勝海舟 (第1巻) (新潮文庫)

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著者 : 子母沢寛
  • 新潮社 (1968年12月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (637ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101153056

勝海舟 (第1巻) (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 粋で口は悪いが人情家にして親バカな勝小吉のキャラが強く印象に残ります。

  • ずっと読みたいと思っていながらなかなか手が出せなかった一冊。
    勝海舟を中心に大きな歴史世界を描く、「マクロ歴史小説」(たとえば『坂の上の雲』)ではなく、勝海舟の、家族や友人とのやり取り、市井の様子を描いた「ミクロ歴史学」(藤沢周平のような)に近い。
    一巻では、勝海舟の若い頃に始まり蘭学で身を立て長崎に実習に赴くまでが描かれている。僕が最も感動したのは、貧乏ながらもいつも堂々とし、困っているを助ける事に生きがいを感じてい海舟の父・小吉の生き様。 「江戸っ子の粋」というのはこういう事かと思った。
    自分も、もっと人の役に立つような生き方をしたいと感じた

  • 「龍馬伝」が始まったから、というわけではないけれど、子母沢寛の「勝海舟」全六巻を読み始めた。

    海舟が歴史小説の中で取り上げられるのが少ないのは、同じ幕末の人物に比べて悲劇的な面が余り無いせいか、ドラマとして読者に訴えるものが感じられないせいか。咸臨丸での太平洋横断や江戸城無血開城だけでは駄目なようである。むしろ彼が主人公として描かれる場合は、周囲に集まってくる人間との交流に焦点が当てられる。福澤諭吉、坂本龍馬、西郷隆盛、徳川慶喜。彼らと対等な立場でやりあった姿が描かれることがほとんどだ。

    しかし子母沢が描く海舟は、活発に動き回る。特にこの第一巻では、青春時の彼が生き生きと描かれていて、読み進めて行くうちにいつの間にか海舟のペースに巻き込まれて行く。旧幕臣、彰義隊の生き残りを祖父に持つ子母沢の書き綴っていく江戸弁が、落語を聴き慣れている目には小気味いい。歴史小説を読んでいるというより、ひとりの江戸っ子、ひとりの若者の冒険談を読んでいる感じがする。

    この第一巻目では、海舟が蘭学者として名を上げ、長崎海軍伝習所を軌道に乗らせるまで。父小吉や、文武の師、弟子との別れもあり、男として大きくなっていく姿が描かれて行く。二巻目はいよいよ咸臨丸で太平洋に向かう。

  • 子母沢寛 「勝海舟 」1/6 黒船渡来

    なるほどと思った著者の視点は 「勝海舟は 海外の脅威に立ち向かうために 近代化の必要性を感じた」としたこと。黒船は海外の脅威の象徴

    前半は 勝海舟の父(小吉)を 人情豊かな 時代劇風に描くことで、古き良き時代を演出。後半は 勝海舟の台頭と近代化を同時に描いている

    「腹を立てちゃいけない〜風が右から来たら左へなびく、左からきたら右へなびく〜根だけはぴったり大地へ据えて動かない」

  • 勝海舟の父、勝小吉の話から始まる。
    前半部分は、子吉の話がほとんどだけど、6巻まで読み終わってみると、なぜか、小吉の方が魅力あるように思えた。
    この小説を読むと、やはり、勝海舟がいなければ、江戸城無血開城はなかったのだろうな、と思いつつも、勝は、もっと自分を評価してほしい、認めて欲しい、という自尊心の塊のような男ではなかっただろうか、と思う。いつもいつも不平不満をいいつつも、やはり、江戸のことが好きで、江戸の市民を放ってはおけない、人情家だ。江戸末期、明治維新の中心を歩きつつも、ほとんど無傷で生き抜いたのは、やばい時には、嗅覚が働き、逃げたり、隠れたりしていたのだと思う。それは、卑怯とか、弱虫とか言う、非難の意味ではなく、物事を為す人は、為すために、どんなことがあっても生き延びて、頑張っていくということだ。犬死は、無駄死に以外のなにものでもなく、やり遂げようと言う、強い意思がないということでもあると思うから。
    全6巻

  • 子母沢寛の小説です。
    前々から気になっていた本で、今回挑戦してみました。
    苦戦しました。個人的だと思うんですけど、江戸っ子言葉を文字にしているところが本当に読みづらかったです。
    勝海舟の父親・小吉など、チャキチャキの江戸っ子旗本を描こうとしたんでしょうけど、江戸っ子言葉は・・・文字には向いていないと思います。
    そのせいか読むスピードが本当に遅くなってしまい、読み始めたのは12月だったのに3ヶ月半もかかってしまいました(^_^;)

    勝海舟の父親・小吉のエピソードが前半を占めています。
    当然、勝海舟は麟太郎少年として出てきます。
    随分前に勝海舟のドラマを観たことがありますが、その時も小吉の事を物語の序盤に語っていましたので、小吉のエピソードが前半を占めていたのは面白かったです。

    意外だったのは、今巻で長崎伝習所までを描いていること。そう、年齢は30代中盤までを描いていました。

    もしかしたら咸臨丸辺りから長く描かれるのかなぁ。

  • 司馬遼太郎で幕末にはまった。勝海舟について知りたく、本書を取ったが、難解。物語が頭に入ってこない。わたしの読解力の問題と思う。

  • <1巻〜6巻までまとめてのレビュー>
    やはり子母沢寛は面白い!!

    子母沢の小説は全部鵜のみにしてはいけないとは言われているけれども、それでも子母沢が祖父から聞いたという、この時代の雰囲気、江戸っ子気質、ユーモアなどが巧みに表現され、確かにそういう時代があったのだという実感が得られる。江戸時代という時代そのものが伝わってくる、これが子母沢小説の醍醐味である。

    勝麟太郎の性格や考え方が分かり、そしてその勝を慕う人達とのやりとりを読むうちに、まるでその仲間に入ったかのような、どんどん登場人物達と親しくなっていくような感覚に陥り、読み進めていけばいくほど楽しくなる。
    杉さんもは本当に家族のような気になってしまった。
    全くもって、読んでいるのが楽しい本でした。

  • 1巻~4巻まで
    勝麟太郎の父、小吉の話から始まる。
    この父の性格に輪をかけてそっくり受け継いでいる。
    武と文を兼ね備えてこの日本国を愛する。
    大政奉還、坂本竜馬の暗殺、そして陸軍総裁に抜擢される


    5巻 江戸開城
    勝と西郷隆盛の手引きによりスムーズに江戸城の開城へと進んでいき、徳川慶喜の身の安全も確保された。
     開城にあたって大奥の篤姫の最後の粘りがあった様子が想像でき、これで300年近く続いた徳川家の時代の幕引きとなり、徳川を支えてきた人達のやり切れなさが伝わってきた感じである。

    第6巻 明治新政
     徳川家が江戸城を引きはらい、駿府へと幕臣達と移っていくのだが、大勢の人たちが一気に移り住む大変さがあった。

    全6巻読破してみて、勝麟太郎の魅力がよく伝わり、その人間味に惹かれ、いろいろな人物との関わりあいがうまく表現されている。
     幕末のいろいろな思想があるなかで日本国にとって一番的確な道を進んでいった人ではないだろうか。

  • おとこ鷹を読み終わったので、今度は勝海舟を読んでみました。
    6巻まであって、1巻が長い!650ページくらいあります。

    勝海舟のイメージはよく歴史で出てくる「江戸城無血開城」ですが、その勝は実際どんな人間なのか、どういう背景をもっていて、どういう考え方をしていたのか。その背景、考え方、魅力ある人間性などが、エピソード主体に展開していきます。

    父親勝小吉と同様に江戸っ子全開の勝海舟なんて、知らなかったなぁ。憎まれ口を常にたたくも人から愛され、人をよく見抜き、当時の誰より世界というものを意識した。その見識は、若いころの勉学にあったものと思います。とにかく貪欲に学んでいく。本屋で立ち読みして、読みつくして本屋の主人に仕入れる本をリクエストしたり、借りた本を2冊書き写して、1冊売ったり。手に入らない本を買った人のところにいって、寝てる間だけその本を借りに行ったり。必死というより、それが自然なのが勝海舟のすごいところでしょうか。

    今の自分にもあてはめて、もっと貪欲に自ら動いていく大切さを学んだ気がします。

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