アメリカ素描 (新潮文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 新潮社 (1989年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152363

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アメリカ素描 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • さすがは司馬遼太郎だ。今まで、司馬遼太郎のエッセイは読んだことがなかったが、歴史に深い造詣がある筆者だけに、アメリカを見る視点が鋭い。
    まず、「ザ・ステイツ(the States)」ですっかり感心してしまった。考えたこともなかった。しかし、この一言でもってして、ローマ帝国とアメリカとは、同じ法による国家とはいえ、似て非なるもの、と思った。
    司馬遼太郎の深い洞察力の下に書かれた、様々な国を見つめたエッセイをもっと読みたくなった。話の中にも様々な本が引用されているが、興味深い。
    しかし、何気に文章が短くて、歯切れ良く、躍動感を感じる。司馬遼太郎の人柄をなんとなく感じられて、それも面白い。

  • 「もしこの地球上にアメリカという人工国家がなければ、私たち他の一角にすむ者も息ぐるしいのではないのでしょうか」。
    本の冒頭で、アメリカについて司馬と会話した在日韓国人のセリフである。
    アメリカに対する世界中の人々のまなざしを表しているようで鋭い、と思った。


    司馬遼太郎の熱心なファンではないが、この本は一気に読めた。20年前に書かれた本とは思えないほど新鮮でアメリカの本質を突いている。


    普遍性があり合理的で機能的なものである「文明」と不合理で特定の集団においてのみ通用する特殊なものである「文化」。二つの視点を軸に、アメリカという人工国家を観察した旅の記録。紀行記しても充分楽しめるが、アメリカ論としても勉強になる。

    アメリカという国を知る上で最適な書である。

  • 司馬遼太郎が語るアメリカ論。

    司馬遼太郎はかつて「アジアの人々とはなんとなく感覚を共有できる気がするし親近感がわくが、欧米やアフリカ、中東の人とはそういう感覚とは違う気がする」というようなことを言っていた。

    その言葉の通り、司馬遼太郎は日本やアジアの歴史は克明に描写したが、欧米に関する描写はあくまで日本やアジアについての記載のおまけに過ぎない感がある。そういう意味で、司馬遼太郎のアメリカ論は貴重である。

    読んでみると、司馬遼太郎の他のエッセイと同じく、とても面白い。

  • 文明と文化について。その生の景色。
    今の時代にも通じるもの、変わったもの。

    ・アメリカの同化力
    ・無償と自由がないまぜになったものがアメリカの本質

  • アメリカを人工国家とし、文化と文明の違いを独自の視点からアメリカの全体像に迫る。現代の国際政治を読み解くヒントになると思う。秀逸の一作。

  • 昭和60年に読売新聞に連載された米国素描。日米貿易摩擦が大きくなって来た頃、著者がカリフォルニアと東部(ニューヨーク、フィラデルフィア、ボストンなど)を2回に分け、のべ40日にわたり取材旅行して著した紀行文。著書が今の米国や日米関係を見たらどのような文章を書くだろうか。

  • 文化と文明。

    拘束と自由・責任。

    そして、豊かさと活力。

  • 西海岸と東海岸計40日の紀行文。歴史の浅い「人工国家」の強さを、著者は「文化」と「文明」の2つの言葉で説明する。文化は地域的なもの。文明は全地球的に通用する普遍性を持つもの。経済にしろ何にしろアメリカ的なものが世界に広がるのは、それが文明だから。面白かった。

  • ★TBSラジオの「週間 ほんなび」で北丸雄二氏が紹介した本。北丸雄二氏はTBSラジオのデイキャッチにも金曜日のニュースクリップを担当していて、アメリカの事情に鋭い観察眼を持っているので、紹介にひからて読んでみた。
    司馬遼太郎の小説は多くを読んでいるが、随筆としてのこの作品は、あらためて彼の歴史的知識の豊かさ、広さとそれに基づく、洞察の深さを感じさせられた。アメリカの建国の精神は、メイフラワー号の中で培われた、強固なものであり、その後WASP(White AngloSacson Protestant)がそれを建国の理念として、アメリカに広げ更に根付かせていった。そのアメリカの中で、脈々と「様々な人種がオデンのようにそれぞれの固有のかたちと味を残したまま」一つの国家を、エネルギッシユに、多様に発展させていったことへの洞察が歴史的知識を背景に語られている。その中でも、アメリカの性(さが)がよく表現している最も、印象的だった部分を引用する。「他人の国の内臓に手を突っ込んだ国は、相手国がもつ風土病に感染してしまう。」(ベトナム戦争を反省するアメリカ)この、国としての本能に、なかなか理性が働かないのか、見えざる権利基盤が強固に国家の姿勢をコントロールしているのか。どちらにしても、2013年の現在でも、更に深い意味を含んでよくあらわれているように思える。2013.08.04

  • 文明と文化の違いを普遍性と慣習と整理したのはわかりやすい。論理性・合理性・効率性と非合理性、文明は広がるが文化はとどまる、文明は人が行き交う多民族国家で起こる。徹底的に自己表現を学ばせるアメリカと察することを学ばせる日本・中国。論語はインディアン酋長の言葉のようなもので50%は察して埋める。古代以来の人・文化が累積して国ができた日本、中国、フランスに対し、メイフラワー号で来たのは知識はあるが特権階級でなかった中産階級・法学士でアメリカは法が主人。何でも政治・権利で、アメリカは文明で国ができている。新しいライフスタイルを文明として公認してもらうのが権利闘争。一方で文化に裏打ちされない文明はありえないという指摘は同感。黒人こそが真のアメリカ人で、常にアイデンティティを求め、文化とは何かを理解している、ぺろんとしたアメリカ人にはならないという見方はおもしろい。常に2枚のレンズを持って見るとの筆者弁。

  •  本書は昭和61年読売新聞社より刊行された。時代が23年以上前のことである。当時のアメリカ社会を国の成り立ちを鑑みながら講釈するという趣向である。講釈する当時がすでに23年も前になるので読みながらも、現代のアメリカと比べると多少違和感あり。素直に楽しむことができないとするならば、その辺りが問題なのかもしれない。

  • 当時のアメリカの姿を、司馬遼太郎が途惑いを持って描写する。
    まだ素朴さの残る国の面影を感じる。新鮮。

  • アメリカという国を「文明」というととらえる目線が今更ながら「はっとさせられる」
    最後の「日本にかぎらず、慣習がつよく人間の独創性を拘束している社会は、どの国でも田舎でしょう」

    痛烈な一言です。

  • 本を読む時間に間隔が開きすぎてしまって挫折。惰性で読んでいたがもうやめる。ちょっとテンポが合わないかな。

  • ものすごく面白かった!
    司馬遼太郎のアメリカ旅行記。
    昭和61年刊行なので情報は古いが、
    司馬さんの知性溢れる文章が素晴らしい。
    もう一度読みたい本。

  • そうだったのか!アメリカ!
    といった感じである。

    現在言われているアメリカだけではなく、もっと建国当時からえぐった作品なので、まさにアメリカの本質というものがわかるような気がした(あくまで気がする)
    それにしてもたった1ヶ月程の旅でここまで見通せる作者っていったい。
    やはり知識をもって旅するとここまで充実したものになるのだなぁと実感。

  • おなじみのシリーズ「街道をゆく」のアメリカ編とも言うべき紀行文。著者は昭和60年前後に計40日間にわたって、アメリカのカリフォルニア(LA、サンフランシスコ、オークランドなど)と東海岸(フィラデルフィア、NY、ボストン、ポーツマス、ワシントンDCなど)に滞在しており、この時の体験談を軸に、アメリカを成立させた歴史、民族、文化、文明について幅広い知識で議論している。
    改めて著者の偉大な歴史観、文明観に触れたような気がする。文句なしの名著。

  • 成田→サンフランシスコで読んだ。

    アメリカ東海岸から西海岸を旅行して、アメリカのあらゆる姿を追いかけ、まさしく素描する内容。

    アメリカ文化の様々な側面を書きだしており、WASPとかサンフランシスコに同性愛者が多いなど、今ではよく知られている内容から、全然しらなんだということまで幅広く取り上げていた。

    そういえば、サンフランシスコ滞在中、気づかぬうちに、結構危険な地域をワタシは歩いていたらしい(苦笑)

  • 「この普遍性を信じる社会にとって孤独は副産物のようなものである。そのもとを否定すれば、アメリカ文明が消滅してしまう」

  • 司馬遼太郎記念館にて。

  • 当時63歳の司馬遼太郎は、1980年代半ば、初めてアメリカを訪問し、氏独自の視点によってアメリカを論じた。鋭い眼によって描写される透徹したアメリカ論は、人間の本質、文明の本質を深くえぐりだす。

  • 他民族国家を運営していくために必要なのは文化でなく文明なのか。
    時代は古いけど国家・国民の本質なんと簡単に変わらないので、今でも十分通用する内容。

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