三国志(三) 草莽の巻 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101154534

作品紹介・あらすじ

董卓亡き後、またもや苦境に陥った帝を助けた曹操は、丞相となり朝廷で躍進。若き孫策は江東を平定し、小覇王と呼ばれるように。さらに淮南では、強大な勢力を誇る袁術が、自らを帝王と称しはじめる。翻弄される劉備の明暗やいかに!?栄華と混戦の第三巻。

感想・レビュー・書評

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  • 三国志の中で、印象に残っていたエピソードが続々でてきます。
    典韋の壮絶な最期や夏侯惇が自分の眼球を食べちゃった話。
    田畑を踏み荒らさぬようという軍律を課した曹操が、自身の乗る馬が鳥の羽音に驚いて麦を踏んでしまったために自刃しようとするエピソードなどなど。

    呂布は董卓に仕えていたときが一番よかったのでは…と思ってしまいます。
    目先の利益に踊らされている様子に、呆れてしまいます。
    圧倒的な強さを持っていても、人の上に立つ器は持っていない、ということでしょうか…。

    劉備サイドはまだまだぱっとしないですな。

  • 董卓の残党の影響も弱まり、曹操と孫策が躍進する一方で呂布、袁術は凋落ぎみ。北方の雄・袁紹と劉備を加えて、ようやくプレイヤーが絞られてきた印象のある3巻。

    個人的な推しは呂布陣営。呂布はもちろん、軍師というより腐れ縁感の強くなってきた陳宮や、陳大夫・陳登父子もいい味を出していて好き。
    他の武将からは脳筋の裏切り者というさんざんな評価を受ける呂布だが、その場の損得勘定や義理立てで考えをコロコロ変えて後から罪悪感に苦しむ姿は誰より人間的だと思う。

    というより、巻末らへんの劉安のエピソードでも思ったが、そもそもこの時代の道義観がよく分からない。裏切りがダメといっても全員やってる事だし、張飛の蛮行を叱るだけでロクに罰しない劉備なんかの方がよっぽど非難されるべきなんじゃないか。吉川がひと段落したら、そのあたりも新書か何かで勉強してみたい。

  • 董卓が聞いていたよりは誠実な人でした
    董卓がサラッと死んでしまったのが少しつまらなかったです

  • 乱世の中で飛び交う智略謀略に躍らされる呂布。
    一方、父親として、娘を見守り、将来を案じる呂布。
    血生臭い戦闘の中で表れる彼の人間臭さに、彼を応援したくなる気持ちをおぼえた。

  • 愛すべき脳筋、呂布があまりに泥臭く人間的で魅力的。
    曹操と劉備もようやく手を組んで、次号が楽しみ。
    登場人物も増えてきて、たまに巻頭の人物紹介図を見ながら進む…名前も親子もややこしいねん…
    あと、表紙の呂布&赤兎馬カッケェー

  • 屈強で英傑な男たちがこの時代には世界中にいたんだな...
    ひとりひとり弱いとこも多くありけりだけど…

    今回絶対呂布がいなくなると勝手に予想してた
    けれどさすがというのか、思ったら即行動!!タイプなとこは変わらないけど、強くなればなるほどまた周りを圧すると頭脳明晰な人が周りに集まってくる...呂布の周りにはいつも人がいっぱいいた

    でももうダメだな
    仲間内で割れてるわ、背くやついるわでどんどん孤立していって...いくら強くても無理やな〜
    曹操と劉備の2人が団結するところは本当にやっとか...と思った

    それにしてもまだまだ続く三国志
    ちょっとずつ整理しながら読まないとな
    とりあえず曹操と劉備、まだ呂布もだな...戦いを見守ってこう

  • 呂布の存在はわかりやすく、色んな示唆に富んでいる。

  • 夏候惇が目玉を喰ったり、もてなすために妻の人肉を振舞ったり、血みどろの三巻。

  • 何処か憎めない呂布 赤兎馬で走っていく姿はどうなることやらとハラハラしてしまう 曹操は有能な人物を愛し文武に精通する英雄と言われている
    息子を亡くした時の心情は印象に残った
    その後の曹操が気になりながら4巻に進みます

  •  飛躍する曹操と、ついに墜ちる呂布、流転する劉備一党、孫策の躍動とますます勢いを増す巻。三国の萌芽がこの巻あたりから見え始めます。

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著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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