峠 (中巻) (新潮文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 新潮社 (2003年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (571ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152417

峠 (中巻) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 河合継之助、行動を起こし始める、の巻。歴史上の重要人物が何人も出てくる、すごい時代だなと改めて思った。

  • 17/10/14読了

  • 印象的だった箇所

    なにごとかをするということは、結局はなにかに害をあたえるというとだ
    何者かに害をあたえる勇気のない者に善事ができるはずがない
    (207頁)

    あと、継之助と福沢諭吉のやりとりは刺激的で面白い。普段使っている熟語(自由とか権利とか演説とか)を福沢諭吉が苦心して案出したというのも新鮮だった。

  • 独立に向けて、継之助が準備を進めている様子かな。大政奉還あたりかな?

  • 河井継之助。良運さん、スネル、ガットリング砲、大政奉還、福地源一郎、福沢諭吉。私は越後長岡藩の家老であるというだけで人の世に存在している。

  • 少しずつ事が起こってくる中巻。もちろん星5つの面白さだったのですが、上巻と同じ感想も書けないし、上巻ってどんな感想書いたっけ・・・と読み返すと、めっちゃいいこと書いてる、わたし(笑)上巻の感想にすでにこの小説の全てが書いてある気がする。中巻に起こったいちばんの事は、大政奉還。今まで読んだ小説、見たドラマでは、慶喜ってあまり良く描かれてなかったけど、司馬遼太郎さんの認識としては割と名君なのね。まあ、「無血」がいちばん素晴らしいと今の私の感覚だとそう思うし、だからこそ「血が足りない」と最後へんな方向に走った西郷はちょっと違うとも思う。(うけうり)そう考えると、長岡藩、河井継之助が選んだ道は正しかったのか否か。「家を守る」ことも大事だが、それにとらわれず「民が死なないか、苦しまないか」を考えることも大事。さて下巻、どうなるのでしょう。

  • 歴史に疎い自分でも聞いたことのある人物が次々と登場し、尊皇攘夷論や、大政奉還について改めて認識しつつ、幕末の情勢に鋭い見地を向ける経之助の行動力、に目を見張る。
    名言が端々にあり、再読して自分のものにしたいですが、とりあえずは下巻を読んだ後に。

  • 登場人物や出来事が
    複雑になる流れで
    なかなかストーリーについていけず
    読み進めるのが遅くなってしまった。

    ほんの数年の間に
    これだけの激動の中を駆け抜け
    動じることなく進んでいく姿は
    本当に強く、一貫性があり、
    奇跡的な足跡となっている。
    新しい時代を見据えて、
    時代の間にありながら、
    迷わず武士としてのあり方を選ぶ。
    スピードがある中に
    暖かみや優しさも感じられるように描かれていて、どんどん惹かれていってしまう。

    150816

  • 考える力のない人ばかりの時代で、考える力があった人の物語。戊辰戦争がはじまって、河井継之助は走り回る!男よ、走れ!


     幕末の偉人たちがみんな顔見知りで楽しい。司馬先生の幕末物語は、登場人物が連関していて、「お、この物語でもこいつは登場するんだな。」ってなって楽しい。

    ____
    p45  目明しへの給与
     江戸時代、奉行所の与力は人員不足で、それを補うために岡っ引きや目明しなどの元犯罪者を協力者として使用していた。しかし、そんな連中に税金で給料を払うわけにいかないので、彼らが賭博場で儲けるのに目をつぶるという形で共依存の関係を持っていた。しかし、継之助はとばく場を廃止するために目明しにも給料を払い、公式の警吏にした。画期的な政策をした。

    p50 越後分割
     家康は越後という土地を一大名に封じれば、かつての上杉謙信のような強大な大名が出る可能性を恐れた。それゆえに越前・越中・越後と細分した。

    p120 交代中止
     井伊直弼の後に幕政を継いだ松平春嶽は、参勤交代と大名妻子の江戸住まいを中止させた。「意的に侵略をうけるかもしれないという時代に大名の力を疲弊させるのは国力の低下でしかない。」という理屈だったが、その結果、薩長ら反幕勢力が盛り上がり倒幕に至った。この春嶽の政策が実質、幕府の命脈を断った。

    p122 灯の消えた江戸
     参勤交代の中止・藩邸の撤退、これらが行われた100万都市江戸は人口がほぼ半減した。それほど江戸という都市は士族で支えられていた。武士が集まるから消費が生まれ、商人が集まり、文化が華やいだ。
     士族のいなくなった江戸は灯が消えたようだった。

    p127 刀とは
     江戸時代になると「刀は武士の魂」だった。しかし、元を辿って戦国時代「刀は道具」だった。戦には刀を三本持参し、刃こぼれを治すために砥石も携帯した。刀は武士の独占物ではなく、農民が自衛のために持つこともあった。
     しかし、豊臣から徳川の時代を経て武士のナルシシズムが純化され、侍の道徳とか倫理にまで変質した。
     継之助は「刀は道具だろう」と観れる合理的精神を持っていた。

    p167 新潟湾
     新潟港は在来シナ人の密貿易の大交易地だった。

    p207 空想家
     「何事かを成すということは、結局は何かに害を与えるということだ」と継之助は言う。みんなのためになる、誰も損はしない、ということは空想家の考えることであり、ほら吹きであり、結局何もしない。

    p224 日章旗
     幕府が安政条約(日米和親条約)で外交を始めるようになったとき、国際航法上、国旗を決めなければならず、島津斉彬が日章旗を選んだ。

    p258 生は道具
     陽明学の基本思想である。生は生のためにあるのではなく、事を成すための道具の一つに過ぎない。そう考える人間こそ、良い仕事をする人間である。

    p270 浪人の使い方
     薩長らの倒幕主義者たちにとって何より必要なのが大義名分であった。喧嘩は殴られなければ始められないのである。しかし、いくら嫌がらせをしても慶喜は挑発に乗ってこない。そこで、この頃多数湧いて出た浪人を江戸で暴れさせて、幕府に武力行使させようとした。

    p282 浄いだけの神
     天皇は浄いだけの存在である。人を救うだけの力もなければ、国家を統治するだけの力もない。無いから存在価値があるのである。しかし、倒幕主義者はそれを犯して、天皇家に政治参加させようとしている。そう継之助は感じとり、異を唱えた。

    p313 ランドセル
     ランドセルって背嚢のことで、軍事物資なんだよな。そんなものをほとんどすべての小学生に持たせている日本の慣習ってすごいよな。左翼どうしたって感じ。

    p328 裏切り
     藤堂藩の寝返り!家康公以来、徳川の先方は井伊と藤堂といわれたこの二藩がまず徳川を裏切ったというのが時流を表しているよな。

    p331 尊王の時代
     江戸時代と戦国時代の違い、それは天皇を担ぐことの重さが違うということ。戦国時代ならば、自分が賊軍になったとしても強気が弱気を食いつぶすために別の皇族を立てて正義を新たに振り翳す。室町後期から家康の頃まで、そうだった。
     しかし、江戸末期はもっと良い子ちゃんになっていた。慶喜は賊軍に仕立てられたことを重く考えすぎた。もし家康だったら、新たな天皇を仕立てるだろうが、慶喜にはそれだけの胆力がなかった。それほど江戸時代は道徳や倫理が支配力を持っていた。社会の発展とは

    p351 迷わない
     藤堂藩は継之助の元へ今後どう動くかを聞きに来た。「藤堂藩もまだ迷っているようですな。」と三間市之進が継之助にいった。「迷ってなどおらぬよ。藤堂藩は強きにつこうとしているだけ、鳥羽伏見では薩長が優勢と見たからそちらについた。今もそれを探っておるのよ。藤堂藩は迷わず強きにつく、それだけだ。しかし、古来そういう種類のものほど恐ろしいものはない。」というようなことを継之助は言った。
     迷うとは、己を確立した者にしかないモノなのだ。顔色を伺うのと、迷いは違う。

    p370 常在戦場
     長岡藩の藩是「常在戦場」藩士に生活文化を楽しませない。座布団一つも戦場にはない、だから日頃武士は座布団など使ってはいけない。常に自分が武士ということを意識して生きていかなければならない。という教え。

    p373 口軽
     福地源一郎は日本史上稀に見る才子であった。しかし、おしゃべりなのが玉に傷で、口軽ゆえに重職は任せられないという境遇だった。面白い。

    p417 留学中の福沢諭吉
     アメリカ留学中の福沢は工場見学中でも「リバティーとは何ぞ、ライトとはなんぞ」と聞いて回っていたという。

    p489 武士道の死
     日本の古来の戦法は武将個々人の力を信じて任せるものである。洋式の戦法は逆で、人は元来バカで臆病で恐怖にはどうにもならないものと考え、それを訓練で克服し、号令によって一つの大きな生き物として戦いに挑む。
     性善説と性悪説の対立である。

    p516 覚悟
     江戸に戻った継之助は、会津藩がこれからの藩薩長方針を固めるための会合を大槌屋で開くというので参加した。会津藩は東国各藩を反薩長になるべく意見をまとめたい。しかし継之助はこれに喝を入れる。
     「意見じゃないんだ。覚悟だよ。官軍に抗して起つか起たぬか、その死ぬ覚悟があるかどうかだ。覚悟があるから戦略や政略が立つのだ。互いの顔色を伺っているような連中でいくら話し合って意見をまとめようとしたって仕様がないぜ。」
     覚悟だよ。覚悟。こういう状況っていっぱいある。

    p529 両国
     長岡藩の判定は渋谷と深川に二つあった。長岡藩が江戸を引き払うに当たって、深川の判定は藩お抱え力士の両国に管理させることにした。
     藩邸を放置すれば浮浪者のたまり場になり、火の不始末で火災が起きればたちまち延焼で江戸の町人に迷惑をかける。そういうことが無いように継之助は後始末をしっかりこなした。
     この両国関が住みついたから領国という地名になったのか。と思ったが、違う。もともと領国という地名だったようだ。深川と日本橋にかかる両国橋からとった地名らしい。この橋を境に武蔵野国と下総国を行き来できるから、両国橋というらしい。

    _____


     スゴイかっこいい。司馬遼太郎の描く偉人は本当にかっこいいなぁ。

     新潟県はご縁があるのにあんまり知らないんだよなぁ。興味でた!!

  • レビューは下巻にて

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