峠(下) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152424

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  • 「長岡に死ににきたぞ」
    悲壮感漂う長岡奪還戦をクライマックスに、負ける結末を知りながら、死に花を咲かせる継之助と長岡武士たち。
    悲しい中にも爽やかをもって、長かった話は終わった。
    現在、長岡に行くとシャッターを閉めた店が多く、寂しい限りだが、今度訪れる時は、昌福寺に行ってみようと思う。

  • ここまで思想に生きることはできないなと感じた。行動原理が確固としてありぎる。。

  • ※購入したのはこれより旧版
     2002.9.7読書開始
     売却済み

  • 死に向かうのは辛いし、最後残された人々のことも気になる。3巻あっという間で、流石司馬さんと思った。とても面白かった

  • 越後長岡藩一藩士の新国家構想の夢にかけた生き様、やはり高すぎる理想に感じてしまう。
    映画上映の前にもう一度読みます。

  • 下巻は、京都での大政奉還で、担ぐべき神輿(将軍慶喜)が急きょ消えた後、長岡藩でくしくもファブルブランドの母国スイスに似せた武装中立を貫こうとするも、藩内の誰にも薩長筆頭の皇軍にも奥羽越藩同盟にも理解してもらえず、結果として小地谷談判で決裂し、旧幕側に立つ存在として一瞬だけ局地勝利をえるもわずか数日で山県有朋ひきいる皇軍に長岡で民衆を巻き込む火の海の惨劇をまねき自身は銃創で戦時中に死ぬという結果に至る。司馬遼太郎は開明主義ながら薩長と同じ方向に向かなかったのは不思議だが、それが武家の美なのだろうと河合継之助を描いたそうだが、現代人の私にはなかなか理解しにくかった。

  • 武士の精神と開明への思いが交錯する継之助。偉いといえば偉いが、個人的には評価が低い。
    どうしても、奥さんが可哀想としか思えない。

  • こんなに明快に人生を送れる事が、凄い。そこまで信念を貫く事が、凡人の私には、無理である。時代に恵まれた所もあるだろうが、同じ時代で輝く事が、出来たのは、努力の人だからでもあろう。

  • ものごとの原理を知るために行動できる男こそ河井継之助という人物。この人物がどういう人生を走ってきたのか、紹介文を読んだときから、すぐに知りたい衝動に駆られ思わずこの本をとってしまった。それも、自身が仕事で何のためにするのか、という一点をまさに探していた姿と重なっていたからに他ならない。

    幕末の時代に生きた継之助。他の藩士や明治時代に活躍した将軍と比較して歴史上有名かというとそんなことはない。むしろ知っている人があまりいないのではないか。なぜ、それほど有名にはならなかったのであろうか。
    「日本中が京都か江戸かにわかれて戦争をしようというときに、あいつは長岡藩だけはどっちにも属せずに割拠しようと思っていたのだ。」武装独立をした上で、この信濃川沿いの7万4千石の地に継之助の考える理想国家をつくりあげようとしていた。
    「きわどい夢というのは、日本中が大火事になっているときに、こんな小藩だけが自分勝手な国を作れるかどうか。そのきわどさに継之助は自分の夢をかけていたのだ。」(P.295)

    そう、継之助は長岡藩をいかに強くするか、その一点だけを見つめて走り続けてきた男だったからだ。本文中では、一国の宰相になれる素質を持っていると言われた程。
    私が継之助の最も尊敬しているところは、物事の本質(原理)を出発点として様々なことに思考を巡らせることと「書物に知識をもとめるのではなく、判断力を砥ぎ、行動のエネルギーをそこに求めようとしている」ところ。

    どちらも、百数十年経過している現代に通じていると言える。むしろ、時間が経過しようが将来に渡り人々が大事だと痛感しなければならない要素である。

    個人的には、常に外の世界から自藩の動き・考え方を見つめようとするところ、女遊びに明け暮れながらもなんだかんだ自分の奥さん(おすが)の純粋な心持ちを最も尊敬しているところも魅力的な箇所だと思っている。

  • 今の日本の礎を作ってくれた無名の偉人を知れる機会でした、新潟の方に是非読んで欲しい一冊です

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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