三国志(八) 図南の巻 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101154589

作品紹介・あらすじ

劉備は、荊州から呼び戻した孔明の策をもって、ついに蜀を手中に収めて国家の基礎を固める。あせる呉に荊州の返還を迫られるも、留守を預かる関羽は拒絶。だが孔明は、魏の矛先を蜀から逸らすべく、あえて要求をのむ。その読み通り、合肥にて孫権と曹操は死闘を重ねる――。曹操、劉備はついに王に。興隆と乱戦の第八巻。

感想・レビュー・書評

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  • 俗な表現になるが、タレント豊富な劉備陣営である。

    老将黄忠、趙雲の活躍あり、張飛もかつての脳筋キャラからは成熟したような戦いを見せる。そして何よりも関羽は強い。
    蜀漢の豊かな人材の、まさにピークとも言える働きぶりが描かれた巻であった。

    遠くない、衰退もそこはかとなく感じさせる。

  • 曹操は魏王に、劉備は蜀を制し漢中王となり、孫権率いる呉を含む三国が伯仲する時代へ。やっぱり孔明は天才のままで、黄忠を含む五虎大将軍の活躍と曹操の奸雄っぷりが描かれる。目立たないけど、鳳雛こと龐統もサクッと退場。
    年寄りと揶揄され、地団駄踏んで「わしゃまだやれる」とワガママ?だけども結果を出す黄忠、それを裏方でサポートする趙雲、ただの力自慢ではなく戦上手の張飛、諭されたらコロッと寝返ってしまう馬超、そして何とも小難しいおっさん臭が漂わせながらやっぱり強い関羽。なんだかんだで統率もとれキーパーソンが明確な蜀がわかりやすく強い、と感じられる。
    戦闘シーンがややワンパターン化してきてるのは長編として仕方ないと思いつつ、曹操は益々傲慢振りを発揮し、少しでも気に障ったら容赦なく殺していく"物語の悪役"としての地位を築いていく。ただ、劉備も孔明も堅苦しいくらい「いい人」なので、あまり感情移入はできない。
    主要人物が齢を重ね、物語の終焉がそこはかとなく感じられるのが少し寂しい。

  • 龐徳の最後には意外と感動しました!

  • 劉備が遂に王の座に。関羽はやはり強く、智力にも秀でている。死なないで欲しい。

  • どうにも曹操の魏が弱くなった、というよりも求心力がなくなってきた。
    劉備の蜀が強いというよりも、家臣が勝手に勝ってくれているようにも見える。
    国が大きくなると、こういう風になってしまうのかなぁ。

  •  張遼が活躍する合肥の戦いなど三国鼎立後の状況が描かれる。しかしついにこの巻で関羽が・・・。

  • 英傑たちも年老いてきたなぁ(´・ω・`)
    しかし黄忠はカッコイイジジイだった。張飛も筋肉脳から成長したようだし。

    皇帝が相変わらず薄幸だけど、またしてもクーデターを臣にやらせて失敗。もう3回目くらいじゃなかったかな。ちょっとは学習しなよ、と思ったのは私だけだろうか…

  • 劉備は、蜀を入手、曹操と闘い、関中を手に入れ関中王となる。陳式と夏侯尚との俘虜交換で、直後、夏侯尚を矢で射て殺したことは、義を重んじる蜀としてはいただけない。2015.2.22

  • 2014/8/25

  • 劉備がついに蜀をとり、ようやく魏・呉・蜀の三国が並びました。

    権力と老いは人を変えるのでしょうか…。
    自身を諌める家臣の言を聞き入れなくなってきた曹操に、ハラハラさせられました。
    一方の劉備の下には、きら星のような猛将が名を連ね、次々と戦に勝利を収めます。
    特に本書では老将軍・黄忠の活躍が光りました。

    次はいよいよ9巻。
    さらに波乱の展開が待ち受けているような予感がします。

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著者プロフィール

1892年、神奈川県生まれ。1921年、東京毎夕新聞に入社。その後、関東大震災を機に本格的な作家活動に入る。1960年、文化勲章受章。62年、永逝。著書に『宮本武蔵』『新書太閤記』『三国志』など多数。

「2017年 『江戸城心中 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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