勝海舟(四) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (640ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101153087

感想・レビュー・書評

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  • 第4巻読了。大政奉還から討幕へ。次巻はいよいよ江戸無血開城に向けての西郷との大一番。
    歴史の表舞台は京ながら、本小説の舞台は勝のいる江戸が中心となっており新徴組の動きや益岡等の薩摩の暗躍等、興味深い。
    時に勝の命を狙いに元氷川を訪れる刺客に対しての勝の応対も面白く且つその際の言葉に名言も多い。
    また、勝の家族思いの一面もこの小説でなくてはならない部分。

    以下引用~
    ・「人間は、なんでも揺るがぬという事が大切だ。え、朝明けの富士を見て、びくともしねようになれあ、人間その時はじめて一人前だ」
    ・「日本国というのは、どなた様のものか知ってるかえ、幕府のもんじゃあねえよ、まして薩摩のものでも、庄内のもんでもねえよ・・・みんな日本国というものを忘れているわさ」
    ・「薩摩にゃあ、小松、西郷、大久保、中にも西郷吉之助という、幕府役人なんぞにゃあ、鉄の草鞋で探してもいねえ偉い奴がいる。まあ、したい事を黙ってさせて置け、あ奴あ何をやったって、ちゃんと目安をつけているよ」
    ・「日本国の伝習生は、これから、短い間に、命がけで勉強をするんだ。え、いいか、それもおのが為にやるんではねえ。出世をしてえとやるんでもねえ、いいか日本国将来の為にする勉強だ。そんなのろまな遣り方でどうするんだ」
    ・「幕府だって、薩摩だって、同じ日本国の人間だろう、それが喧嘩するに毛唐人の手を借りる、馬鹿馬鹿しいにも程がある。兄弟喧嘩あな、たとえどんなにやって見たところで何時かはけろりとしてしまうもんだ、それへ他人が入っていろいろやるから却って事が面倒になる。面倒になるのはともかく、恥ずかしくあねえか、恥ずかしくあ」

  • <1巻〜6巻までまとめてのレビュー>
    やはり子母沢寛は面白い!!

    子母沢の小説は全部鵜のみにしてはいけないとは言われているけれども、それでも子母沢が祖父から聞いたという、この時代の雰囲気、江戸っ子気質、ユーモアなどが巧みに表現され、確かにそういう時代があったのだという実感が得られる。江戸時代という時代そのものが伝わってくる、これが子母沢小説の醍醐味である。

    勝麟太郎の性格や考え方が分かり、そしてその勝を慕う人達とのやりとりを読むうちに、まるでその仲間に入ったかのような、どんどん登場人物達と親しくなっていくような感覚に陥り、読み進めていけばいくほど楽しくなる。
    杉さんもは本当に家族のような気になってしまった。
    全くもって、読んでいるのが楽しい本でした。

  • 幕府と薩摩、長州の対立は深まり、15代将軍慶喜の大政奉還、その後少しまでです。
    この巻は時代の流れ、幕府からすれば非常に暗い約300年に及ぶ幕府終焉への流れ。大政奉還後、徳川は天皇の一配下という立場になるも、結果的には失敗した行動ののち明治維新への流れをつくる。勝海舟が表舞台にでる前触れのような巻です。

  • 公武合体の失敗、土佐藩からの大政奉還の建白書、15代将軍慶喜の決断。

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