城塞(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152226

感想・レビュー・書評

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  • 真田・後藤・毛利・明石・長曾我部の奮戦ぶりと散りざまがすさまじい。

  • この巻は、真田幸村、後藤又兵衛等の大坂方の将達の散り様に尽きます。
    既に勝敗度外視で、命を懸けて働き続けている彼らを信用せずに、
    これでもか、というほど騙されてきた家康を信じて、最後迄罠に嵌り続ける豊臣方の愚かさたるや・・・。
    “戦国最後の軍神”幸村がその才能の半分も発揮できなかった(無能な城方に提案した作戦を悉く反対された為)にも係わらず、東軍武将達を戦慄せしめるほどの働きで、最後迄全力で戦い、そして力尽きる場面は不憫すぎて言葉になりません。
    それにしても家康、悪くかかれてます。

  • 大阪夏の陣、自滅する豊臣家。救いは秀頼が武人と触れ、意志を持った若者に成長する事。無能なトップに足を引っ張られる又兵衛や幸村たちの、死に場所を戦場と決めた潔さが辛いです。「竹中半兵衛も黒田官兵衛も要らぬのだ」必要なのは頭脳でなく手足、と考える家康。黒い、けどすごい。

  • 徳川家康の意地悪なところがもっと書かれていると思ったがそれほどでもなかった。それよりも、淀殿たちのグダグダ加減が印象に残った。後年書こうとしていたノモンハン事件など第二次世界大戦時の軍上層部の習作なのかなとついつい勘繰ってしまった。
    あと、金地院崇伝など禅についての悪い評価が面白い。京都で新聞記者やってた時になんかあったんだろうか。

  • 豊臣家滅亡に向かっていく夏の陣。
    豊臣方の牢人達が貫こうとする敗者の美学に惹きつけられた。毛利勝永の最期も描写してほしかったな。あと、上編で話を盛り上げたお夏の最期、あっさりしすぎてたのは残念。

  • 大坂方への壮大な鎮魂詩と言って良いと思う。また、狂言回しを真田幸村でもなく徳川家康でもなく小幡勘兵衛に担わせ、落城時のその悲喜劇のような場面が良い締まりとなっている

  • 日本人(そしてこの作家)が「詩的」か否かでその人物の印象を決めるという指摘は間違いない気が。
    でも、そうであれば家康という人物はもっと興味深く捉えてよいのでは?と逆に思ってしまいますな。ただこの作家はストーリーテラーという訳ではないので、そういう描写を要求するのは酷かなとは思いますけれども。
    また、秀吉に明るさを感じるとかありえんと思いますけれども、当方からすると。
    詰まるところ、前から思ってましたけれども、この作家はやっぱり、昭和の、そして男の作家なんだろうと思います、良くも悪くも。

  • ついに読了。秀頼と淀殿の生涯とは。幸村とは。

  • 小幡勘兵衛を主人公にして描かれた物語。大阪落城までのドラマ。家康は細心の注意を払って、全身で演技をし、豊臣家を潰した。
    この大阪の陣こそが、後に260年もの太平の世を築く本当の意味での礎となったのであるが、結局は家康自身が禍根を絶ってしまったことがやはり大きな要因。
    様々な人物の子孫、家への思い、主君への忠誠など、様々なものが知れて良かった。

  • 関西に住みながら一度も行ったことがない大阪城。この本を読んだおかげて、堀の中に入った際に、色々と感じることがあるはず。日本に帰国したらまず行って見たい場所の一つです。オリクロン感染拡大で帰らないけど。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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