と触れ、意志を持った若者に成長する事。無能なトップに足を引っ張られる又兵衛や幸村たちの、死に場所を戦場と決めた潔さが辛いです。「竹中半兵衛も黒田官兵衛も要らぬのだ」必要なのは頭脳でなく手足、と考える家康。黒い、けどすごい。

  • 秀頼、淀殿を挑発して開戦を迫る家康。大坂冬ノ陣、夏ノ陣を最後に陥落してゆく巨城の運命に託して豊臣家滅亡の人間悲劇を描く。

  • 一気に読ませる。
    だが、注意して読んだ。
    これは読み物であって、歴史書ではない。
    2千年前の「項羽と劉邦」みたいな物語なら大目にみられることも、江戸(特に幕末)~のお話では、読み手にも教養・判断力が求められるに違いない。

  • 再読。

    ずいぶん前に読んでいてほとんど憶えていなかった。
    「関ヶ原」は細かい部分まで憶えていたのに…
    原因は魅力的な人物も胸のすくような描写もなかったからかなぁ。只々、家康側の嫌な奴度が高い。
    豊臣方の将達の悲壮なまでの決心や行動も淡々と描かれてちょい物足りない。
    ケレン味が少ない方が好みの人にはいいのかもね。

  • 大坂の冬の陣・夏の陣を、戦が始まるきっかけから大坂城落城まで描いた歴史小説。
    2016年大河ドラマ「真田丸」の予習として読んだ。
    主人公は小幡勘兵衛という牢人で、後に軍学者となる人物。彼は、戦の表舞台には立っていないが、徳川方の間諜として豊臣方に入り込んでいた人物であるため、両者を行き来しつつ狂言回しとして物語を進めていく。でも、途中で時々、全く登場しなくなり、誰が主人公だっけ?となることも。司馬小説ではよくあることだけど(いわゆる「余談だが現象」)。

    たまに勘兵衛が、恋人お夏のために豊臣方に肩入れして徳川を裏切りそうになり、その場面だけはグッとくるものがあるのだけど、最終的には打算と私利私欲で動く人物なので、途中からはそんなに感情移入は出来ない。

    それ以外の、戦の表舞台に立つ登場人物は以下の人達
    豊臣:淀殿、豊臣秀頼、大野治長、真田幸村、後藤又兵衛、片桐且元
    徳川:徳川家康、徳川秀忠、本多正純、本多正信

    どの人物も、何かしら足りないところや汚いところがあって、他の司馬小説の主人公(竜馬・高杉・土方・信長・秀吉ら)みたいに純粋にカッコいいと思える人はいない。でも、その人間臭さこそが、司馬さんが群像劇としてこの小説を描いた意味なのだろう。

    そして、女優で歴女の杏さんが本の帯か何かで書いていた、『最強の城も、人間や組織次第でこうも簡単に滅びるのか』みたいなことが、この小説の一番のテーマ。最強の城と、実戦経験豊富な現場担当者。これらが揃っていながら、なぜ大坂城は落ちてしまったのか。上に立つ者が世間知らずでマヌケだったから、なのだろうけど、その一言だけでは片づけられない、数々のボタンの掛け違いによる失敗から学ぶことは多い気がする。

    以下、印象に残ったエピソード

    片桐且元の豊臣方から徳川方への転身
    - 豊臣を裏切る気持ちは無かったのに、家康の策略と豊臣上層部の疑心暗鬼から、やること全て裏目に出て、転身せざるをえなかった片桐且元。豊臣への忠誠心は誰よりも強かったはずなのに、最後は大坂城へ向けて大砲を打つことまでさせられた彼の心境は、言葉に出来ない。人と人との些細な擦れ違いから、人生を狂わされてしまうこともあるのだ。大河ドラマ「真田丸」小林隆さんの悲喜劇入り混じった演技も、印象深かった。

    大坂五人衆集結
    - 真田幸村、明石全登、後藤又兵衛、毛利勝永、長曾我部盛親ら五人衆。戦う場所を欲して、家の再興、キリスト教布教許可など、各々の理由を持ちつつ大坂城に集まって来て、団結して戦いに臨む。大河ドラマと並行して読んでいたため、映像とシンクロしてワクワクして読み進めた(負けるのは分かっているのだけれど)。
    犯罪者家康と、純粋な豊臣方牢人たちとの対比

    - 司馬さん曰く、徳川家康の大坂攻めは戦争というよりも、本質は「犯罪」(主家である豊臣家に対し、騙したり、約束をすっとぼけたり、内部分裂させたりしたから)。家康をとことん悪人に描いているが、それは彼が「後世にどう思われるか」という発想が無かったから、との解釈。一方、真田幸村・後藤又兵衛ら大坂方牢人は、豊臣が滅んだら他に頼るものが無いわけで、自然、死を恐れず武名をあげ、後世に向かってよき名を残すことに純粋に研ぎ澄まされていくようになる。それぞれの生き方の違いだったのだろう。

  • 多少の着色はあろうが、家康の思慮深さと人身掌握術を見れば大坂夏の陣は当然のごとく東軍の勝利になるのだが。
    この翁が見ていたのは、その戦の先にあることだったのか…改めて恐ろしい御仁である。
    彼が経験してきた70年と言う歳月がここまでの策謀を張り巡らせる智謀を備えさせたというべきか…

  • 下巻も読了。
    大河ドラマ「真田丸」はこれから大坂冬の陣ですが、ここで描かれるのは堀を埋めて、豊臣を滅ぼすための家康の策略とそのクライマックスである大阪夏の陣。
    知られているように、真田幸村が家康の首に迫るものの、逃げ切られ、兵力に勝る東方の勝利。秀頼、淀殿親子も糒蔵で灰となる。
    大坂方も、もう少しうまくやれば、歴史も変わっていたんだろうなと思うけれども、そうさせなかった家康の思慮の周到さに驚愕。

  • 平成28年10月12日読了。登場人物が多すぎて途中で覚えられなくなってしまった。端役もまた魅力的。大坂夏の陣の頃から武士の思想に変化が現れたことなど、興味深かった。

  • 圧倒的に徳川方が強かったのか...と思っていたら、実は冬の陣でも負けそうな場面があった。関ヶ原からの十数年経つと、戦を経験してきた年代が亡くなり、それより若い世代が戦を未経験で、徳川方も将となる人が不足していたようだ。

  • 隆慶一郎の影武者徳川家康もお勧め。

  • ・大きなものを崩すにはまず内側から。
    ・賢さというものは頭脳ではなく、意識。
    ・日本人が愛するのもは詩であり、
    詩的な行動である。

  • 家康、ひどいやつ!

  • 城塞と関ケ原、最高。

  • 時代の終わりと始まり、掴むものと手放すもの
    戦国の終焉を舞台に光と陰が描かれている

  • 豊臣家の滅亡と戦国時代の終焉を描いた本。家康の嘆きや心配事が会社の会長に思える。いつの時代も老人の悩みは同じなのだろう。淀君さえいなければ豊臣家は復興できたのかもしれなれないと読むほどに思う。そして、自分の子どもは選択できる大人に育てたいと強く思った。真田幸村、後藤又兵衛、かっこよすぎる。これで司馬遼太郎の国とり物語から始まる戦国物は読破できたのではないか。なんか達成感があるな。

  • 老獪な家康の策にまんまとはまり滅びの道を進む豊臣家のあり方が憐れを禁じ得ない。

  • ストレスがたまる話だったわー

  • 【状況】ポスト内
    【舞台】大阪城、真田丸(陸軍墓地のあたり?)など

    大阪城のそばに住んでいて、これを知らずしてどうする?とまで思われます。大坂の陣400年にあたり、是非とも読んでおきたい本。

  • 国盗り物語、新史太閤記、覇王の家、関ヶ原、播磨灘物語、功名が辻、そしてこの城塞と司馬遼太郎さんの戦国物語を読み終えた。最終的に天下人となった徳川家康の負の部分が色濃く描かれており、読んでいて少し重たい気分になった。
    徳川家康は江戸幕府を創設した。日本に平和をもたらすという大きな役割を果たしたが、日本から様々な進歩を取り上げるという愚もおかしてしまった。結局は徳川家のことだけを考えていたのだろうか。。

  •  大坂夏の陣。
     ついに、大坂城がおちる。

     敗退を覚悟しながら、それぞれの思いを持って戦う大坂方の武将たちの生きざまがすごかった。戦の初めは作戦で勝つが数で勝てない。後続の部隊がいない大坂方と違って、徳川方は倒れても倒れても、次の部隊が出てくる。まるで使い捨て。
     真田幸村を初めとする勇士たちは、死を覚悟しながらも、家康さえ倒せば情勢が逆転するかもしれないというわずかなのぞみにかけて、死闘をくりひろげる。
     
     戦は武力だけでは決まらない。
     世の流れに真っ向から逆らっても勝つ事はできない。

     どんなに優秀でも環境と折り合う範囲でしか、その力をいかす事はできない。
     家康は微妙な情勢をきめ細かに読み、きめ細かな対応をとった。そして、これまでの生き方やそこで作ってきた流れがあったから、勝利をもぎとる事ができたのだと思う。

     大坂方の滅びた武将たちには、無念さがあったとしても後悔はないと思う。
     それは、覚悟して自分で決めた生き方だから。
     「主体的に生きる」とは、そういう事なのかもしれない。

     徳川方は、情勢をよんで自分を守るためにふるまう武将が多い。それも世を読むという事なのだろう。

     特に世の流れに疎かったのが、大坂の淀殿。そして、淀殿によって世間知らずに育てられた秀頼。

     全編を通して、大坂城はずるずると崩壊していった。
     起点は関ヶ原。ちょこちょこと出てくる石田三成という名が、それを思い出させる。

     秀吉の世の象徴であった強大な城塞がこの世から消えた。
     それはただ城が消えたという事ではない。徳川の世が決定的なものとなった瞬間だった。

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